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開かなくてもいい?臨時国会召集の要件とは

政治山 / 2015年10月21日 15時30分

 臨時国会召集については、憲法第53条に規定があります。

――内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。――

 臨時国会は通常、緊急を要する災害対策のための補正予算や法律案の審議を求めるときなどに、内閣が召集を決定します。

国会議事堂

政府・与党は閉会中審査で対応する姿勢

 しかし今回は、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉の大筋合意や改造内閣発足を受け、野党側が臨時国会召集を求めています。政府・与党は安倍首相の外交日程が10月下旬の中央アジア歴訪から始まり、韓国での日中韓サミット、トルコでの首脳会議、フィリピンでのAPEC首脳会議、マレーシアでのASEAN関連首脳会議と11月は予定が詰まっているため召集に否定的です。TPPに関しては、衆院予算委員会での閉会中審査を11月中に開催する方向で与野党が調整しています。

 小渕優子元経産相の関連団体をめぐる政治資金規正法違反事件や日本歯科医師連盟の迂回献金事件、新閣僚をめぐる週刊誌報道など火種が複数ある点も政府・与党内での見送り論を後押ししているとみられます。

総議員4分の1以上の要求あれば召集は義務?

 もし、憲法53条の規定に基づき、衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求があった場合は、内閣に召集義務があるのでしょうか。53条前段が後段にもかかっているとすれば、義務ではないようにも受け取れます。

 菅義偉官房長官は記者会見で「要求があっても開かなかった例もある。臨時国会は必ずしも開くことじゃない。臨時と言われる国会だ」と指摘したそうです。

2回召集されなかったことも

 過去に総議員4分の1以上の要求は35回(うち1回は衆院の重複)行われましたが、このうち2回は翌年の通常国会まで召集されませんでした。いずれも特別国会最終日に要求が出され、1回は53日後の2004年1月19日に第159回通常国会が召集され、もう1回は要求提出80日後の2006年1月20日に第164回通常国会が召集されており、日程調整の難しさも影響したようです。前例に倣えば召集の義務はなさそうですが、今年は何かと違憲論議が熱いので、与野党の対応に注目です。

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