【袴田巌さん再審】14回目公判で弁護側と検察側の立証がすべて終結し5月に結審へ…ポイント解説(静岡地裁)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年4月24日 19時3分
1966年、静岡・旧清水市で みそ会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん。再審公判で最も重要な証拠となっているのが犯行着衣とされている「5点の衣類」。24日の再審公判では、2014年 袴田さんが拘置所から釈放され、再審が認められる大きな決め手となった、(5点の衣類)犯行着衣とされている衣類に付着した血痕のDNA鑑定が、審理されました。鑑定の結果、袴田さんのDNA型と「一致しない」とする弁護側の主張に対し検察側が反論しました。
24日、浜松市内の自宅から裁判所に向かう袴田さんの姉、ひで子さん。
(袴田 巌さんの姉・ひで子さん)
「(裁判は)今日で最後だと思っている、私はね、22日は おまけだろうと思っている」
(記者)
Q.「きょうは巌さんは?」
(袴田 巌さんの姉・ひで子さん)
「どういうわけか早く起きてご飯も食べてもう座っている」
そして、14回目の再審公判に臨みました。
(佐野 巧 記者)
「ひで子さんら弁護団が結審前最後の公判に向けて静岡地裁に入ります」
前回の公判で弁護側は専門家によるDNA鑑定は使用された機器や実験方法の手順から信用性は高いなどと主張。『「5点の衣類」は袴田さんの犯行着衣ではなく、ねつ造された証拠であることが科学的に裏付けられている』と訴えていました。一方、検察側は「弁護側のDNA鑑定は信用できず、5点の衣類が犯行着衣ではなく、袴田さんのものでないということを示す証拠にはなりえない」と訴えています。
24日の法廷で検察側は大学教授の意見書などを示し、血痕が長期保存されていることや、みそに浸かった影響からDNAは分解が進み、劣化しているなどと説明。弁護側のDNA型鑑定の信用性を改めて否定しました。一方、弁護側もDNA鑑定について補足で説明し検察側の主張に反論。
24日の審理で弁護側と検察側の立証がすべて終結しました。5月22日に結審する見通しの袴田さん再審公判。
(スタジオ解説)
あらためて、24日 行われた14回目の再審公判の内容をみていきます。髙山さん。
(髙山 基彦 キャスター)
24日は前回の公判に続き、犯行着衣とされている「5点の衣類」についた血痕のDNA鑑定ついて審理されました。この「5点の衣類」のうち、「白の半袖シャツ」に着いていた血痕は、袴田さんの血液型と同じB型で、右袖には2か所、穴がありました。また、逮捕後に袴田さんの右上腕部に傷痕があったことから、検察は、半袖シャツの袖の穴と一致するとして、検察は、シャツは犯行時に袴田さんが着ていたものと主張し、死刑が確定した際にも証拠の一つとなりました。しかし、弁護側は専門家が血痕のDNA鑑定を行ったところ、「袴田さんのものではなかった」と主張しています。
前回の公判で、弁護側が行なった血痕のDNA型鑑定について、使用された機器や実験方法の手順から信用性は高いと主張。『「5点の衣類」は、袴田さんのものではなく、ねつ造された証拠であることが科学的に裏付けられている』と訴えました。
一方、検察側は「5点の衣類」は40年以上保存されていて、みそに浸かっていたこともあり劣化が甚だしく、DNA鑑定が困難と主張。「弁護側のDNA型鑑定は信用できず、5点の衣類が、袴田さんのものでないということを示す証拠にはなりえない」と主張しています。
(津川祥吾アンカー)
このDNA鑑定なんですが、ちょっとわかりにくいのが、これは弁護側が出しているもので、この「5点の衣類」が袴田さんのものではないと証明するだけではなくて、ねつ造されたものではないかと、これまで弁護側は強く主張してきたわけですが、一方で今回の審理の中では、通常ある鑑定人の方の証人尋問が行われていないんですが、これについて若狭さんはどのように思われますが?」
(コメンテーター・元東京地検特捜部 副部長 若狭 勝 弁護士)
「ご指摘の通り、
いよいよ袴田さんの再審公判は大詰めとなり、5月、結審となります。次回はどのようなことが行われるのでしょうか。
(髙山 基彦 キャスター)
5月22日の第15回公判で、すべての審理が結審、終結する見込みです。結審は、検察の論告・求刑、弁護側の最終弁論が行われる見込みで、この日は、袴田さんの補佐人として出廷している姉のひで子さんも意見を述べる予定です。一方、この事件の被害者側の遺族からも「意見陳述」の申し出があり、検察が文書を読み上げるかたちで処罰感情などを伝える意向とみられています。
(津川さん)
(若狭さん)
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