原発稼働も止める「仮処分」とは―高浜原発3・4号機運転停止命令

政治山 / 2016年3月14日 17時30分

 福井県の高浜原子力発電所3・4号機について、大津地裁は、「安全性の確保について説明を尽くしていない」として稼働中の原発に対し運転停止を命じる仮処分の決定を出しました。関西電力は異議申し立てを行いますが、今回の決定で稼働中の3号機を運転停止し、5月からの電気料金引き下げを見送ると発表しました。

 仮処分とは、正式な裁判が終わるのを待っていれば事情が大きく変わってしまい、勝訴しても権利が実現できない場合に、仮の地位を定める手続きです。権利実現に支障が生じないように暫定的措置を行う民事保全制度の一種です。保全処分には、このほかに不動産や船舶などを保全する「仮差押え」もあります。

通常は保証金納付が必要

 通常の民事訴訟であれば1年以上かかることもざらにありますが、仮処分であれば早い場合、数日や数週間で結論が出ます。あくまで「仮」である処分ですが、債務者(相手方)の財産処分を禁じる強力な制度なので、一定の歯止めをかけるために通常、債権者(申立人)は保証金の納付が必要になります。

高浜原発
Photo:藤谷良秀(CC BY-SA 3.0)

 保全処分によって債務者は一方的に権利を侵害されるので、債務者はその損害を補てんするためにこの保証金を受け取ることができます。債権者が民事訴訟で勝訴した場合は取り戻すことができます。

 高浜原発をめぐっては昨年4月、福井地裁でも運転差し止めの仮処分決定が出た後、12月に仮処分が取り消されました。福井・大津両地裁のケースでも保証金は不要とされました。

ニッポン放送株めぐる係争でも差し止め仮処分

 最近ニュースになった仮処分の例では、申立人の逮捕歴を示すグーグルの検索結果について、さいたま地裁が昨年12月、グーグルに削除を命じる仮処分の決定を出しました。

 過去には、ライブドアによる敵対的買収事件で、ニッポン放送によるフジテレビへの新株予約権の発行を、東京地裁がライブドアの申請に応じて差し止め仮処分を行ったケースもあります。

<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>

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