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安保法制、重要影響事態安全確保法のポイント

政治山 / 2015年9月18日 18時30分

 安保法制について法案別の改正ポイントを解説するシリーズ、今回は「重要影響事態安全確保法(周辺事態安全確保法の改正)」についてです。

重要影響事態安全確保法の概要

 重要影響事態安全確保法は、重要影響事態(※1)に際し、合衆国軍隊等に対する後方支援活動等を行うことにより、日米安保条約の効果的な運用に寄与することを中核とする重要影響事態に対処する外国との連携を強化し、我が国の平和および安全の確保に資することを目的としています。従来の「周辺事態安全確保法」を改正し「重要影響事態安全確保法」に変更するもので、目的規定が見直されています。

改正法で何が変わるか?

 支援を実施する範囲として従来までの「周辺事態(※2)の定義」から「我が国周辺の地域における」という地理的な制限を削除し、現に戦闘が行われていないこと、かつ当該外国等の同意がある場合に外国領域での活動が可能となります。また、支援対象が米軍以外にも拡大した上で、提供できる対応措置の範囲の幅が拡がります。

改正法のポイント

 改正法のポイントは、地理的な制限が無くなること、米軍以外への対応措置が可能になること、対応措置の内容が拡大することにあります。

 第一に、従来までの周辺事態の定義を廃止し、重要影響事態とすることで対応措置を実施する地理的な制限を無くします。そのため、武力行使の一体化(※3)を防止するために、現に戦闘が行われていないこと、外国領域での活動における当該外国の同意があることという制限を課すとともに、原則としての国会の事前承認(周辺事態法と同様)、安全に実施することが困難になった場合の防衛大臣による中断、活動場所が戦闘状態になった場合の自衛隊の部隊長等による一時休止が定められています。

 第二に、従来までは米軍のみに認められていた支援対象に「その他の国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動を行う外国の軍隊」と「その他これに類する組織」が加えられることになります。従来までの地理的な制限が廃止されたこと等に伴い、重要影響事態の内容によって米軍以外への対応措置を講じる可能性が考慮されます。

 第三に、従来までの対応措置の範囲が拡大し、武器・弾薬の提供が禁止されていた状態から弾薬の提供が可能となりました。また、宿泊、保管、施設の利用、訓練業務についての役務提供が追加されることで、外国軍等と自衛隊が幅広い連携を実施する可能性が拡大しています。

重要影響事態安全確保法のポイント

        ◇        ◇

(※1)重要影響事態…そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態(「周辺事態」の定義から「我が国周辺の地域における」を削除)

(※2)周辺事態…日本の周辺地域における日本の平和と安全に重要な影響を与える事態。「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(周辺事態法)」で定義された概念。

(※3)武力行使の一体化…他国の軍隊による武力行使に対して日本が密接に関与することにより、日本が直接武力行使をしていなくても、したと見なされること。憲法9条の制約から日本はこれを認めていない。

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