【新年の県政いかに】知事へ津川アンカー直撃取材!「財政」「公約」「リニア」…あのキャッチフレーズも(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2025年1月6日 17時26分
(2024年 県知事選)
「ばんざーいばんざーい」
2024年5月、鈴木康友知事が初当選し、15年ぶりに代わった県政の舵取り役。山積する県政課題にどう取り組んでいくのか。
(鈴木知事)
「あらゆる手段を尽くし、これまで以上に全庁一丸となって歳入歳出の見直しを徹底していく」
リニア問題の行方は―。
(鈴木知事)
「関係者全員の思いが完全には一致しない可能性もある。その際、状況を踏まえ、政治的な決断をすることもあると考えている」
注目が集まる2025年の鈴木県政。衆院議員時代の初当選同期、「every.しずおか」津川アンカーが切り込みます。
(津川 祥吾 アンカー)
「令和7年始まったが、まず昨年1年間振り返っていかがでしょうか?激動の1年だった?」
(鈴木知事)
「そうですね。4月に前川勝知事が退任をされたというところから大きくいろいろなことが起きて、私にとっても昨年の後半は激動の半年だった」
2025年は、2026年度からの4年間、どう県政を運営するかを示す「総合計画」の骨格となる「経営方針」を策定するほか、鈴木知事が就任後初めて、年度当初予算を編成する年となります。そこで、鈴木知事が指摘するのは県の財政の状況です。
(鈴木知事)
「知事になって財政状況を見て、『悪いな』と率直な感想なので、これは短期的にできるだけ無駄を省いて今後調整すると同時に中長期的に財政の健全化を図る。浜松市の時ににやったような財政計画をしっかりつくって健全財政を作っていく取り組みを合わせてやっていかないといけない」
浜松市長時代は「行革の康友」と呼ばれ、市職員の定数削減や公共施設の統廃合など組織の適正化を進めた結果。市の借金を、15年かけて約1300億円減らし、浜松市の財政を健全化しました。そして、県知事の就任式でも、この姿勢は崩しませんでした。
(鈴木知事)
「税金は1円たりとも無駄にしな い。この感覚を大事にしていき たい」
鈴木知事の浜松市長時代の取り組みから、これからの県政の姿が見えてきます。
(津川 祥吾 アンカー)
「浜松時代の経験を、今後、知事としても活かしていくことだと思うが、1つの実績として取り上げさせていただいた『財政の健全化』。非常に衝撃的なグラフだが、これができた理由とは?」
(鈴木知事)
「浜松市の時は10年間の中期財政計画をしっかり作って、その目標数値を定めて、それに合わせて浜松市全体で取り組んだことで、計画的に浜松市の借金の削減に努めてきたことによって、あれだけの実績が出た」
(津川 祥吾 アンカー)
「組織をあげてやってきた?」
(鈴木知事)
「しっかり借金を減らしながら、 かつ必要な投資はしていくこと。 メリハリをつけてやってきた」
また、浜松市長時代、職員定数の適正化を行った鈴木知事。15年間かけて、市職員の定数を全体の2割に当たる1319人削減しました。
(鈴木知事)
「何も首を切るとかではなくて、いわゆる毎年、退職をし、新規の採用もあるので、そういうものを調整することによって、少しずつ定員の削減をする。しっかり定員を削減することで、実は無駄な仕事も減っていく。そういう意味ではいろいろな効果がある」
(津川 祥吾 アンカー)
「現場に残る人達からしたら、仕事が増えて大変と、よくある話だが、そうはならない?」
(鈴木知事)
「結局、何人いなければできないという絶対的な数はない。つまり、その数のなりの仕事の仕方や、あるいは、今まで無駄な業務たくさんあったものがスリムになってくるとか、当然、仕事の仕方も変わってくる。いわゆる中間管理職の不必要なところはスリムにしていくとか、色々な取り組みの中で、定員も適正化を図ってきた」
(津川 祥吾 アンカー)
「サービスの質は落とさずにということ」
(鈴木知事)
「取り組んでいく」
(津川 祥吾 アンカー)
「これを県でもされると?」
(鈴木知事)
「そうですね。県でも、これをやっていかないとですね。県の場合、かなり今、財政的に厳しい状況。3年連続収支で500億円たりない」
次に、選挙での公約をどう実現していくのかです。選挙では、県東部の深刻な医療問題を解消するため、医学部新設の政策を訴え支持を求めました。
(鈴木知事・知事選当時)
「私が知事になれば先頭に立って、東部に医学部医大を誘致したい 思う」
実際に、医師の偏在化は顕著で、人口10万人当たりの医療施設に従事する医師の数で全国平均を下回る県内において、東部が212.2人と、西部や中部と比べてより深刻な状況となっています。しかし、知事就任後の会見では、医学部誘致を事実上撤廃。一方で、即効性のある別の施策を進めると発言しました。
(鈴木知事)
「今取り組んでいることは、浜松医大や順天堂大学とか大きな大学と組んで、指導医。ベテランのしっかり若手の医師の教育ができる指導医を東部の基幹病院にどんどん送ってもらう。そうすると、そこに若手の医師が集まる。そこで経験を積んだ人たちが、その地域の医療機関に出ていく。こういう循環を作っていかないと、いつまで経っても増えていかない。これは即効性もあるし、確実に医者が増える方法なので、そういうことに注力をしていかないといけない。これはまさに現実的な政策」
さらに、鈴木知事が公約で掲げていたのは、スタートアップ施策です。県は、支援の充実化を図るため、「スタートアップ支援戦略」を策定していて、4年後の2028年度までに県内に本社を置くスタートアップ企業を100社以上増やすことを目標に掲げています。そして、鈴木知事は県政運営の基本方針となる新たな総合計画にも、重点項目の一つとして組み込む考えです。
(津川 祥吾 アンカー)
「スタートアップは浜松でたくさんやってきて、これを全県下で展開をする話だったが、例えば中部とか東部、伊豆。こういったとこでのスタートアップはどんな形か?」
(鈴木知事)
「もう今、コミュニティ作りもうスタートしている。キーマンがいろいろなところにいる。西部だけではなく、中部にも東部にも素晴らしいキーマンがたくさんいる。そういう人たちと一緒に、もう、すでにコミュニティ作りスタートさせているので、実はここが1番重要。スタートアップの場合は」
(津川 祥吾 アンカー)
「コミュニティ作りというのは具 体的に?」
(鈴木知事)
「スタートアップの人たちのグループを作るということ。1つの塊ができていかないと、そこから新たなものが生まれてこない。不思議といろいろなものが集まってくる。企業が集まってきたり、新たなスタートアップを目指す人たちがそこに参加したいと。これはもう浜松で実証済み」
また、浜松市で行っていた「ファンドサポート事業」の県内展開も検討しています。これは、スタートアップ企業を支援する取り組みで、市からの交付金のほか、市が認定した投資会社や金融機関から投資を受けることが出来るものです。浜松市では、2019年からの6年で、延べ40社に交付金を採択しています。
(鈴木知事)
「『ファンドサポート事業』、これはかなり成功して全国的にも注目をされた。今度は、県として展開していきたいと思うし、実証実験サポート事業とか、これまで手がけてきたそうした経験、実績を基に、全県に広げていく取り組みもスタートしている。ことしからも本格的にやっていきたい」
続いては、注目の県政課題「リニア問題」。2024年、鈴木知事は、就任してすぐにJR東海の社長と面会したほか、工事区間の地質や地下水の状態を調べる県内でのボーリング調査の容認などを矢継ぎ早に進めました。2025年は、静岡工区の着工に向けて、さらにスピード感が強まりそうです。
(鈴木知事)
「今までの方針を大きく変えて、高速長尺先進ボーリングも着手をしたし、かなり、今、んできている」「JR東海との対話を進めて課題をクリアしていく。それによって本格的な工事着手の準備ができる」
最後に、2025年の抱負を書いてもらうことに。
(津川 祥吾 アンカー)
「鈴木知事、ことしの抱負を」
(鈴木知事)
「やっぱりこれですかね。『やります』。鈴木と言えば『やります』。ことしも『やります』。しっかり、ことしはね、本当に総合計画も作らなければならないし、本格的に県政を推進する1年目となりますので、まさに『やります』の意気込みで頑張りたい」
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