自治体の懐に優しい平日投票
政治山 / 2016年4月7日 11時50分
地方選挙から国政選挙まで、投票はほとんど日曜日に行われますが、他の曜日に行われない理由は何でしょうか。
曜日に関する法律上の規定は、衆参補欠選が4月か10月の第4日曜日と決まっているだけで、その他の選挙はどの曜日に選挙を実施しても問題はありません。
平日投票で人件費抑えられるメリット
実際、北海道の寿都町議選は2015年10月6日の火曜日に投開票が行われました。寿都町は、2005年の町長選挙から町長選、町議選とも木曜日告示、火曜日投開票日です。理由は経費節減で、休日に実施すれば休日勤務手当や時間外手当等がかかりますが、平日なら時間外勤務手当だけで済み、人件費を低く抑えられるからです。
山形県飯豊町でも1971年の町議選、1977年の町長選から投開票日を平日に設定しています。同町によると、投開票所で作業する職員は約50人に上り、費用は日曜日と比べて半額程度の概算150万円で済むそうです。また、5日間という選挙期間に日曜日を挟むことで候補者の訴えを吟味できるメリットもあるとのこと。
慣例化で?投票率も上々
同町によると、平日投票は慣例化しているので、町民からの問い合わせは特になく、町議選・町長選とも投票率は常に80%を超えており「曜日による投票率の影響はないと思う」とのことです。
北海道の長沼町、東川町、秩父別町、北竜町の4町では、統一地方選の行われる4月が農繁期であることから、曜日にかかわらず2月28日に町長選や町議選を行うのが慣例のようです。
1969年以前は国政選挙も日曜日以外が一般的だった
国政選挙では、1969年の衆院選が土曜日だったのを最後に、日曜日が慣例となりました。それ以前の国政選挙では、現在とは対照的に日曜日以外が一般的だったようです。日曜日が慣例となったのは、(1)他の曜日に比べて投票率が高くなると考えられたことや、(2)小中学校を投票所にしている地域も多く日曜日でなければ使えない、などの事情があったとみられます。
1992年に行われた世論調査で、「希望する投票日の曜日」で日曜・祭日が78.3%と圧倒し、土曜日・平日は6.8%だったという記録もあります。現在は「期日前投票」が利用しやすくなったので有権者には便利になっているはずですが、投票率は全国的に低下傾向が続いています。
国によって様々な選挙実施の曜日
海外事情をみると、慣例的に米国は火曜日、英国は木曜日を投票日にすることが多いようですが、日曜日を投票日にしているヨーロッパの国も少なくありません。韓国は大統領選などが行われる国政選挙は平日を休日にして行います。
<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>
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