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「消滅可能性自治体」に列挙の市町の衝撃と脱却への試み…別視点で移住・定住・交流進める自治体も(静岡)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年6月11日 17時32分

Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

若い女性の人口が減少することで少子高齢化が進み、将来的に自治体を維持できなくなる可能性がある地域が全国的に問題となっています。そうした状況を何とか食い止めようと、若い世代の移住や定住を増やそうと取り組む自治体の新たな動きを取材しました。

政府は10日、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかける「地方創生」の取り組みを開始して2024年で10年となることから、その成果をまとめた報告書を発表。それによると地域によっては人口が増加したところもあり、一定の評価はできるものの、日本全体で見た時には、人口の減少や東京圏への一極集中などの大きな流れは変わっていないとして、地方が厳しい状況にあることを重く受け止める必要があるとし、成果が不十分であることを認めました。

この、地方における人口減少のリアルな現状を示したある衝撃的なデータが2024年4月に公表されました。その名も「消滅可能性自治体」。データを発表した民間の有識者グループ「人口戦略会議」によると、2020年からの30年間で、20歳から39歳の若い女性の人口が50%以上減少すると推計される自治体を、将来的に消滅する可能性があると定義していて、静岡県内では熱海市・伊豆市・下田市・牧之原市・御前崎市・東伊豆町・西伊豆町・松崎町・川根本町の9つの市町がこれに該当しました。名前を挙げられた自治体は…。

(松崎町 深澤 準弥 町長)

「当然若い人たちが外に出ていく流出の部分もあり、高齢化も着実に、伊豆半島特に南部地域はスピードが速い状況」「一つの指針として受け止めている」「この地域の持続可能性を高めていきたいと心して覚悟を決めた」

(西伊豆町 星野 淨晋 町長)

「(人口減少が)最終的には平行線まではいっていない。ずっと下りに近づいていることは、真摯に受け止める」

しかし、その一方で…。

(西伊豆町 星野 淨晋 町長)

「東京がずっと吸い上げている状況を止めていただかないと、いくら過疎地域の町が頑張ったところで問題は解決しない」

東京一極集中が続く現状を変えない限りは、地方が対策をしたところで状況は変わらないと、国などによる対応を求める声もあります。そんな中でも、魅力ある地域に変えることで移住者を増やそうと、積極的に取り組む自治体もあります。2024年、初めて消滅可能性自治体に認定された“牧之原市”です。その危機感は数年前からすでにあったということで…。

(牧之原市 杉本 基久雄 市長)

「5、6年前から1年間の子どもの出生数が300人を下回ってから下り坂というので感じていた。それを何とかしないといけないということで施策を講じている」

すでに先手を打っていたという牧之原市。耕作放棄地となった茶畑を“ある果物”へ転換することで若年層を取り込もうとしています。

この畑で作業するのは2023年の8月、千葉県から移住してきた男性です。

(t.p.C farm 堀内 虹弥さん)

「使っていない茶畑からレモンに転作する」「移住を決意したきっかけも牧之原市が農業に適した場所、水はけのいい土が多い茶畑だったため、農業用水が各地に通っている、そんな場所は日本にほとんどない」

牧之原市では「オーガニックまきのはら」と銘打ち、耕作放棄茶畑の作物転換などを進めています。新規就農者への補助金を積極的に活用したり、耕作放棄された茶畑の伐採した茶の木を炭化させ、土壌改良する取り組みも行っているのです。堀内さんをはじめレモン農家は「波乗りレモン」という名で全国、さらに世界へ広めていこうとしています。

(t.p.C farm 堀内 虹弥さん)

「波乗りレモンというブランド、そのブランドがトップレベルになるように産地化とPRをしたい」「それにともなってお茶産業も盛り上がり、農業も盛り上がり、雇用も変わっていくと思う」

レモンだけではありません、使われなくなった茶畑をブドウ畑にした若者も…。2年前の突風被害で実家が被災したことを機に地元に戻り「くじら農園」を始めました。

(くじら農園 小杉山 京さん)

「ここは元々茶畑で3年前に耕作放棄地だったため、伐根して今新しくブドウを植えている。この木が2年目の苗木」

牧之原に多くの人を呼びたいと、観光農園に適したブドウを選んだといいます。

(くじら農園 小杉山 京さん)

「ブドウ園を多くの人に知ってもらって、多くの人が牧之原に来て魅力を感じてほしい」

(くじら農園 縄巻 洋介さん)

「ゆくゆくは牧之原に住みたいという人が増えてくれればと思う」

さらに、牧之原市では子育て世代に向けた取り組みも。ここは、元々ホームセンターだった建物を活用して図書館やカフェ、子どもが遊べるスペースを整備しました。

(施設利用者)

「遊び場もあって先生たちもいてくれるので、安心して遊ばせられるのでありがたい」

(施設利用者)

「カフェと一緒になっているので、終わった後にカフェしてちょっと騒いでもここならいいかなって」

(施設利用者)

「ここがあるのはうれしい、週に2、3回、無料で使えるのはありがたい」

図書館は「親子連れで来られる」がコンセプトです。

(牧之原市 社会教育課 水野 秀信さん)

「ここは0歳からお年寄りまで誰でも来られる施設です」「この施設が開かれる前は1日50人来館者だったがここがオープンして1日300人来場していただきている」「子育てでの困りごとが図書館に行けば解決する 複合的な施設で一元的に解決できる より暮らしが豊かになると考えている」

このほかにも、牧之原市では2027年のオープンを目指し、東京ドーム約5個分の広さの空き地に大型商業施設の誘致を進めていて、更なる若年層の呼び込みに期待しています。

(牧之原市 杉本 基久雄 市長)

「(第3次総合計画の)一丁目一番地の施策が牧之原ⅠC北側の高台開発、ここに大型商業施設を誘致する、産業施設を誘致する、そこに若者の雇用の場を創出する、若者の移住定住の場所を提供する」「5年後には(消滅可能性自治体から)脱却したい」

若者の移住や定住に力を入れるのは「消滅可能性自治体」だけではありません。最近、子育て世代に人気の焼津市では、将来を見据えて学生を巻き込んだ新たな取り組みを始めました。5月、関東学院大学の学生にプロモーションデザイナーを委嘱。若者目線で人口増加に向けた移住や定住、交流の取り組みを進める、全国的にも珍しく県内では初の試みです。

(関東学院大学 法学部 地域創生科3年 木村 匡希さん)

「女性にやさしい政策作りがカギになってくると考える、今後プロモーションさせていただいて焼津市の認知度をあげていく」

(焼津市 中野 弘道 市長)

「都会の人が見た焼津を、別の視点で、私たちの気づかない焼津の良いところをブラッシュアップして、さらなる地域の魅力を発信できる、それが定住、移住につながることを目的としている」

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