【新種】海洋資源減少など問題化で注目…漁業の現場も期待寄せる“ハイブリッド魚”の養殖(静岡・沼津市)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年11月20日 17時46分
海洋資源の減少などが問題となる中、静岡・沼津の海で、新たな品種の魚の養殖が進んでいます。漁業の現場からも期待が寄せられる“ハイブリッド魚”。どんな魚なのでしょうか?
沼津市の内浦漁業協の養殖場。案内してもらったのは新品種の“ハイブリッド魚”を養殖している生けすです。
(栄一丸養殖 日吉 勝也さん)
「希望の魚です。ぼくたち養殖業者にとって希望の魚です」
この4つの生けすで育てられている“希望の魚”というのが…。この新品種の魚です。希少な魚で“幻のアジ”と呼ばれる「カイワリ」、その精子と「マアジ」の卵を交配させ、産まれた稚魚を4センチから5センチほどに育て、生けすに移すといいます。味は“すっきりとした脂乗り”で、高級すし店や仲卸業者からも好評だったといいます。
(栄一丸養殖 日吉 勝也さん)
「上品な味がしました」「皆がおいしいという味だと思います」
この事業を手掛けているのは、2023年7月に設立した千葉県館山市のスタートアップ企業「さかなドリーム」です。創業メンバーは、“食”のトレーディングやブランディングに携わってきた「丸紅」と「サントリー」の元社員。それに、魚類研究の第一人者、東京海洋大学の教授らです。一体なぜ、新たな品種を沼津で養殖するのでしょうか?
(さかなドリーム代表取締役CEO 細谷 俊一郎さん)
「日本の漁業の生産量は減少していく一方であるという 中で、今後『取る漁業から育てる漁業』つまり養殖の需要が一層増していくと考えている」
日本の「漁業の生産量」は、最盛期だった40年前の1282万トンと比べると現在、3分の1以下まで減少…。その要因は、担い手不足、魚離れ、乱獲による資源量の減少、海水温の上昇による異変などが考えられています。一方、世界の魚介類の消費量は増えていて、背景に人口の増加もありますが、そもそも1人当たりの消費量が増えているのです。こうした日本の抱える問題と世界の現状に着目し、「ハイブリッド魚」は開発されたのです。養殖マアジの生産シェア1位を誇る沼津を拠点に、地元の漁協とタッグを組み養殖を進める「さかなドリーム」。
(さかなドリーム代表取締役CEO 細谷 俊一郎さん)
「こんなに魚って取れなくなって いるんだとか」「本当に、このままいったら日本で魚が食べられなくなってしまうと日々痛感している」「特に完全養殖、人間が食べる物 は人間が繁殖させて作っていくことが非常に大事だと思っていて」「これをうまく社会に広めるために頑張っています」
2025年春以降に、7000匹から8000匹の出荷を目指しているといい、将来的には、さらなる新品種の魚の開発にも力を入れていくということです。
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