【60周年】1964年の開業から人々を運び続けた「翼のないジェット機」東海道新幹線…その礎は静岡に
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年10月1日 17時57分
(新幹線乗客)
「地元と、今、頑張っている場所をつないでくれる架け橋になってくれている」
(新幹線乗客)
「月に4~5回は乗るのでないと生活、仕事が立ち行かない」
いまや人々の生活に欠かすことのできない東海道新幹線。
(JR東海 堀田 晶子 静岡駅長)
「出発進行」
10月1日、1964年の開業から60年を迎えました。改札前のキヨスクでは懐かしい食堂車をイメージしたおにぎり。東海軒では開業当時のお弁当パッケージが使用されるなど開業60周年のお祝いムード一色に。
東海道新幹線がこの60年間で運んだ人数は70億人。東京オリンピックを前に、車体から線路までのすべてを一から作り、先頭が丸い形の0系は「翼のないジェット機」と呼ばれ、当時、東京ー新大阪間を最高時速210キロで4時間で結びました。
その開業の5年前JR金谷駅から藤枝駅の間で速度試験が行われていました。当時、世界最速の時速163kmを記録。その東海道新幹線の礎は静岡で築かれたといっても過言ではありません。
また、こんな風景も。1993年修学旅行に向かう富士南中学校の生徒たち窓の外を見ると…。そこには在校生が校舎の屋上から大きく旗を振りお見送りをする姿が。富士南中学校では、今でもこの伝統が引き継がれています。
このように通勤通学だけでなく人々の楽しみや思い出も運んできた東海道新幹線。開通から60年が経ち新幹線の車両も進化し、最高時速は285キロ。東京ー新大阪間を開業当初の半分に迫る2時間21分に。さらに、これまで乗客の死傷事故はゼロという高い安全性を誇る東海道新幹線。その運行を、多くの静岡県出身者が支えています。
車掌の勝又さんは富士市出身。運転手でもある勝又さんは…。
(JR東海 勝又 慎 列車長)
「お客様の命をお預かりする責任の重い仕事。走行中は一つのミスも許されない」
そんな勝又さんは、富士市出身だからこそ心がけていることがあるといいます。
(JR東海 勝又 慎 列車長)
「県外からのお客様にも富士山を楽しんでいただきたいという思いがある。富士山の近くを走行する時は、丁寧な運転を心がけている」
静岡の魅力をアピールしたいその思いは静岡駅員も同じです。1日のJR静岡駅構内には、60周年のためにデザインしたロゴを中心に、駅構内の至る所に静岡市内の名所や特産物のポスターが張られていました。これらを準備したのは…。
9月30日 午後10時過ぎ、まだ新幹線の運行が続く中、駅の一室には作業をする駅員の姿が…。
(JR東海 静岡駅 奥田 充洋 営業主任)
「印刷をかけているんですが」「切符売り場に青いパーティションがあるが、そこに貼り付けます」
60周年のために、7月ごろから準備を進めてきたといいます。普段は使うことのないコピー機に苦戦することも…。
(JR東海 静岡駅 駅員)
「すごい大変でした サイズを合わせるのが大変でした こんなに小さかったりして」
最後の一枚も無事に印刷完了。出発式まで残り7時間。休んでいる暇はありません。早速作業場へ。この作業、企画から設置までのすべてを駅員が行っていて、メンバーは8人。全員県内出身で、20代~40代の幅広い世代が集まっているといいますが…。
(JR東海 静岡駅 奥田 充洋 営業主任)
「このために結成されたわけではないが」「みんなが見て当社を使っていただいてよかったと思えるような仕掛けを作るグループです」
その名も「おもてなしチーム」です。
過去には、卒業シーズンに改札前に桜の木を描くなど、乗車以外での思い出を提供する仕掛人たちです。今回の60周年企画では静岡市をPRすべくプラモデルを基調にしたデザインに。準備も順調に進む中、営業は終了し、駅に人の姿はありません。そして、「おもてなしチーム」自らの手で設置場所の掃除を行い、ついに設置開始です。もちろん、この細かい橋や富士山も手作りです。改札前のエスカレータに大きな新幹線を設置。そこには、こだま・ひかり・のぞみを絡めた感謝のメッセージが。最後に設置するのは、印刷に苦戦した新幹線の大型パネル。在来線の階段から丁寧に運び込みます。
(JR東海 静岡駅 駅員)
「完成です」
構想から約3か月、ついに静岡駅 駅員の思いが形になりました。
(JR東海 静岡駅 奥田 充洋さん)
「想像以上の出来映えで個人的に感動している」「本当にお客様には感謝の気持ちでいっぱい。我々のおもてなしで、ともに60周年のお祝いができると感じました」
そして夜が明け、出発式本番。出発式にはおもてなしチームのメンバーの姿も。ホームには出発式を一目見ようと多くの人が駆け付けました。
(JR東海 堀田 晶子 静岡駅長)
「出発進行」
リニア誕生により静岡県への更なる発着数の増加が期待される中JR東海の副社長は…。
(JR東海 中村 明彦 副社長)
「リニアが開通すれば、必ず新幹線の輸送に余裕が出てくると思う。ただ、その時の判断になる」「色々なふうに我々は列車を、体験を含めて考えた参りたいと思います」
社員の「60周年への感謝」と「静岡への恩返し」。人々の思いを乗せ、新幹線はこれからも走り続けます。
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