ITとICTはどうやって使い分けてるの?
政治山 / 2016年2月26日 11時0分
最近、「CNET Japan Live 2016」と「OGCシンポジウム2016」という2つの講演イベントに出席しました。前者のパネルディスカッションテーマと、後者のイベント名にはいずれもITという言葉が使われ、ICTの文字は見当たりませんでした。
2、3年前に「これからはITではなく、ICTの時代だ」と聞いた記憶がありますが、世の中はICTを必ずしも受け入れたとはいえない状況のようです。そもそも、両者の違いって何でしょうか?
海外ではICTが一般的
ITはInformation Technology、直訳すれば情報技術。コンピュータそのものの技術を意味します。一方のICTは、Information and Communicaion Technology、情報通信技術または情報伝達技術などと訳されます。コミュニケーションを「IT」がサンドしているので、通信に重点を置いている言葉と言えそうです。
海外では、すでにITよりICTのほうが一般的なようですが、日本で使われるICTは、ITの一部のように解釈されていて、「大は小を兼ねる」形でITに集約されてしまったように思います。
そうこうしている間に、最近ではIoT(Internet of Things、モノのインターネット)という言葉が脚光を浴び始めています。ウェアラブルデバイスやIT機能を持った歯ブラシ、マットレス、体温計などによって健康状態や個人データ、ビッグデータを測定できる商品が次々に開発されています。
ICTよりもIoTに注目
意味は違いますが、語感としてはICTに似たIoTに移ってしまった感があり、国内でICTが復権するには国際標準を前面に出さなければ、今後は存在意義が見いだせないかもしれません。
Windows XPが発売される前年の2000年。とある国の宰相がIT革命をイット革命と発言したという逸話も今は昔。流行り廃りの早い世界で、ITという言葉だけはどっしりと根付いています。誤読のエピソードは時代を映す鏡として、ネットのなかった時代への郷愁と、何とも言えない安心感をもたらしてくれます。
<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>
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