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女性の社会進出拒むガラスの天井とは―女性活躍推進法が4月施行

政治山 / 2016年3月22日 11時50分

 女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)が4月1日施行されます。10年間の時限立法で、300人超の組織に女性活躍に関する状況を把握し、行動計画を策定することを求めています。300人以下の組織は努力義務となります。ここでは、女性活躍の議論で必ず登場する用語「ガラスの天井」と、その派生語について解説します。

マイノリティの地位向上を阻む“見えざる障壁”

 「ガラスの天井(glass ceiling)」とは、性別や人種などを理由にキャリアアップできないことで、“見えない天井”になぞらえています。女性のキャリアを阻む障壁として使われた比喩表現ですが、現在は男女を問わずマイノリティの地位向上を阻む壁としても用いられます。

ガラスの天井

ピンチで抜擢されて直後に危機に陥る「ガラスの崖」

 ガラスの天井は1984年ごろから見られた表現で、日本に比べて女性の社会進出が進む欧米では、さらに先を行く「ガラスの崖(glass cliff)」という言葉も使われます(「ガラスの断崖」「ガラスの崖っぷち」とも)。右肩上がりの企業よりも経営難の企業で、女性が重要な役職に起用される傾向にあることを指す言葉です。厳しい条件の下でリーダーになった女性は、マネジメントに失敗するリスクに晒されることから、ガラスの天井の先に待ち構える危機を指します。

 2004年、英国エクセター大学のミシェル・ライアン教授とアレックス・ハスラム教授が、「ガラスの天井を突破したのち、自らがガラスの崖に立たされている、つまり自分の指導的立場がリスクを伴う心許ないものであると気付く」として「ガラスの崖」という言葉を使いました。

男性差別を表す「ガラスの地下室」も

 一方、米国の社会学者であるワレン・ファレル氏は1993年、逆に男性の方が差別される状況を「ガラスの地下室(Glass Cellar)」と命名しました。例として、徴兵制度が男性にのみ強制されることや、離婚調停で父親の親権が与えられないケースが多いこと、炭鉱や原発、土木作業員など危険な職種に男性が多いこと、自殺者に男性が多いこと、平均寿命の男女差などを挙げています。

<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>

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