熊本地震の復旧に使われる予備費とは?
政治山 / 2016年5月11日 11時50分
熊本地震を受けて政府は4月23日、今年度予算に計上した予備費3500億円のうち、23億4000万円の拠出を決めました。被災者への食料品や生活用品に充てられます。この予備費とは何でしょうか?
使途は内閣の裁量次第
予備費は天災や金融危機など不測の事態に、政府が柔軟に対応できるよう使い道をあらかじめ定めずに毎年度予算に計上する費用です。予算額は国会審議で決まりますが、使い道は内閣の裁量に委ねられます。
半分程度は補正予算の財源に
1980年以降はほぼ毎年、当初予算で3500億円の予備費を計上し、1000億円から2000億円程度が補正予算の財源として使われます。例外的に1990-91年度は湾岸戦争関連でほぼ全額を支出しました。
予備費の主な用途は災害復旧や国政選挙に使われます。このほか、2001年度はBSE問題に絡む牛肉処分事業やハンセン病療養所入所者に対する補償金、2002年度は不審船引き揚げ、2004年度はスマトラ沖大地震の救援、2007年度はC型肝炎感染者に対する給付金などに使われました。
4月24日、官邸で開かれた「熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部会議」で挨拶する安倍首相(首相官邸HPより)
補正予算で新たな予備費も創設
熊本地震に関する政府の予算対応では、6月に交付予定だった普通交付税のうち421億円を熊本県と県内の市町村に前倒しで交付しました。また、5月13日までに補正予算案を閣議決定し、5月17日の成立を目指します。
政府は当初予算での予備費に加え、補正予算でも7000億円規模の『熊本地震復旧等予備費』を創設する考えです。補正予算の総額は7780億円に上ります。
<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>
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