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統一地方選挙!良い候補者選び10の基準(前編)

政治山 / 2015年3月4日 19時42分

 今年の4月に第18回統一地方選挙が執行されます。
「あなたは、選挙に行きますか?」
「誰に投票しますか?」
「あなたはどんな候補者になりたいですか?」

 選挙のたびに投票率が下がる昨今、また、人口減少や高齢化などの影響で全国的に立候補者が減り、無投票の割合が高くなり、地方議会の担い手が減っているという状況下で、投票率を上げることを目的として、前後編の2回に分けて書きます。このコラムを読んでくださった方々が「選挙に行ってみようかな?」「自分が立候補してみようかな?」と思っていただけるキッカケになれば幸いです。

投票率は、年々低下している!

 総務省の発表によれば、知事および都道府県議会議員選挙の投票日は4月12日(日)、市長および市議会議員選挙の投票日は4月26日(日)で、全国1788自治体中、現時点で981自治体が選挙となり、統一率は27.40%となっている。

 昨夏の兵庫県議による号泣会見や都議会のセクハラ野次問題をはじめ、全国各地で地方議員の不祥事が勃発したことが影響をしているせいか、ここ最近の投票率は著しく低下している。

 例えば、2014年の11月9日(日)に投開票が行われた千葉県松戸市議会議員選挙では、44議席に対して60人が立候補者したにもかかわらず、投票率は37.74%(有権者数39万229人)であった。同年12月14日(日)に投開票された第47回衆議院総選挙における小選挙区の投票率も過去最低の52.66%となっている。

 なお、1947年以降2011年までの統一地方選挙の投票率の推移は、下図のとおり。

(グラフ)統一地方選挙の投票率推移

 さらに、衆議院議員選挙の年代別投票率を見ると、直近の選挙で20代の投票率は37.89%となっている。

(グラフ)衆議院議員総選挙年代別投票率の推移

(投票率データは、いずれも公益財団法人明るい選挙推進協会より)

投票は、義務ではなく権利である!

 ところで、皆さんは選挙で投票することは義務であると誤解をされていないだろうか?

 国民の三大義務は、(1)保護する子女に普通教育を受けさせる義務(26条2項)(2)勤労の義務(27条1項)(3)納税の義務(30条)であり、三大権利は、(1)生存権(25条1項)(2)教育を受ける権利(26条1項)(3)参政権(15条)である。つまり、選挙で投票することは主権者として代表者に権利を信託する行為なのである。

 投票率が50%にも満たない選挙で当選した政治家が主権者の代表として、本当に民意を反映することができるのか?権利の行使の範疇(はんちゅう)とはいえ、選挙に投票(白票も含む)もせずに白紙委任をしておいて、後から文句を言う有権者は公共を担う市民の一員として、はたして健全と言えるのだろうか?

「良い候補者選び10の基準」

 とはいえ、投票をする側に寄り添って考えると、候補者たちの情報も少なく、候補者を見極める基準が不明確だと「誰に投票したら良いのかワカラナイ…」ということになる。

 逆説的に投票の基準が明確になれば、投票率が向上するかもしれないという仮説に立って、市議会議員を16年間務めた者の視点から「候補者を見極める基準」や「候補者に求められる資質」について、以下にまとめてみることにする。

 「これが絶対に正しい!」ということでもないし、このほかにも基準はあるはずだ。この基準を示すことで、皆さんが周囲の人と自分の街の将来や選挙について話し合うきっかけとなれば幸いです。

01.その候補者は何故、立候補したのか?
 「理念なき行動は暴挙であり、行動なき理論は空虚である」上杉謙信
 議員に当選することは、目的ではなく手段である。
 「何のために立候補したのか?」政治理念やビジョンは明確であるか。
 候補者のマニフェスト・政策ビラ・ホームページ等でチェックしよう。

02.情報収集力はあるか?
 行政や議会の使命は「いかに民意を反映するか」である。
 「有権者の声を市政に反映するのだ!」という姿勢を持っているか。
 常にアンテナを伸ばし、世の中の情勢や先進自治体の政策事例をつかんでいるか。

03.情報発信力&編集力はあるか?
 事実に基づいて収集した情報の中から有意義な情報を分かりやすく精査し、SNSやブログ、ホームページ、会報誌、駅立ち等々で日ごろから定期的に情報発信をしているか。

04.自分のスタイルを確立しているか?
 「私は、みんなの味方です!」とか「市民の皆さんの要望を実現します!」という候補者は疑ってみたほうがよい。税の配当の時代からマイナスの負担を強いられることになった時代にあっては、限られた予算を、どこに割り当てていくのかが問われる。

 その候補者は「高齢者政策の充実をとるのか?子育て政策の充実をとるのか?」究極の選択を迫られた時に、どちらを選ぶ人なのか?「信念を貫くのが先か?当選するのが先か?」「政党に所属しているのか?無所属なのか?」「選挙カーを出すのか?出さないのか?」というのも、ひとつのスタイル。

05.政策型か?情実型か?
 「政策に強い候補者か?人情に厚い候補者か?」政策に強いかどうか判断するには、現職の場合は議会のホームページや図書館や公民館に常設されている議会の議事録を閲覧してみるとよくわかる。

 「人柄や人望があるかないか」を基準に選ぶこともできる。しかし、人柄は候補者本人と個人的なつながりがない限り、なかなか見極めることが難しいが人柄というのは、顔相に出るもの。選挙ポスターの表情を見てインスピレーションで選ぶというのもありかもしれない。

06.自分と近い候補者か?
 政治とは「限られた予算を、どの政策分野に、どれだけ分配するのか?」を決めることなので、有権者起点で考えると、自分が置かれている立場に近い候補者を選ぶのがよい。

 同世代、性別、経歴など。例えば、自分が子育て中なら、子育て中の候補者とか。自分がTwitterをよく使うのなら、Twitterを活用している候補者とか。自分が住んでいる場所に最も近くに住んでいる候補者とか。自分が疑問や課題と感じている政策に熱心に取り組んでいる候補者とか。

07.新人なのか現職なのか?
 新人候補者のメリットは、新入社員と同じで染まっていないこと。経験や実績はないが市民に、より近い感覚を持っている。現職候補のメリットは、これまでの経験や実績と、議会内や役所内に顔が利く。

08.無所属か政党に属しているか否か?
 無所属の場合は、党派や会派のイデオロギーや政策拘束に縛られることがなく、市民起点で自由に発想できる。政党所属の場合は、政策拘束はあるが、組織力を発揮できる。

09.スピード感と行動力があるか?
 これもなかなか見極めるのは困難だが、ホームページ等で連絡先が公表されている場合は、どんな簡単なことでもよいので、候補者にコンタクトしてみるとよいかもしれない。例えば「なぜ立候補を決めたのですか?」とメールやFAX、電話で問い合わせてみる。その時のレスポンスの速さいかんで、その候補者の行動力を見極めることができる。

10.時間に正確か?
 時間を守る人かどうか?は、約束を守る人かどうか?につながる。  これも候補者と個人的つながりがないと、なかなか見極めるのは難しいかもしれない。

 以上、昨今の投票率の状況や「投票は、義務ではなく権利であること」と「良い候補者選び10の基準」について、まとめてみたが、次回、後編では「こういう候補者は駄目だ!」という逆からの視点と「あなたにとって良い候補者とは?」という視点から考察を深めてみたい。
(次週へ続く)

        ◇        ◇

政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。

<千葉県流山市議会議員 松野豊>

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