【解説】感染拡大止まらないインフルエンザ…県内医療機関の現状は?小児科・加藤寛幸医師に聞く(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2025年1月14日 18時42分
(スタジオ解説)
(徳増 ないる キャスター)
「every.しずおか」コメンテーターで榛原総合病院の小児科医加藤寛幸さんです。加藤さんは、実際に病院でインフルエンザ患者を診察されていますが医療現場の現状について聞いていきたいと思います。
まず、
Q.今シーズン、やはりインフルエンザの患者数は多いですか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
特に年末年始、医療機関が休みだったということで、空いている利用期間に(患者が)集中して大変な状況でしたけど、それが、休みが終わって、少し落ち着いているとはいっても、(榛原総合病院外来では)何十人もの患者さんが来ている状況ですね。20年、30年ぶりの大流行といってよいと思います。
(津川 祥吾 アンカー)
Q.ことし(2025年)の特徴みたいなものはありますか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
ことしは『数が多いから』というのもあるかもせれませんが、ここ数年、私自身、診療の中で、あまり経験していなかったような重症の患者さん…脳炎、脳症といったような患者さんを思わせるような、かなり近い、そういった症状のある人もいらっしゃっていますので、重症の患者さんの数も(実際)多いのだろうと思います。
(津川 祥吾 アンカー)
Q.「脳症」というのはどういった症状なのですか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
神経症状ということで、やはり、「意識障害」「けいれん」長い時間「けいれん」が止まらないとか…もしくは「異常な言動」、いろいろな変なことを言ったり、変なことをしたりしてしまうようなことが長く続く場合ですね。短時間であれば、熱に伴う「せんもう」というようなことで、あまり心配はいらないとは思うのですが、長く続くときは(脳症の)恐れがあるということです。
(津川 祥吾 アンカー)
Q.なぜ、ことしはこのように多いのでしょうか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
ひとつは、「新型コロナ」で、長い間インフルエンザにかからなかった。結果として、世の中の免疫が下がっていると。もう一つは、私が勤めている病院でも、ことしインフルエンザの予防接種を受ける人が、すごく減っていました。「(接種を)打ってもどうせかかるだろう」というような感じで、最近は予防接種を受けない人も多い印象ですね。実際、診療していると、私のところに来て、検査して、「インフルエンザ陽性」という人にほとんどは、予防接種を打っていません。
(津川 祥吾 アンカー)
Q.今からでも、予防接種というのは打てるのですか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
医療機関によっては、まだ、ワクチンが在庫しているところはあると思います。榛原総合病院にきていただいてもいいのですが…打てるワクチンがあれば、ぜひ、今からでも打っていただく方がよいと思います。
(津川 祥吾 アンカー)
Q.先ほど、ちょっと心配な…薬が少ないという話がありましたが、これはいかがですか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
いろいろな種類の薬がある中で、なかなか症状によっては使いにくい…使える薬というのも限られますが、現状、私自身が診療しているなかで、薬が無くて出せなかったというケースはありませんので、過度な心配は必要ないと思います。
(津川 祥吾 アンカー)
Q.病院にはそういったもの(治療薬)が全部あるという感じですか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
はい。
(津川 祥吾 アンカー)
医療機関に行かないという人もいると思いますが、そういった人が、市販の薬を飲む…というのはいかがですか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
インフルエンザにかかった場合には、一部の解熱剤、熱を下げる薬があまりよくない…使わない方がよいとされているものがありますので、『薬局で何でも買って、何でも飲んじゃえばいいんだ』というのは、ちょっとリスクがありますね。
(徳増 ないる キャスター)
となると、やはり受診したいなと思うのですが…受診をするべき目安というのはどういう状況の時になりますか?
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
インフルエンザの場合には、基本的には検査をして、診断をして(薬を)お出しするということになるのですけれど、検査をする上で、やはり熱が出てから1時間、2時間で検査をしても、なかなか検査は反応しません。ひとつ目安として「12時間」といわれていますので、水分が取れて、落ち着いて過ごせる状況であれば、熱が出て12時間ほど様子をみた上で、受診をしていただくと、一回で検査も済みますし、1時間、2時間で行って…本当はインフルエンザではないのにインフルエンザをもらって帰ってくるようなことにもなりかねないので、そういう意味では、落ち着いて、しばらく様子をみた上で、受診をなさるのがよろしいと思います。
(徳増 ないる キャスター)
あわてずに…ということですね。
(榛原総合病院 小児科 加藤 寛幸 医師)
そうです。
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