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【論議呼ぶ】まちの歴史や文化のシンボルなどの「銅像」…時代変化の中で問われる「女性裸体像」のあり方(静岡)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年12月13日 16時59分

Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

街角や公園などでまちの歴史を物語るものや文化のシンボルとして飾られる銅像。この中で、意外と目立つのが「女性の裸体像」です。時代の変化に伴い、その設置のあり方が検討されて始めています。

(静岡市 難波市長)

「いまの時代にそぐわないということ。例えばヨーロッパですが」「美術館の中や庭園の中でその限られた空間、閉ざされた空間の中でほぼ置かれていると聞いている」

13日の会見で、公共の場に設置されている「女性の裸体像」について、「時代にそぐわない」との考えを述べた静岡市の難波市長。今、「女性の裸体像」の設置を巡る議論は、芸術なのか差別にあたるのかなど全国各地で熱を帯びていて、兵庫県神戸市では、「時代に合わない」として、撤去されたものもあるといいます。

これは、JR静岡駅南口広場に設置されているフランスの画家ルノワールが制作した彫刻像「勝利のヴィーナス」と「洗濯する女」。それぞれ世界に14体しかない貴重な美術作品で、1994年、静岡市が南口の駅前広場を整備する際に、広場のシンボルとして約1億4000万円の費用をかけて設置しました。静岡の玄関口である駅前に「女性の裸体像」を設置した理由について、市の担当者は、「文化のシンボルとして設置した」と説明します。

(静岡市 景観まちづくり課 吉川 晴英 担当課長)

「本物の芸術作品を置くことによって、文化が感じられる町になるのではないかということで、(当時の)市長の思いがかなりあったと考えている」「地域の魅力向上、にぎわい創出、文化が感じられるシンボルとして、親しみやすく、知名度のあるルノアールの彫刻像を設置した」

ただ、このルノアール像を巡っては、静岡市議会9月定例会でも議題になっていて、ある市議からは、再整備の計画が進められている静岡駅南口広場のシンボルとして、ルノアール像ではなく、等身大のガンダム像を設置してはどうかという案も示されました。これに対し静岡市は、周辺の渋滞などを理由に「現時点ではガンダム像の設置は考えていない」と回答。ルノワール像は再整備後も市民や観光客の目に触れる場所に置く方針を示しました。

一方、このほかにも、静岡市内では、市街地にある「常盤公園」や、「駿府城公園の内堀」などにも「女性の裸体像」が設置されています。街の人に聞いてみると…。

(街の人)

「たしかに多い印象はある」「子どもがまだ小さいので、これから子どもが成長するにつれて気になるところが出てくるのかなとは思う」

(街の人)

「自分は、個人的には特に違和感を感じない」「色々な文化があるので、これはこれでいいと思う」

(街の人)

「私は美術館とか好きなのでよく行くが、そういったところに行かない人達が触れる機会があるというのは良いことかもしれない。だから良いと思う」

(街の人)

「今、あちこちに外国人が来ているので、海外の人が好むものがあれば良いと思う」

この問題について、静岡市の難波市長は13日の会見で、「裸体像」を芸術作品と評価した上で、「鑑賞にふさわしい場所に移設した方がいい」と、今後、設置の見直しを検討する考えを示しました。

(静岡市 難波市長)

「南口にルノワール像があるが、私はそこに行って、じっと見ていると、どういう反応を皆さんがするのか」「これは芸術作品なので 否定するわけではないが、公共の開かれた目につきやすい空間、駿府城公園であるとか駅の南口であるとか、非常にその目につきやすい空間ですので、そういったところに置くのはなくて、作品の鑑賞関係にふさわしい場所に置くのがいいと思っている」

なぜ、公共の場に多くの裸体像が設置されているのか。公共空間の裸体像に詳しい亜細亜大学の高山陽子教授は、その背景には、裸体像が“平和や希望の象徴”として扱われていることを挙げ、さらに、街中や公園などに裸体像を設置するのは、「日本特有の文化」と説明します。

(亜細亜大学 高山 陽子 教授)

「戦後、1951年に東京の三宅坂に『平和の群像』が建てられた。3人の女性の裸体像で、これが『平和の象徴』として建てられて、同じようなものが日本各地に若い女性の体が平和や希望の象徴として建てられるようになった」

一方、時代の変化に伴い、「平和」や「希望」以外にも「違和感」や「不快感」など「裸体像」を見る人の捉え方も多様化してきているといいます。高山教授は、今後の設置の在り方について、「移設」や「撤去」など、時代に合わせた議論をしていくことが必要との見解を示しました。

(亜細亜大学 高山 陽子 教授)

「男性女性関わらず、裸の像が公共の場にあるのは、あまり(時代に)合っていないのではないか」「掃除する時も、裸体像だと掃除する行為そのものがセクハラみたいになってしまうので難しい」「早いうちに、時代に合わせて移設するのは良いことではないか」

様々な意見が上がる「裸体像」の設置。市の担当者は、今後、市民の意見などを聞いた上で、慎重に検討していきたいと話しています。

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