伊勢志摩サミットはG7だけど…G8にはもう戻らない?
政治山 / 2016年5月23日 11時50分
伊勢志摩サミットが5月26、27日に迫ってきました。主要国首脳会議は、主要7カ国(日、米、英、仏、独、伊、加)の首脳と欧州連合の欧州理事会議長と欧州委員会委員長が年に1回、国際的な経済、政治的課題について討議する会議です。
当初はG6、オイルショックが始まり
以前はロシアも参加しG8(Group of Eight)と呼ばれていましたが、2014年から元の7カ国に戻っています。そもそも主要国首脳会議とはどのような経緯で始まったのでしょうか。
きっかけは1975年の「オイルショック」に遡ります。国家の枠組みを超えた経済対策の必要性から、カナダを除いた6カ国(G6)で首脳会議が開かれ、翌年からG7サミットとして毎年開催されることになりました。1998年、ロシアが加わりG8となります。冷戦終結による雪解けムードと、先進国だけでは解決できない問題が増え、途上国を代表する立場としてロシアが招かれました。
2014年からロシアは参加停止
ところが、ウクライナ問題で欧米との対立が鮮明になったロシアは2014年以降参加を停止しており、復帰の目途は立っていません。新たな冷戦の始まりと考える向きもあります。現在、国際社会を揺るがすパナマ文書の流出を巡っても、ロシアのメディアでは「米国の陰謀」とする見方が大半です。
近年、G20という言葉もよく耳にします。こちらはG8に加えて、中国、インド、ブラジル、韓国、メキシコ、オーストラリア、南アフリカ、インドネシア、アルゼンチン、トルコ、サウジアラビア、欧州連合(EU)を加えたグループで、1999年から20カ国・地域による財務大臣・中央銀行総裁会議が毎年開催されています。
地球規模の課題はG20が最適?
リーマンショックによる世界金融危機を受けて、2008年からは20カ国・地域首脳会合(G20 Summit、別名・金融サミット)も毎年(複数回の年も)、開催されています。一時的な緊急会合として始まったものですが、最近は温暖化対策など世界が協調して取り組まなければいけない問題も協議されており、今後は先進国と新興国との間で国際問題を解決する協議の場としての役割が期待されています。
<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>
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