【また値上げ】6月も数多くの品目が値上がる一方で物価高対策の定額減税も始まる…生活はどうなる(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年6月3日 18時31分
大幅な値上げラッシュとなった2023年ほどではないものの、この6月も食品など数多くのものが値上がりします。物価高対策としての定額減税も始まる中、私たち生活はどのように変化していくでしょうか。
民間の調査会社帝国データバンクによりますと、主要食品会社195社が2024年初めから10月までに値上げを予定しているものは8269品目。この6月の値上げは614品目となっています。中でも最も多いのは、味付け海苔などの加工食品で、329品目となっています。
値上げの要因の約3割は円安の影響が上がっていて、2023年の同じ時期に比べて約3倍に拡大しており、このまま円安が続くと秋にかけてさらに値上げ品目が増えることもあると予想しています。
食品だけでなく、6月(7月請求分)から値上がりをするのが「電気料金」大手電力会社10社全てで値上がりします。政府の物価高対策の補助金が5月で終了するためで、標準的な使用量の家庭では前の月と比べ中部電力管内で、382円富士川から東の東京電力管内で、392円上がることになります。3か月前(3月)と比べると1000円以上の値上がりとなり、街でも不安の声が…。
(30代 夫婦)
「高くなっていますね」「明細を見て高いなと思う」「電気は使うので安いにこしたことはない」「暑い時間に外に出ないようにしているがその分家でエアコンを使わないといけないのでデパートとかスーパーとか涼しいところに出かけたりしたらいいかなというのはある」
(50代 女性)
「上がってますよね」「うちはオール電化なのでガスとか使ってないから電気しかないので」「先月か先々月か万単位でつかっていたが止められない」
電気代の値上がりにより飲食業界からも苦しい声が…。静岡市にある静岡おでんが有名な居酒屋。エアコンばかりでなく、名物の調理には欠かせない電気機器もあると話します。
(正悦 藤嶋 慎太郎 社長)
「店内だとやっぱりエアコンをどうしても使わなくてはいけないし、後はおでんの鍋の下には電気のおでん鍋になっているので、それも欠かせない、消すわけにはいかないので、そこらへんは何もしなくても(電気代が)上がってしまうのはいたい」
さらに追い打ちをかけるのが、電気料金だけではなく、食材価格の上昇。
(正悦 藤嶋 慎太郎 社長)
「キャベツは目に見えて値段が上がったなというのがわかるんですけど、他にも野菜類が結構日に日に変動が大きいなとは思います」
この居酒屋では価格への転嫁にも限界があるとして、様々な対策を検討していると話します。
(正悦 藤嶋 慎太郎 社長)
「値上げを多少させていただくのは昨年にしたんですけど、後は見えない範囲で(料理の)量を少し調節したり」「仕入れを安い所で仕入れたりとか、そういった努力をこれからしていかないといけないかなと思っています」
そして6月から、食品も相次いで値上がりします。外食チェーン「餃子の王将」は、6月21日から「餃子」を20円(税別)値上げすると発表。
ほかにも「ペヤングソースやきそば」「じゃがりこ」「とんがりコーン」「明治ミルクチョコレート」など、人気商品の値上げが決まっています。
様々なものの値段が上がる一方、6月から始まるのが「定額減税」。年間で1人あたり、所得税3万円と住民税1万円、計4万円の税負担を減らす、つまり“手取りが増える”制度がスタートします。物価高の中で私たちの暮らしにどのような影響があるのでしょうか。専門家は。
(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)
「今回の減税分は、表面上税金が引かれて手取りが増えるということではメリット」「足し算なのか引き算なのか給付金と減税の違いは出てくるが、経済的な価値は同じように出てくると思う」
具体的にはどういう効果が出てくるのでしょうか。
(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)
「今月に入って食品を中心とした生活必需品の値上げは決まっている」「物価に絡んだ負担感が大きいため今回の減税はJUMPこれまで続いた物価高のマイナスを穴埋めするような形になる」
私たちが生活する上で気を付けた方がよいことは。
(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)
「今回の減税は今のところ1回限りです」「手元に残る金額が増えたからといってすぐに使うのではなく計画的に使う必要があると思う」
(スタジオ解説)
値上がりは続き、物価高を日々実感する一方で、6月からは「定額減税」も始まります。あらためてその仕組みをみていきます。
今回減税の対象となるのが所得税と住民税です。この給与明細で、給与から差し引かれている所得税と住民税が減額になります。1人あたり年間で所得税は3万円、住民税が1万円減税されます。納税者に扶養家族がいる場合は、本人だけでなく扶養している子どもや家族も対象です。
具体的な事例でみていきましょう。例えば夫婦と子ども2人の4人家族の場合、共働きか否かに関わらず世帯全体で所得税が12万円、住民税が4万円、年計16万円減税されます。ですからこの制度は、子どもが多いほど減税額は多くなるというわけです。
ただし、年収が2000万円を超える高額所得者や海外に住んでいる扶養家族は今回は対象外となります。
では実際、どのようにして始まるのでしょうか?
会社員などの給与所得者で毎月の給与やボーナスから所得税が天引きされている人は、早ければ6月に受け取る給与やボーナスから順次、反映されるということです。ただし定額減税は一度にまとめてというわけではなく、複数回に分けて減税される仕組みになっています。
では、どこで確認をするのか?毎月の給与明細に定額減税はいくら、というように「定額減税」という言葉を入れていくら控除したかという記載が加わります。
政府は春闘の賃上げにこの定額減税を加えて、物価高を上回る所得の実現につなげたい考えです。
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