参院選、合区導入で一票の格差是正へ

政治山 / 2015年7月14日 11時40分

 前回2013年の参院選では一票の格差が最大4.77倍に達しており、2014年11月の最高裁「違憲状態」判決を受けて選挙区制度の改革は待ったなしとなっています。来年の参院選に向けた格差是正案として検討が進んでいる「合区」とはどのような制度なのでしょうか。

各県を代表する参議院議員がいなくなる?

 「合区」は、有権者の少ない隣接する県を統合して新たな選挙区をつくる制度で、これまでに自民党と野党4党は鳥取と島根、徳島と高知をそれぞれ1つの選挙区とする案で合意しています(民主党と公明党はさらに格差を縮小する10合区案で合意)。

 参議院議員の任期は6年で半数が3年で入れ替わるため、来年の参院選から導入されれば、早くて2019年にはいわゆる「地元選出の参議院議員」がいなくなる県が生じる可能性があります。

4.77倍が2.97倍へ、格差是正と新たな格差

 実際に合区対象となっている県の前回参院選の有権者数を見てみると、鳥取が48万人で島根が58万人、徳島が65万人で高知が62万人となっています。これだけ見ても鳥取の有権者の批判は避けられなさそうですが、有権者数が70万人を割っている福井(64万)、佐賀(68万)、山梨(69万)と比較すれば、4県すべてが反発しても不思議ではありません。

 今回の「合区」を含めた定数「10増10減」案により、一票の格差は4.77倍から2.97倍へと改善される見込みです。しかし、人口減少とともに定数削減と合区を繰り返していくことで、参議院はその役割を果たしていくことができるのかといった議論は十分になされていません。

 場当たり的ともいえる表面上の格差是正が、地域間に新たな格差と確執を生じさせるのを防ぐためにも、参議院の役割や議員の選出方法、そもそもの存在意義について本質的な議論を深めるべきではないでしょうか。

「10増10減」案の概要

<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー 市ノ澤充>

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