65%が『地方議員は何をしているかわからない』と回答――それでも選挙に行く理由
政治山 / 2015年5月7日 11時14分
2015年4月12日と26日に行われた統一地方選挙。わずかひと月の間に全国で1千弱の選挙が行われ、およそ2万人が立候補したわけですが、そこでは何が問われ、有権者はどのような意思を表明したのでしょうか。政治山では、投票を締め切った26日20時から28日まで、全国の有権者1万人を対象に、インターネット意識調査「政治山リサーチ」を用いた調査を実施しました(回答数10,932)。今回はその概要をお届けします。
堅調な与党、際立った「今回は共産党の候補者に」という選択まずはじめに、「ふだんの支持政党」と「今回投票した候補者の所属政党」をたずねた(グラフ1)。普段の支持政党では、自民が19.0%ともっとも多く、大きく離れて民主と維新が4.7%、共産が4.0%と続いた。
今回の投票先についても自民が17.7%と突出したが、次いで多かったのは共産の5.9%だった。普段と今回の投票先とを比較すると、自民-1.3ポイント、公明+0.7ポイント、民主+0.5ポイント、維新+0.2ポイント、共産+1.9ポイントで、安定的な与党に対して、共産以外の野党が明確な対立軸を示せていない国政の状況を反映していることがうかがえる。
地方議員、選挙中でも65%が「何をしているかわからない」
次にたずねたのが、地方議員に対する印象について(グラフ2)。昨年来続く議員の不祥事もあってか、65.5%が「何をしているかわからない」との印象を抱いており、「いてもいなくても同じ」は53.2%とこちらも高い割合を示した。
全体的には、地方議員が果たしている、または果たすべき役割について、有権者は明確な期待を持てていない現状がうかがえ、新しく任期を迎える多くの地方議員にとっては厳しい結果となった。
もっとも重視するのは「選挙公報」、インターネットの情報も
続いて紹介するのは「あなたは投票先を選ぶ際、何から得た情報を重視しますか?」への回答(グラフ3)。最も多かったのは「選挙公報」28.1%で、「政策チラシやパンフレット」21.8%、「新聞報道」16.5%が続き、地方選挙らしく「街頭演説」14.9%が4番目、「知人・友人の紹介」10.2%も上位となった。
いわゆる「ネット選挙」解禁後初の統一地方選となった今回、インターネットから得た情報を重視したのはニュースサイト(8.8%)、選挙情報サイト(8.6%)、ホームページやブログ(8.5%)、SNS(2.7%)、動画サイト(2.3%)を合算すると、30.9%にのぼった。
SNSと動画の利活用についてはまだ手探り状態と言えるが、テレビ・新聞とならぶメディアとして重要な情報源となっていることは確かと言える。
不足していた候補者情報、どのように補うべきか
本調査では、有権者がどのような情報を参考に、何を基準にして候補者を選んだのかをたずねることで、有権者が地方議員に何を期待しているのかを探った。情報は、ただ「公開」すれば良いものではなく、届けるべき相手に伝わる表現で示さなければ意味がない。
もっともよく見られている「選挙公報」は41の道府県議選でも8つの県で発行されておらず、発行しても遅配が目立つなどのクレームも散見された。選挙期間中に候補者情報をWebサイトで公開している地域は限定されており、ポスター1枚で選ぶしかないという人も少なくない。
有権者の側も、選んだ人が4年間「何をしているかわからない」といったことがないように、主体的に政治にかかわり、積極的に情報を取得すべきではないだろうか。
<調査概要>【調査対象者】全国の有権者
【回答者数】10,932人
【調査期間】2015年4月26日(日)~28日(火)
【主な質問】
◆全体集計結果
・属性(性別・年代・地域・職業・未既婚・子供の有無)
・あなたが「ふだん支持している政党」と「統一地方選挙で投票した候補者の所属政党」をそれぞれ下記の中からお選びください。
・あなたが住んでいる地域の議員(都道府県議会、市区町村議会)について、あなたが持つ印象を教えてください。
・あなたが候補者を選ぶ際の基準は何ですか。重視する順に3つまでお聞かせください。
・あなたは投票先を選ぶ際、何から得た情報を重視しますか。重視する順に3つまでお聞かせください。
◆クロス分析結果
・「性別/年代」と各設問への回答との関連性
・「地域」と各設問への回答との関連性
・「職業」と各設問への回答との関連性
・「未既婚/子供」と各設問への回答
・「支持政党」と各設問への回答との関連性
【調査手法】インターネット調査(政治山リサーチ)
【調査実施機関】株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー
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