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【繊細】「絵を描くことが生きがい」難病抱えつつ“鳥の色鉛筆画”に打ち込む青年画家にフォーカス(静岡・湖西市)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年10月3日 17時33分

Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

全身の筋肉が徐々に弱くなっていく難病「筋ジストロフィー」と闘う20歳の男性が描く“鳥の色鉛筆画”が話題となっています。「絵を描くことが生きがい」という“青年画家”に迫りました。

羽を休めているペンギンに…青空に向かって大声で鳴くニワトリ。こちらは「大きなくちばし」が特徴のオニオオハシです。繊細なタッチの絵は全て“色鉛筆”で描かれています。

これらの絵を描いたのは湖西市に住む片山八雲さん20歳。全身の筋肉が徐々に衰える難病「筋ジストロフィー」を患っています。母親の明子さんのサポートを受けながら、力が入りづらくなった手先を使って、丁寧に色鉛筆を走らせます。

(片山 八雲さん)

Q.上手な絵が描けたときはどんな気持ちになる?

「うれしい。うまくいったなと喜んでいる」

(片山 八雲さんの母・明子さん)

「描いた後、うまくいったものはずっと目の前に置いておく。ね?」

(片山 八雲さん)

「うん」

(片山 八雲さんの母・明子さん)

「机の上にずっと置いてあって、そこをどかすと怒られます」

八雲さんは、両親と2歳年上のお兄さんとの4人家族。2歳の頃に母親が「まわりの子どもより成長が遅い」と感じて病院を受診したところ、筋ジストロフィーと診断されました。筋ジストロフィーは進行性の難病で、小学生の頃には車いす生活に…それでも、大好き絵を描いているときは前向きな気持ちになることができました。中学1年生の時には自画像を描き、県特別支援学校のコンテストで「優秀賞」に選ばれました。そんな八雲さんが、さらに絵にのめりこむようになったのは2年前。自宅で過ごすことが増えたコロナ禍に「2羽の文鳥」を飼い始めたことがきっかけでした。

(片山 八雲さんの母・明子さん)

「寝ても覚めても文鳥のことしか言わないというか、病院に行っても文鳥に会いたいから早く帰ろうとか」「朝起きても文鳥は何をしているかとか」

(片山 八雲さん)

「ずっと気になっちゃう」「ずっと気にしているね」

かわいらしい文鳥のしぐさに魅了され、その様子を描くように…。そのうち、さまざまな鳥に興味を持つようになり、自宅には好きな鳥のぬいぐるみやクッションがずらり…。インターネットで好きな鳥の画像を探しては、次々と新しい作品を生み出しています。この夏、描いていたのは…。

(片山 八雲さん)

「コウテイペンギンの親子を描いています」

こだわっているのが、鳥の“目”生きているかのように描くことです。

(片山 八雲さんの母・明子さん)

「目を一番気にするね。目に“命を吹き込む”じゃないけど、それが一番すごいなと思います」

活動の幅も広げています。SNSを開設し自らの作品を紹介するように…。2024年6月には、障がい者による絵画展で表彰され自信もつけました。八雲さんの作品は徐々に評判を呼び、この夏から地元・湖西市の健康福祉センターで10枚の作品が展示されています。

(片山さんの絵を見た人)

「やさしいいタッチだね」「かわいい感じ」「なんかね、その方の優しさが感じられるわ」

(片山さんの絵を見た人)

「カラスやスズメがいいなと思った」「体に気をつけて頑張ってほしい」

この日は、週1回通っている浜松市内の病院へ。筋ジストロフィーは根本的な治療法がなく、八雲さんも少しずつ症状が進行し、最近は座ることがつらくなってきたといいます。

(聖隷三方原病院 吉村 歩 医師)

「絵はどうして描いているの?座って描いているの?」

(片山 八雲さん)

「うん」

(片山 八雲さんの母・明子さん)

「寝ては描けないね」

(聖隷三方原病院 吉村 歩 医師)

「何とかね。何か考えないといけないと思っているけれど」

10年ほど担当している吉村医師は、「絵を描き続けられるようサポートしていきたい」と話します。

(聖隷三方原病院 吉村 歩 医師)

「(絵の)繊細さがやっくんの優しさというかね、出ていてすごいな、ぜひ続けてもらいたいなと。手の機能が維持されるので、楽しみになってくれるといいなと思っている」「完全に進行を止めることはなかなか難しいけれど、うまく付き合っていけるようにね」

八雲さんは、週に3回、愛知・豊橋市の生活介護施設を利用しています。ここでも、絵を描くことに多くの時間を割きます。この日、仕上げていたのは、2024年の夏、自宅で描いていた、あの「コウテイペンギンの親子」です。何種類もの色鉛筆を使って背景を描いていきます。そして、しばらくして取り出したのは“綿棒”。指先も使いながら2時間ほどかけて、繊細さと躍動感のある作品を完成させました。

(片山 八雲さん)

「愛らしい。愛情がこもった目になった」

Q.こだわりの目はどう?

「ちゃんと描いている。かわいらしい目に」

Q.かわいい目になっている?

「子どもを見ている」

(片山 八雲さんの母・明子さん)

「自信がついてきたのはわかりますね」「意欲的に描いたら次描く、次描くという感じで、どんどん増えているね、描きたいのが」

(片山 八雲さん)

「うん、増えている」「もう生きがいになっちゃっている」

絵を描くことが「生きがい」と話す八雲さん。コンテストで賞をとって、多くの人に自分の絵を見てもらうことが今の目標です。

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