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舛添都知事への集中審議にみる一問一答形式とは

政治山 / 2016年6月14日 11時0分

 舛添要一・東京都知事の政治資金流用疑惑で、都議会は13日から総務委員会で一問一答形式での集中審議を開催し、知事を追及しました。一問一答形式は、通常の質問とは何が違うのでしょうか。

代表・一般質問は事前通告が基本

 地方議会や国会の本会議で行われる質問は通常、代表質問や一般質問と呼ばれます。代表質問は所属する会派を代表して行われ、一般質問は議員個人の立場で行います。通常は、質問事項を事前通告し、事務方が答弁内容を用意しておきます。国会の場合、質問する議員によっては前日の夕方以降に通告するケースもあり、霞が関の超過業務を助長しているとして、前々日の18時までに通告することが申し合わされたこともあります。

 都議会本会議の代表・一般質問では、持ち時間の中で一括して尋ねなければなりません。答弁を受けて追加の説明を求めたり認識を質したりすることができないため、議論が深まらず、台詞を読むだけのセレモニーのようになり、ついウトウトしてしまう議員もいます。

都議会定例会で答弁に立つ舛添知事(2016年6月7日、東京都ホームページより)
都議会定例会で答弁に立つ舛添知事(2016年6月7日、東京都ホームページより)

一問一答形式は質問の深掘りができる

 一問一答形式は通常、事前通告がなくシナリオのない言葉のやりとりなので、より詳しい説明を求めて議論の深掘りが期待できます。

 テレビ中継が入ることも多い衆参の予算委員会では、事前通告が基本原則であるものの、一問一答形式なので、閣僚の答弁能力や機転が問われることも多く、認識不足が露呈すると閣僚の資質問題にまで発展することもあります。通告にない質問に対しては「質問の通告をいただいておりませんので」として答えない方法もありますが、細かい統計や過去の政策ではなく、自身の認識が問われるケースでこのような答弁を繰り返すと、批判を招きやすくなります。

一問一答でも筋書き通り?の“舛添答弁”

 都議会総務委員会での集中審議は、事前通告のない一問一答形式なので、筋書きのないドラマが期待されましたが、舛添氏は定例記者会見での対応と同様に、「厳しい批判はしっかりと胸に受け止めたい」「(会議に出席した方の)名前を明らかにすることはご容赦願えればと思います」などの決まり文句を繰り返して質問をかわしました。

 猪瀬直樹・前都知事の不正資金提供問題が問われた2013年12月16日の同委員会では、鞄に5000万円分の札束が入るか否かの検証が行われ、札束の模型が鞄にうまく入らない場面がニュースでも繰り返し報じられました。その後、百条委員会の設置が決まり、猪瀬氏は辞意を表明しました。

15日に不信任決議案を審議へ

 猪瀬氏の問題とは異なり、舛添氏の疑惑は参院議員時代の支出が大半を占めるため、地方公共団体の事務に関する調査を行う百条委員会にはなじまないとの声があります。このため、都議会共産党は14日の議院運営委員会で不信任決議案を提出し、翌日の本会議に諮る姿勢です。

<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>

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