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百条委員会、不信任決議…舛添知事を待つ都議会の追及

政治山 / 2016年5月25日 11時50分

 政治資金流用疑惑で、舛添要一・東京都知事は5月13日に続き20日の定例会見でも辞職を否定しました。不十分な説明に対し、都議会に対し百条委員会設置を求める声が高まっています。以前も記事で紹介したことがある特別委員会ですが、改めておさらいします。

百条委員会の調査権は国会の国政調査権に相当

 百条委員会は地方自治法第100条に基づく委員会で、地方議会の議決によって設置されます。地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求し、拒否した場合は罰則が科せられます。調査権は、国会の国政調査権に相当します。通常の質疑応答では事実関係が判明しない場合などに当事者を追及する場となります。

東京都庁

 近年話題になった例では、2013年12月18日、猪瀬直樹・前都知事が徳洲会グループから5000万円を受け取った件で都議会が百条委員会の設置を決定。猪瀬知事は翌日、辞任表明しました。また、昨年12月には大阪府の堺市議会が、小林由佳市議の政務活動費について未配布の政策ビラなどに支出した問題を調べるため百条委員会を設置し、証人尋問などを行っています。

辞任を迫るには不信任決議が有効

 百条委員会は真相究明の場として有効であるものの、直接辞任を迫る委員会ではありません。都議会が知事の進退を問うには、不信任決議という手段があります。決議の要件は、(1)議員数の3分の2以上の者が出席、(2)出席議員の4分の3以上の者が賛成、の2つです。

 不信任決議を受けた首長は、10日以内に議会を解散するか、10日が経過した時点で失職します。議会を解散した場合、首長自身は失職せず、議員選挙の後に再び不信任決議案が提出された場合、決議要件は出席議員の過半数で成立となり、首長は自動的に失職します。

出直し選で再選した例も

 都道府県知事に対する不信任決議は過去に4例あり、いずれも知事が辞任もしくは失職を選択しています。その後の知事選で再当選したのは2002年7月の田中康夫・長野県知事だけです。議会解散のリスクがあるため、失職を恐れる議員の中には拘束力のない辞職勧告決議を採択して自主的な決断を促すケースも多いようです。

 舛添知事の問題では共産党などが百条委設置を求めています。都議会与党の自民党や公明党は世論の動向を慎重に見極めて対応する構えです。

<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>

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