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【再審無罪確定・袴田さん】“真の自由”得た今…巌さんに“変化”はあるのか?その日常を独自取材(静岡)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年12月12日 17時18分

Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

一家4人が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で無罪が確定した袴田巌さん。死刑囚ではなくなり“真の自由”を得た袴田さんに“変化”はあるのでしょうか。袴田さんの日常に密着させていただきました。

11日、午後2時半ごろ、浜松市内の自宅を出た袴田巌さん。

(袴田 巌さん)

「どうも」

(徳増 ないる キャスター)

「巌さんこんにちは」

(巌さん)

「はい」

(徳増 ないる キャスター)

「徳増ないると申します」

支援者と出かける日課のドライブに同行させてもらいました。

(徳増 ないる キャスター)

「きょうは、巌さん、体調はいかがですか?」

(袴田 巌さん)

「体調はいいですよ」

(徳増 ないる キャスター)

「良かったです」

向かったのは自宅近くの“お寺”。

袴田さんは、半世紀近くにわたる獄中生活によって精神がむしばまれ、時おり「妄想」の世界に入り込む「拘禁症状」を患っています。

(徳増 ないる キャスター)

「巌さん、コイがたくさん泳いでいますけれど、ここにはよくいらっしゃるんですか?」

(袴田 巌さん)

「ああ、たまに来るんだけどね」

袴田さんにとって、ドライブはただの“散歩”ではなく市内をパトロールする「仕事」。支援者によると無罪確定後、問いかけに対する「言葉数」が少し増えるなど妄想が“薄く”なったようにも感じられるといいます。しかし、その一方で、最近でも、購入した飲み物に「毒が入っている」と話すなど、「拘禁症状」が強く出るときもあり、深く負った心の傷は回復から程遠いのが現状です。

58年前の1966年、旧清水市で起きた一家4人殺害事件で死刑囚となった袴田さん。48年後に再審開始が認められ「釈放」されましたが、2024年9月に無罪が確定するまで、さらに10年の月日がかかりました。この間、弟の無実を信じて支え続けてきたのが姉のひで子さんです。一番近くで袴田さんを見てきたひで子さんに、無罪確定後の変化について聞いてみると…。

(徳増 ないる キャスター)

「巌さんの様子は無罪が確定してからどうですか?」

(袴田さんの姉・ひで子さん)

「多少はわかっているようなのね。だけどやっぱり妄想の世界に行ったり来たり、これで分かったのかなと思うとまた変なことを言うのよ。それは妄想の世界でね。48年の拘禁が理由だと思うけれど、やっぱりなかなか治らない」

ひで子さんは、弟の無罪が確定した後も、えん罪被害者の救済に向けて活動を続けています。私たちの取材でも、審理の長期化が指摘されている「再審制度見直し」への強い思いを訴えました。

(徳増 ないる キャスター)

「来年2025年も、もうすぐやってきますが、再審の見直しも含めて来年どんな1年になるといいと思いますか?」

(袴田さんの姉・ひで子さん)

「来年中ぐらいには、再審法の改正ぐらいね、やってもらわないと、巌が48年刑務所に入っていた価値がない。何のために入っていたのかということですよ。巌は頑張って生きた」「死にもしないで頑張って出てきた。おかしいことはおかしいですよ。おかしくても、命があって出てきたことが大事だと思う」

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