【富士山】山開き初日から遭難・救助相次ぐ…取材班が見た“リアル富士登山”ベテランガイドのアドバイスも(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年7月11日 17時19分
10日夜、富士山の9合目で取材中。強い風が吹き視界が真っ白ななか山の斜面へ駆け寄る人たちが。すると…両肩を支えられた男性が。山小屋の中に運び込まれると。周りの人が大声で呼びかけます。男性は香港から来た38歳で、登山中に動けなくなり救助されたのです。毛布をかけられ、スプーンで温かい飲み物を飲んでいました。
(万年雪山荘 渡辺 和将さん)
「救助行かなければ動けなかった、命につながるような危ない状況だったと思う」
(救助に参加した人)
「だいぶ体温戻ってよかった」
10日、山開きを迎えた富士山の静岡県側。大きな荷物を背負い次々と登山者が山を登っていきます。
(登山者)
「わくわくしてます。だいたい毎年来てたんですけど山開きに来るのは初めてなんで」
10日午前7時半過ぎ、富士宮口5合目は晴れ間が広がっていましたが…。
(高山 基彦キャスター)
「8合目を過ぎて風が強くなってきました、雲が多くなってきました」
6合目を出てから約4時間、9合目に到着すると、すでにあたりは霧に覆われていました。取材班が訪れたのが、富士宮口9合目の山小屋「万年雪山荘」初日からすでに多くの登山客が詰めかけていました。その山小屋に、救助された男性が運び込まれたのです。
男性は初めての富士登山だったといい、一時、低体温症でしたが、容体は改善したということです。昨夜、男性を受け入れた山小屋は。
(万年雪山荘 渡辺 和将さん)
「きのうの方もグループで登山をされてうちの小屋に宿泊予約はいただいていたお客さんなんですけれども」「予約をしいということもあったかと思うが、ある程度上まで来ているので、もうちょっとだと思って頑張って登ったと思うが、やはり天気も、標高も上がってくると悪くなってくるので風も強かったと思うので、だいぶ無理もしながら登っていたんだろうなという気はする」
富士山では山開き初日から事故が起きました。警察と消防によりますと、10日午後2時過ぎ、富士山山頂の剣ヶ峰付近で登山者から「40代から70代とみられる男性が転落し意識呼吸がない」と通報がありました。男性は意識不明の重体で救助されましたが、その後、死亡が確認されました。登山道から転落したとみられています。
また、私たちの取材中には。
(登山者)
「赤いウエア。身長は165センチぐらい」
一緒に登山に来た友人と連絡が取れなくなったという男性が。雨のなか捜しに行くと。
(登山者の妻)
「帰ってきた!」
(登山者)
「帰ってきた!よかった」
その後、友人と無事連絡がついたといいます。
そして11日朝。
(高山 基彦キャスター)
「山開きから一夜が明け、強風が吹き荒れています」
こうした天候悪化から、9合目にある山小屋にもキャンセルの連絡が相次ぎました。
(万年雪山荘 渡辺 和将さん)
「きのうもツアーのお客様だとか、 団体予約をいただいたりもしていたが、連絡があって小屋のほうまで行くのは難しい ということでキャンセルという ことはありましたし」「山小屋、避難小屋なので」「やっぱりそういうことがあればね、命にもかかわるので ので、小屋の中にお受けすると いうのは」「してやりたいと ころだが、今年はやはりだいぶ山小屋の予約が埋まって いるような状況」「下山を決めるっていうのも大事な決断になるので」「とにかくもう無理だと思ったら無理をしないということをぜひお願いしたい」
晴れていれば、山頂から望むことができる御来光。世界中から、その神秘的な景色を求め登山客が集まる一方、常にリスクを伴う登山。そして11日、富士宮口5合目は…。
(横山 明浩 記者)
「午前11時富士山5合目です。大変強い風と濃い霧に包まれています」
5合目には、悪天候のため登頂をあきらめ、下山する人の姿もみられました。
(登山客)
「もともとは今日は万年雪山荘で 泊まって今日の朝から上を目指そうと思ったが、新7合目を過ぎたあたりから非常に風と雨が凄くなってきて、 下山も大変だったので/元祖7合目に行って急遽そこに泊まって今日の朝7時から 下りてきた」
(登山客)
「ほぼ土砂降りでね」
Q 何時ぐらいに起きた?
「午前2時です。登ろうとしたら、 暴風がすご過ぎて、もうすぐ引き返した」
また、11日も富士山で遭難事故が起きました。警察によりますと、11日午前4時半すぎ「人が倒れている」と山小屋従業員から警察に通報がありました。男性は山岳遭難救助隊によって富士宮口5合目まで搬送されましたが、死亡が確認されました。所持品などから60代の男性とみられています。警察は、男性の身元の特定を急いでいます。
山開き早々から、遭難事故も相次いだ富士山。日本一の山を目指すにあたって、私たちが注意すべきことは。
(一般社団法人 静岡富士山ガイド協会 小池 亦彦 理事)
「富士山に来る方は基本的に山をやっていない方がほとんど」「普通に公園をお散歩するつもりで来る方が非常に多い」「富士山は山岳をやる方からすると、山よりむしろ丘、距離が短いし、迷うような道もないし、5合目から山頂まできれいに見えてしまうので、地図がなくても極端な話、行けるような山だが、その分、ちゃんと準備していかないと非常に怖い山だとよく言われる」
私たちが安全に登山するために重要なのが。
(一般社団法人 静岡富士山ガイド協会 小池 亦彦 理事)
「天気予報でふもとの天気を見る方がほとんどだが、富士山専門の天気予報、山の天気予報があるので、そちらを参考にして、上がる時間だけではなく、帰って来る時間までを予測した天気予報を参考にして計画を立てるのがいいと思う」「特に富士山は天気の進みが早いので、思いのほか早く天気が悪くなったりするので、それを予想して早め早めに対応するのが一番いい」
富士登山に関してさまざまな情報がありますが、どの情報を参考にすればいいのでしょうか。
(一般社団法人 静岡富士山ガイド協会 小池 亦彦 理事)
「おすすめするのは、なるべく地元の観光協会がだしている時間表とか注意事項が最も実際に近いので、それを参考にして、なおかつそれに自分の技量で、登山時間とか計画を多め多めにしていただくと安全に上がれると思う」
富士山の開山期間は9月10日までです。
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