【日本最大級】「ふるさと納税」全国イベントに静岡から参戦!寄付額アップへ“その先”目指す自治体の奮闘
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年11月13日 18時9分
日本最大級の「ふるさと納税」イベントに、静岡県内の自治体が参戦。寄付額アップを目指した奮闘を追いました。
プリっプリのホタテに…肉汁あふれる牛肉…。
(来場者)
「おいしい」
さらにはカニやウニが詰まった海鮮まで。
(来場者)
「めっちゃうまいっす」
会場にやってきた人たちを笑顔にしたのは、全国各地からやってきた一押しの特産品。これは日本最大級の「ふるさと納税」イベントで、実は、これらのグルメも「ふるさと納税」の返礼品なのです。寄付額アップを目指す全国160の自治体が参加し、自慢の返礼品を来場者に知ってもらおうと、試食や試飲でその魅力を猛アピール。
(自治体スタッフ)
「しゃぶしゃぶの試食始まります」
その中には、静岡県内から参加した自治体も。
(焼津市職員)
「静岡限定ビールの試飲やってますいかがですか、焼津市です」
そこには、来場者へ返礼品を必死にPRする一方で、他の自治体の返礼品を参考にしたりテクニックを学び取ろうとしたりする担当者の姿が。
(焼津市職員)
「居酒屋風にやっていて、なかなか面白い取り組みだな」
「every.Life」は、寄付額アップに、あの手この手。日本最大級の「ふるさと納税」イベントで、全国を相手に奮闘する静岡県内の自治体を追いました。
2024年で17年目となる「ふるさと納税」。住民登録した自治体以外に寄付することで、最大で、その3割に相当する額の返礼品が受け取れるほか、その寄付も、2000円を引いた全額が住民税などから控除される制度で、つまり、実質2000円で、豪華な肉や海産物などをお得にゲットできるのです。2023年度には、全国での寄付額が過去最高の1兆1175億円を記録し、1000万人以上が利用するなど、その人気は高まる一方です。さらに2024年分の寄付は、12月31日までが期限のため、残り2か月を切った今、「ふるさと納税」が“熱い”のです。
そんな中、開催されたのが、全国各地の返礼品が集まり、さらに、試食や試飲もできる日本最大級の「ふるさと納税」イベントなのです。
(来場者)
「寄付をするところを決めようと思って」
(来場者)
「2回目なんですけど、返礼品や自治体の取り組みなど勉強になったのできました」
少しでもお得な返礼品を見つけようとやってきた来場者に向け、全国から集まった160の自治体によるアピール合戦。静岡県内からは、7つの市町が参加しました。
行列の先にあるのは、「ふるさと納税」サイト「ふるさとチョイス」での人気が全国8位の焼津市。ブースでは、焼津市の工場で作られたビールの試飲やツナ缶が当たるくじ引きを行い、大盛況。
(焼津市 山下 浩一さん)
「たくさんの方に『焼津市、焼津市』って…来ていただいたり、『いつも頼んでいるよ』っていう話も聞かせてもらえて、非常にありがたいなと思っております」
県内では寄付額1位の焼津市ですが、会場には気になる展開をする自治体があるようで…。
(焼津市 山下 浩一さん)
「居酒屋風にやっていて、なかなか面白い取り組みだな」
それが、この「ふるさとチョイス」で、2年連続全国1位の宮崎・都城市。まるで居酒屋のようなブースでは、全国的にも有名な黒霧島を含む4つの酒蔵の焼酎を提供。さらに牛肉の産出額日本一という都城市のブランド「宮崎牛」のローストビーフも提供されていました。実は、焼津市とも交流がある都城市。忙しい接客の合間に声をかけると…。
(宮城県 都城市 野見山 修一さん)
「お疲れ様です。お久しぶりです」
(焼津市 山下 浩一さん)
「お久しぶりです。お元気そうで、なによりです」
(焼津市 山下 浩一さん)
「どうやって考えたんですか?」
(宮城県 都城市 野見山 修一さん)
「渡してサッと帰られるのがちょっと嫌で」
(焼津市 山下 浩一さん)
「深い会話をしたい?」
(宮城県 都城市 野見山 修一さん)
「そう、座って会話をしたい。それで、去年からこのスタイルで」
しかし、2年連続1位の座につく都城市にも悩みはあるようで。
(宮城県 都城市 野見山 修一さん)
「われわれは、お肉と焼酎をブランディングってことで、返礼品を強く推し出している。コロナ禍が終わって、普段使いに切り替わってきた。『ふるさと納税』の寄付自体が移っている中で、我々、お肉とか焼酎、そういった部分の人気は若干下がっているので、そこは大変だなってところがありますね、正直なところ」
そこで、都城市では、新たな返礼品を開発するため、地元企業とともに全国の自治体を視察していて、2024年の夏には、焼津市も訪問していたのです。
(宮城県 都城市 野見山 修一さん)
「20以上の事業者が、そちら(焼津)に行って、ものすごいモチベーションが高くなった」
都城市では、官民一体となって、返礼品の向上や自治体の知名度アップに向け、取り組んでいるのです。
(焼津市 山下 浩一さん)
「焼津市も、そういう仕組みを少しでも早く作っていかないといけないのかな…と感じた。外に向かって自分の街の認知度を高めてPRをしていって、最終的には産業の稼ぎに回っていくような、そんな力強い循環が必要になってくるのかなと、これからは思っています」
各自治体がしのぎを削る「ふるさと納税」。これまでは、肉や魚介類などの食料品、特に、価格が高い商品が人気を集めていました。しかし、物価高騰の影響を受け、最近では“日用品”を選ぶ人が増えているといいます。
その流れを受け、トイレットペーパーが人気で寄付額がアップしているのが富士市です。なんと、返礼品の9割がトイレットペーパーということで、ブースでは、6種類のトイレットペーパーを、実際に触れて比べられるコーナーが。
(来場者)
「しっかりしていて、やわらかし、いいですよね。ピンクのをいつも使っていて、ちょっと違うのにしてみようかなと、今、思って」
普段はなかなか利用者と触れる機会はないため、生の声を聞ける このイベントは、自治体にとっても貴重な機会のようです。
(富士市 渡邉 祐華さん)
「実際、富士市に寄付をいただいて『使っているよ』という声をいただいて、なかなか寄付者の声を聞く機会ってないので、とてもいい機会になっています」
そんな富士市が気になる自治体は、やはり同じくトイレットペーパーが主力返礼品の自治体。富士市同様、市内に大手製紙会社の工場があり、トイレットペーパーが人気の岐阜・可児市のブースに向かうと…。
(富士市 渡邉 祐華さん)
「例えば、可児市なんですけど、トイレットペーパーを一切使わないで違うものを推してますよね」
ブースには、なぜかトイレットペーパーの姿はなく、代わりにコーヒーの試飲や、コーヒーショップとコラボしたトートバッグをアピールしていました。
(岐阜県可児市 寺澤 公寛さん)
「あえて紙じゃないのは、トイレットペーパーは売れ行きがいいんですけど、それ以外の事業者も伸ばしていきたいという気持ちがありまして、可児市にあるコーヒー店の店長がキャラクターを書いている独特のテイストなので、これはイベントでやったら受けるんじゃないかと思って」
(富士市 渡邉 祐華さん)
「いろいろなジャンルでシェアをあげるっていうのが、寄付額を伸ばすのに、ひとつ大事なこと。“一強”だとダメらしい」「どの分野でもまんべんなく強いっていうのが大事」
(岐阜県可児市 寺澤 公寛さん)
「(寄付額が多いところは)裾野の下の方のところも、金額の桁が違ったりするので、そういうところを目指していきたい」
あの手この手で寄付額アップを狙う、それぞれの自治体。イベントの主催者も、返礼品の向こう側にある自治体の奮闘にも注目してもらいたいといいます。
(ふるさとチョイス 広報 大橋 潤さん)
「それぞれの地域の特徴、特産品をまず知って、魅力を感じていただきたい。地域の魅力のみならず、自治体の奮闘している姿も、『ふるさと納税』が、返礼品だけではなくこういった使い道で使われているんだということを、多く知ってもらいたいです」
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