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高校生が企画・運営に参加、中高生のうちから地域課題を自分事に

政治山 / 2022年8月19日 12時44分

 私たち「ドリーム・シード・プロジェクト」は、岩手県盛岡市を拠点に、社会との関わりを通じた中高生の学びと成長の機会の創出をミッションに掲げ、様々な活動を展開している任意団体です。

 若者の大都市圏への流出と、政治や地域課題への関心の低下が進んでいると言われていますが、これらは相互に影響し合っている事象であると私たちは考えています。大都市圏へ転出後も「関係人口」として地域との接点を持ち続けていくためには、中高生のうちから地域課題を自分事として捉える機会や、大人・社会との関わりを持つ場が重要であると考え、全国で様々なご当地版が普及している対話型自治体経営シミュレーションゲームの盛岡版「SIMulation Morioka 2040」の開発・普及に取り組んでいます。

ドリーム・シード・プロジェクト

 私たちのプロジェクトには、以下の3つの特徴があります。

1 高校生と大人の共同プロジェクト
 このプロジェクトには、高校生が運営メンバーの中心として参画しています。彼らは当初、このゲームの一参加者だったのですが、「自分たちで企画に携わりたい!」との思いを高め、運営側として参画するに至りました。高校生と大人の共同プロジェクトとして、共にアイディアを出し合いながら次のような工夫を施し活動を展開しています。

  • 高校生の身近な問題関心を反映させるべく、高校生約400名を対象にアンケート調査を実施し、高校生目線の事業提案をゲームシナリオに盛り込んでいます。
  • 参加者の、ゲームへの没入感を高めるためにオープニング動画を制作したり、政策選択による町の変化を得点化したりするなど、エンタメ性や遊戯性を高め、楽しみながら取り組み、社会を変えられる実感が得られる内容としています。
  • 高校生が、活動内容を紹介する情報紙「SIMULATION TIMES」を発刊しています。

2 模擬選挙の導入
 ゲーム中には模擬選挙が盛り込まれ、その結果によってゲームシナリオ(社会)が変わる設計となっており、ゲームを通じてシティズンシップを養う、主権者教育の効果も得られる内容となっています。

3 「探究フォーラム」の開催
 ゲーム体験をリアル社会の主体的活動へ導く仕掛けとして、高校教員をはじめとした大人や高校生などが集い、探究型学習と地域課題解決のあり方を語り合う「探究フォーラム」を開催しています。

マニフェスト大賞受賞で、高校生メンバーにも大きな自信

 プロジェクト立ち上げ当初からマニフェスト大賞を一つの目標として掲げていましたので、優秀マニフェスト推進賞(市民・団体部門)およびプレゼンに対するメディア・ドゥ賞を受賞することができ、本当に嬉しかったです。高校生メンバーにとっても大きな自信となり、更に積極的に活動に参画しようとする意識が高まりました。

 また、授賞式に参加して、全国の様々なプロジェクトの秀逸さや周囲への影響力の大きさを感じ、自分たちの活動も成長・発展させていかなければならないと強く思うきっかけとなりました。

地域を越えたコラボに発展

 受賞後、より多くの人にこのゲームを体験してほしいとの思いから早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会と連携を図り、人マネ実践スキルアップ講座での開催を実現することができました。オンラインでの開催となったのですが、全国の自治体職員の方々に参加いただき、プログラムの面白さを感じてもらうとともに、高校生メンバーがこの活動に込めた想いや彼らの無限の可能性を知っていただくことができたと思っています。

 また、私たちの活動を知った地元企業から依頼を受け、社員総参加の企業研修において、ゲームを体験し、社員と高校生がまちづくりについて語り合うプログラムを実施する機会も得ることができました。

企業研修で実施している「SIMulation Morioka 2040」の様子

企業研修で実施している「SIMulation Morioka 2040」の様子

 現在は、地域を越えた高校生同士の交流プログラムの実施や、若者の投票率向上を目指す選挙啓発活動を展開する大学生グループとのコラボレーションなど、当初には私たち自身が想像し得なかった形へ活動が展開しています。

 私達は、このプログラムを通じて、地域課題の解決に向けアクションを自ら起こす高校生を増やしていくことを目標に掲げています。今後も活動を成長・発展させてゆき、将来的には、高校生が政策アイデアを競い、お互いを高め合うコンペの開催を実現したいと考えています。

 そのためにも、本プログラムの、高校の探究型学習への導入を目指し、引き続き活動を展開していきます。

私たちの取り組みから生まれたプロジェクトが、未来のマニフェスト大賞に

 マニフェスト大賞への応募は、私たちが「これまでどんな活動をしてきて、何を目指していくのか」といったことをメンバーみんなで改めて見つめ直す良い機会となりました。さらに、活動を広く知ってもらうきっかけとなったことはもちろん、全国で行われている様々なプロジェクトについても知ることができ、大きな刺激を受けました。

 日本最大の政策コンテストの名にふさわしく、地域から未来を創り、日本をより良い方向に変えていこうという気運を感じることができるアワードですので、もっとたくさんの方に知ってもらい、一歩を踏み出し、この善政競争に参加してもらいたいです。

 将来的には、SIMulation Morioka 2040がきっかけとなって生まれた高校生のプロジェクトがマニフェスト大賞へ多数エントリーするようになることを目指していきます。

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