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東大の学生らが定期的に政策勉強会―若者の“聴く力”養う場に

政治山 / 2016年2月18日 12時0分

 東京大学の現役学生やOBが中心になって日本の政治的課題を話し合う勉強会が毎月、東大本郷キャンパス近くのカフェで開催されています。口コミで参加する社会人や他大学生の中には、ベンチャー企業を起ち上げて成功している人々もいて、政策論争の場として静かに熱を帯びています。

 作家の真山仁さんが呼びかけ人となって2011年の夏からスタートしました。原発政策を扱った政治小説『コラプティオ』を執筆した真山さんが、同作品を読んで集まった東大生ら約50人と議論を行ったのがきっかけです。

若者の“聴く力”を育てようと企画

 若者の“聴く力”を養うコミュニケーション能力の必要性を感じた真山さんはその後、「真山ゼミ」と呼ばれる定期的な勉強会を設けました。学生が勉強や交流の場として利用しているカフェで毎月10―20人前後が集まり、その時のテーマに沿って自由に意見を述べ合う会合です。

真山ゼミ
白熱した議論が展開された勉強会

 最近のテーマは地方創生で、地方がどうやって稼ぐ力を身に付けるべきかを検討。2月のゼミでは、インバウンド観光を中心とした集客に成功している香川県の事例を挙げました。かつて県名知名度ランキングで下位に低迷し、人口減少が止まらないなどの危機感を持った知事のリーダーシップにより、うどん県プロジェクトを起ち上げるとともに、国際線の就航に成功するなどして観光業発展に結実したと解説。

 このほか、和歌山県田辺市の熊野古道や、ゆるキャラの「くまもん」で注目された熊本県、「地産外商」を進める高知県などの事例を取り上げ、それぞれの戦略実行の背景や実際に成功しているのかどうかのデータ分析など、多角的な視野で個々のケースを論じました。

 こうした事例から、「強い動機」と「障害の克服」が地方創生のカギになると分析しました。

議論のスピードが早い効率的な展開

 参加者からは「国際線でいえば、佐賀空港にも春秋航空が就航したから影響はあるのだろうか」「街をテーマパーク化できるかどうかにかかっているのでは」といった意見が次々と出て議論は白熱。その度に地域経済のビッグデータが一目で分かるRESAS(地域経済分析システム)などの参考ページがプロジェクターにすぐに映し出されて、話題は目まぐるしく移り、「知」の結集を象徴する効率的議論が展開されました。

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