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想定外?東京都選挙区、番号行ったり来たりのポスター掲示板

政治山 / 2016年6月28日 8時0分

 22日に公示された参院選。東京都選挙区(改選数6)には1998年以降最多の31人が立候補しました。今ひとつ盛り上がりに欠けると言われる参院選ですが、改選数の5倍を上回る候補者が競い合う東京都選挙区だけは、局所的な盛り上がりを見せています。

当初の想定上回る候補者数

 政府が参院選の日程(6月22日公示、7月10日投開票)を決めた6月2日以降、東京都選挙管理委員会は、都内1万4163カ所にポスター掲示板を設置。「10増10減」の影響で東京都選挙区は定数が5から6に増えたため、都選管も候補者数の増加は想定していました。ポスター枠は、直近5回の参院選で候補者が最多だった24人を上回る30人分用意していました。

 ところがその後、必要書類を取りに来る陣営は途切れず、都選管は公示日5日前に各区市町村選管に3人分の枠を増設するよう指示。事前審査に訪れた31人を上回る可能性もあったため、都選管としては33人の枠に収まるかどうか大きな懸念を抱いて当日を迎えました。

抽選に参加したのは31人中22人

 22日午前8時。申請書類を持って現れた関係者は23人。1人が届け出を辞退し、22人が午前9時からのくじ引きを終えると、政治団体「支持政党なし」が4人分の立候補を相次いで届け出て、23から26番までの届出番号を取得。同団体の共通ポスターを貼るために連番を狙っていたと思われます。

公示直前のJR蒲田駅前の掲示板
公示直前のJR蒲田駅前の掲示板。当初の30枠(28、29、30番は右端のタイトル部分3枠に配置)に31、32、33番が追加され、番号がツギハギ状態に

 午後に入ってからも立候補を届け出る陣営関係者は後を絶たず、終わってみれば候補者は予定通りの31人でした。掲示板は通常、右側か左側の冒頭部分に「参議院選挙区選出議員選挙ポスター掲示場」というタイトルと注意事項、投開票日が記されています。これらの記載がポスター枠2枠か3枠分を占めており、東京都選挙区では28―30番の届け出順になった候補者の枠となるケースも生じ、28番以降の番号が行ったり来たりのツギハギ状態になる掲示板が多数出現しました。

定数1増含む「椅子取りゲーム」の熱い戦い

 後から追加した3枠のうち32番と33番の2枠は空いた状態。タイトル部分が候補者枠になったのは当初の30人分より多くなってしまったために、最初に割り振られた枠番号を動かすことができない事情によります。ポスター枠はオーバーせず、都選管はひと安心ですが、各陣営はここから長い戦いの始まりです。

選挙戦5日目、候補者31人のうち16人のポスターが貼られた掲示板(練馬区)
選挙戦5日目、候補者31人のうち16人のポスターが貼られた掲示板(練馬区)

 都内62の区市町村に配置された1万4163カ所のポスター掲示板すべてにポスターを貼るのは、大きな政党や組織の支援がなければ簡単ではありません。1人が1カ所あたり5分で貼っていっても10時間で120カ所が限界。1日で全掲示板に貼るのであれば、100人以上を駆り出さなければいけない計算になります。27日現在で、23区内の掲示板すべてにほぼ網羅したと確認できるポスターは31候補中16人前後で半分程度です。

 都市部に無党派層が多いこともあって、東京都選挙区は6枠中2枠が各種報道調査でまだ流動的と分析されています。梅雨空のもと、「椅子取りゲーム」を巡る熱い戦いは終盤まで激しさを増していきそうです。

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