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【富士山】“登山規制”強化へ県は県議会2月定例会に新条例案提出の方針…その効果やいかに(静岡)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2025年1月21日 17時14分

Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

富士山の登山規制を巡り、静岡県は2月に開会される県議会2月定例会に、新たな条例案を提出する方針です。

2024年から始まった登山規制。さらに規制を強めることでどのような効果が期待できるのでしょうか。

(静岡県の職員)

「ただいまより、富士山富士宮口登山道の冬季閉鎖を解除します」

2024年の夏山シーズン、富士山には世界各国から20万人以上が訪れました。

(ベトナムから)

「山頂から雪が見たい」

(カナダから)

「やっと富士山に登れるよ」

富士山は、2024年大きな転換期を迎えました。

(山梨県の職員)

「3時になりましたので、開門いたします」

山梨・静岡両県は、新たに登山規制を導入。

山梨県は、条例で「入山料」2000円を義務化したほか、午後4時以降の入山を原則禁止に(山小屋宿泊予約者除く)。

一方、静岡県は、入山日や宿泊予約の有無をオンライン上に任意で登録する「事前登録システム」を導入しましたが、山梨のような人数制限や、入山料の義務化はしませんでした。

富士山の登山道は、山梨県側が「県有地」であるのに対し、静岡県側の多くは「国有地」であることなどから、県は登山規制について慎重な姿勢をみせていました。

(鈴木知事)

「これは国の方としっかり協議を していく必要もございますし、 まずは、ことしの状況をよく見て、 来年に向けて検討していく必要がある」

しかし…。

(小澤 誠一 カメラマン)

「静岡県警とみられる隊員が担架 で救助した登山者を搬送してい ます」

開山直前、富士山の火口付近で3人の遺体が発見され、開山からわずか1日で3人の死者が出る異常事態に。県警によりますとシーズン中、静岡県側で46件の遭難が発生。5人が死亡し、(昨年比+4人)23人がけがをしました。

(県警山岳遭難救助隊員)

「進まない、みんなで固まって行こう」

県警の山岳遭難救助隊も命がけの活動に。

危険な登山やマナー違反も相次ぎました。厳しい寒さが待ち受ける中軽装で登山する人や、無許可でドローンを飛ばす外国人登山客。さらに、登山道を外れた岩場で御来光の写真に夢中な登山客まで…。一方、山梨県側では、さっそく登山規制の効果が…。県によりますと、山梨県側の登山者は前年比で2割減少し約11万5000人。夜間の通行規制によって弾丸登山者も9割以上減少しました。一方、静岡県側は前年より1割ほど増え約9万人に。

(鈴木知事)

「山梨県と足並みをそろえた条例による登山規制および通行料の徴収を検討することといたしました」

閉山後、県は次のシーズンに向けより強い登山規制に乗り出したのです。11月には、地元関係者への説明会を開いたほか、県議会では…。

(県スポーツ・文化観光部 都築 直哉 部長)

「富士山のオーバーツーリズムなどが課題となるなか」「新たな条例の制定が必要となります」

2月定例会への条例案提出に向け議論が進んでいます。県が示した条例の骨子案によると、静岡県側の3つのルートで1人あたり4000円の「入山料」を義務化するほか(保全協力金1000円は廃止)、午後2時から翌日午前3時まで通行を規制する方針です。

登山規制は、海外ではすでに取り入れられていて、決して珍しくはありません。そのひとつ標高3952m、台湾最高峰の玉山。富士山とは2012年に「友好山提携」が結ばれ、関係者がそれぞれの山を訪れて情報交換するなど、深い交流があります。玉山は、法律に基づいて国が管理。登山には生態保護区に入るための「入園申請書」を管理事務所に提出するほか、警察署への「入山許可証」の提出が義務付けられています。申請の際、1か月前までに山小屋を予約していることが条件となっていて、山小屋の定員(116人)より多い申し込みがあった場合は、抽選となります(※例外有・一般登山者の場合)。また、登山のマナーなどを学ぶ動画の事前学習も求めています。さらに、入山料として日本円にして2300円ほど(480台湾ドル/1泊1人)を支払う必要があります。玉山へ訪れた経験がある日本富士山協会の犬飼充事務局長は…。

(日本富士山協会 犬飼 充 事務局長)

「国の施策としてやっている日本でいう国立公園にあたるが、積極的に国が保護していると非常に感じた」「予約していても身分証明書がなければ入山が許可されない二重の厳しいチェックをしている。非常に良い見本だと思った」

雑誌「山と渓谷」の編集長で、内外の登山事情に詳しい五十嵐さんは、厳しい登山規制は登山者にもメリットが大きいといいます。

(「山と渓谷」 五十嵐 雅人 編集長)

「富士山と同じように、ご来光を見るために早朝出発するが、それでも渋滞することはないし」「快適に単純に登山を楽しむことができる」「入山の申請をするというハードルは高い。面倒だが、それをクリアすることで快適さが手に入るし」「山からしても自然からしても荒廃を招かない」

こうした中、夏山シーズンに向け議論は大詰めを迎えています。県の担当者は…。

(富士山世界遺産課 大石 正幸 課長)

「総額で約4億円程度経費がかかるのではないかと考えていて、ことしの状況など考えると、登山者が10万人は来ると試算していて、1人4000円で検討を進めている」「富士山全体でいい方向に進んでいきたいと考えたときに、山梨県と一体となってやっていきたい」

入山料の徴収は、オンラインの登録システム上でキャッシュレス決済ができるよう調整するということです。また、山梨県は条例を改正し、2024年「2000円」だった「入山料」を、静岡県と同じ「4000円」に、入山の規制時間も前倒して午後2時に揃える方針です。

両県の足並みがそろう形になった富士山の「登山規制」。導入後、どのような効果が生まれるのか?注目です。

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