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政治を身近に感じてもらうために~参院選の動画企画を通して見えたこと

政治山 / 2016年8月23日 17時30分

 メディアを通じて得る政治の情報は国政に関するものがほとんどで、自分の住んでいる自治体の議会のことはあまり知らないという人が多いと思います。しかし、私たちの暮らしにより直結していることを話し合い、決めているのは地方議会です。山梨県内の若手地方議員が集まる「未来の山梨を拓く議員の会(来山会)」では、互いの見識を深めたり、住民に政治を身近に感じてもらえるような取り組みをしています。来山会の現会長・勝俣大紀 富士吉田市議会議員に、これまでの活動やこれからの目標についてご寄稿いただきました。

        ◇

 未来の山梨を拓く議員の会(来山会)とは、山梨県内の若手地方議員(および議員経験者)によって構成され、情報交換や意見交換、研修会等を通じて議員相互に見識を高め、未来の山梨を構築していくことを目的とした団体である。2011年10月に組織され、現在、県議会議員4人、12市3町の議員(元前職含む)32人の計36人で構成している(2016年5月1日現在)。所属党派も自由民主党、民進党、無所属などと多岐にわたり、まさに超党派の団体。団体としての党派性はなく、「未来の山梨のために」行動すべく、参集した山梨県内の地方議員の集まりである。

「らいざんラボ」の様子
「らいざんラボ」の様子

 これまでの取り組みとして、山梨を4エリアに区分し、エリアごとの研修会(それぞれの地域を再発見すること)や隔月に行われる来山ラボ(最新のトピックスに従い、講師を招いての研修会)、また、25歳になると選挙に立候補できることを再確認する啓発活動(第二成人式)等、さまざまな角度から未来の山梨について勉強をしているところである。

 最近では、SNSを駆使した企画「ネットで主張 2016参院選やまなし ~動画を見て選挙に行こう~」を実施し、ネット配信している。この企画は、ネット選挙と呼ばれる頃から実施しているもので、今回で4回目となる。その内容は、各候補者にテーマを投げかけ、それについて2分間の動画コメントを撮り、それを比較できるように政治山を通して発信する。また、この企画のコンセプトは、有権者がいつでもどこでも候補者の意見を見ることができるというものである。その結果、今回の投票率が全体で58.86%、前回よりも若干であるが上昇している。

「ネットで主張 2016参院選やまなし ~動画を見て選挙に行こう~」実施に向けた記者発表
「ネットで主張 2016参院選やまなし ~動画を見て選挙に行こう~」実施に向けた記者発表

 とはいえ、おおよそ半数の有権者が投票していない。理由として「投票に行っても変わらない」「面倒くさい」といった意見をよく耳にする。つまり、政治というものが身近に感じてもらえていないのではないだろうか。

 また、今回の参院選から18歳以上が投票できるようになったが、その投票率は、満18歳で54.16%、満19歳では41.51%であった。この結果を分析すると、やはり学校における18歳の主権者教育の効果があったとみてよい。ある学校では、主権者教育を受けた学生の約70%が投票したというケースもある。やはり、学校における教育が重要であると思われる。

 若者が投票に行かない理由としては、「住民票の移転手続きをしていないので投票に行けない」「安保法案にかかわるデモで、選挙や政治に対してあまりいい印象を持てなくなり(怖い・聞きたくない・関わりたくない)、選挙に行こうとしなかった」などの意見があった。今回感じたことは、選挙スタイルが明らかに変わってきているという印象を受けた。

 では、これから一体どうすれば、投票率が上がるのか?

 政治を身近に感じるようになるには、先にも申した通り教育が必要である。また別の方法として、まちづくりを挙げたい。積極的に住民が参加し、住民の自らの手で作りあげていく過程も必要だ。いわゆる、コミュニティー・ガバナンスという方法を使い、行政主体ではなく、住民主体へ移行することも政治を身近に感じてもらえる一つの方法である。

 これまで今回の参院選を通して見えてきた部分について話してきたが、来山会のこれからの活動目標として、県下の共通課題を見出し、一斉に一般質問等を行う。できれば、年に一回でも実施していきたい。

 そして、日本はいま、大きな変革期を迎えようとしている。そのために、来山会としては政治をもっと身近に感じてもらえるようなイベントを企画し、将来の政治家をサポートしていきたいと思っている。

<富士吉田市議会議員 勝俣大紀>

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