「えびの市を子育てしやすいまちに!」地元で生まれ育ったからこそできること
政治山 / 2021年8月27日 10時0分
地方自治体の議会・首長等や地域主権を支える市民等の優れた活動を募集し、表彰する「マニフェスト大賞」。今年で第16回を数える同大賞の募集を8月31日まで受け付けています。過去の受賞者に、応募した取り組みの紹介や、受賞して感じたことなどを綴っていただきました。今回は、2020年(第15回)に優秀政策提言賞を受賞した「子育て支援サークルNogiku」です。
マニフェスト大賞受賞の取り組みの紹介高校2年生の時、テレビで観た虐待のニュースをきっかけに、高校での地域探求活動を通して“子育て”について調べました。ほぼ毎日のように虐待のニュースを耳にするたびに、子育て中のお母さんが抱えているストレスは大きいのではないかと考えました。そこで「じゃあ、地元はどうなのか」と思い、まずは子育て環境の調査や子育て世帯の声を聞くことを行いました。
その結果、地元えびの市に住む子育て世帯が抱えている問題が明らかとなり学生だからこそできる取り組みを考え、実施しました。主に、子育て中のお母さん応援イベントを実施し、そのイベントではお母さんが無料でアロママッサージを受けている間、お子さんはボランティアの高校生やスタッフが見守るといった形にしました。子育て中のお母さんに目を向けて、少しだけでも自分の時間を楽しんでもらいたいという思いを込めたかったからです。
また、高校生がボランティアとしてイベントに参加し子どもと触れ合い、子育て中の方と関わることでまだ子育てを経験していない高校生が子育てを知る場、子育てに対する意識を高める場にもなればと考えました。他にも、お昼寝・おすわりアートなどを準備して我が子の可愛さを改めて感じてもらえるように取り入れたり、飯野高校生活文化科にも参加してもらいハンドメイドの子育てグッズの販売を行うなど、学科や学年、性別に関わらず生徒が参加し、地域の方々のサポートもいただき、現在もイベントを実施しています。
さらにイベント実施のみならず、隣街の熊本県人吉市の豪雨災害支援としてランドセルを贈るプロジェクトや、これまでの活動で見えてきた地元えびの市に必要なことを、アンケートで聞かせていただいた子育て中の皆さんの意見とともに、村岡隆明えびの市長へ要望書の提出も行いました。
私たちのこのプロジェクトはSDGs「3.すべての人に健康と福祉を」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「11.住み続けられるまちづくりを」に関連しています。
私たちは、今後もこの活動を続けていき、いつかえびの市を子育てしやすい街にし、「地元で子育てをしたい!」と地元に帰ってくる若者を増やしたいと思っています。
マニフェスト大賞受賞の感想「応募するだけしてみよう」と勢いだけで応募したにも関わらず、優秀政策提言賞とプレゼンテーション賞と予想もしていなかった大きな賞を受賞することができ、驚きと同時に嬉しさでいっぱいになりました。今回の受賞により、自分たちの思いを形にし続けているこの活動に自信が持てました。さらに、授賞式に参加させていただいたことで、他の地でどのような取り組みが行われているのか知ることができ、良い社会勉強にもなり貴重な経験となりました。
これからも活動を積み重ねていくことで何らかの成果を出して、またマニフェスト大賞にエントリーしたいと思っています。
受賞後の展開や今後受賞したことにより、えびの市の子ども課、子育て支援施設の方からコラボでイベントを開催しないかとの声がかかりました。しかし残念ながら新型コロナウイルス感染症の拡大により、延期せざるを得ない状況になってしまい、実施することはできていません。
企画をしていても、なかなか思うように実施できなく動けないのが現状です。しかし、受賞後に一度、感染が落ち着いている時期に、時間を区切り一組ずつとしたミニイベントを行いました。イベントの内容としては、アロマの癒しコーナーやおすわりアートを取り入れ、お母さんとの会話も大切にしました。限られた時間の中で限られたことでしかできませんでしたが、参加してくださった方からはとても好評でした。
その参加者の中にコロナ禍の中で出産をし、2人の子どもを子育て中の方がいらっしゃり、「生まれた子どもと初めてこういった人と関わる場に参加しました。ありがとうございました。また来てもいいですか?」と言っていました。その言葉を聞いて、できることは限られているけれど小さなイベントでもやることの必要性、今だからこそやるべきなんだということを強く感じました。
今後の活動としては、コロナ下では感染状況を考慮して、やれることを考えアクションを起こしていきたいと思っています。そして感染拡大が収まってきたら、子育て中のお母さんにとって一番の支えとなるのはパートナーの存在だと思うので、父親も参加できるイベントの開催や、将来もしかしたら父親となるかもしれない男子高校生にも、より多く参加してもらえるよう計画し取り組んでいきたいと考えています。
マニフェスト大賞の醍醐味自分たちの取り組みを知っていただくだけでなく、日本各地の様々な取り組みについても知ることで、地域ごとの優れた点や課題が明確となり、自分たちの取り組みを見つめ直し新たな視点を取り入れる機会にもなりました。これまで取り組んできたことへの自信と今後の活力を得られたように思います。
場所は違えど参加者の目的は一緒で、皆で地域から盛り上げていく一体感が味わえます。また最初は「マニフェスト大賞」と聞いて、私たち看護学生とはとてもかけ離れたもののように感じていましたが、子育て支援サークルNOGIKUが受賞したことをきっかけにマニフェスト大賞にエントリーする高校生が出てくると嬉しいです。
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