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なぜ衆院議員だけ「代議士」と呼ぶのか

政治山 / 2016年3月30日 11時50分

 ドラマなどで「代議士」という言葉が用いられる影響からか、「代議士は国会議員の代名詞」と勘違いしている人も多いようです。衆院議員だけを指し、参院議員は含まれないのですが、なぜこのような呼び名があるのでしょうか?

戦前、国民の代表者は衆院議員だったため

 参議院は戦前、貴族院でした。華族や元官僚、学識経験者、高額納税者などから選出された非民選議員の院であり、一般国民の代表は衆議院が担いました。衆院議員が「国民に代わって議事に携わる」ことから、敬意と親しみを込めて「代議士」と呼ばれ、その名残が現在でも続いています。

衆議院

 日本国憲法では、全ての国会議員が「全国民を代表」する民選議員となったので、本来の語源に立ち返れば衆参問わず「代議士」と呼んでもいいはずです。しかし、衆議院だけに解散があることや、参議院よりも任期が短いことから、国民の意思がより反映されていると考えられています。このため、予算先議権や内閣不信任決議が認められるなど「衆議院の優越」が与えられており、現在でも「国民により近い立場」であることから、「代議士」の敬称も衆院議員だけに限定されているのではないかと考えられます。

時代のニーズに合わせて意味が変わる可能性も

 国会内で行われる「代議士会」は衆院議員のみの議員総会であり、衆参あわせての議員総会は「両院議員総会」と呼ばれます。永田町では厳密に適用されており、代議士という呼称に誇りを持つ議員もいます。

 とはいえ、言葉の意味は時代のニーズと共に変化します。国民がその違いに関心を持たなくなれば、「代議士」の役割も変わっていくのかもしれません。

<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>

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