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共産党を調査対象団体とする破壊活動防止法とは?

政治山 / 2016年3月25日 17時30分

 政府は22日、日本共産党について、「現在においても破壊活動防止法(破防法)に基づく調査対象団体である」「『暴力革命の方針』に変更はないものと認識している」などとする答弁書を閣議決定したと報じられています。鈴木貴子衆院議員(無所属)の「日本共産党と『破壊活動防止法』に関する質問主意書」(14日提出)に答えたものです。

1952年の血のメーデー事件をきっかけに施行

 破防法は、1952年5月に発生した血のメーデー事件(皇居外苑でのデモ騒乱事件)をきっかけに、暴力主義的破壊活動を行う団体を規制する目的で施行された法律で、制定当初は勢力拡大する日本共産党を主眼に置いていたとも言われます。

六法全書

 その後、1961年の三無事件や1970年の連合赤軍事件、1971年の沖縄返還協定をめぐる騒擾事件で適用されましたが、これらは暴力的破壊活動の予備や教唆、煽動などの行為者を処罰する規定に基づきます。一方、破防法が規定する団体活動の制限や解散について、憲法21条の「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」という条文に違反するという指摘があり、これらの規定が発動される動きは1995年までありませんでした。

オウム真理教にも適用されなかった団体解散

 同年3月、地下鉄サリン事件によってオウム真理教による一連の事件が明るみとなり、破防法の団体解散が初めて請求されましたが、1997年2月に公安審査委員会は「要件を満たさない」として棄却しました。これを受けて1999年12月、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」(団体規制法)が施行され、一定の要件を満たす団体に対し、観察処分や再発防止処分を行えることになり、公安審査委員会はオウム真理教に対し3年間の観察処分を決定しました。

 しかし、この団体規制法についても、居住や移転等の自由に予防的措置を拡大しており、人権を侵害するとの指摘があります。

<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>

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