女性議員の夫へ突撃インタビュー!
政治山 / 2017年6月14日 11時50分
まだまだ男性が中心の政治の世界では、議員の妻は「夫をよろしくお願いします!」と選挙中に頭を下げたり夫の代わりに会合に出て挨拶をしたり、内助の攻として奮闘するイメージが根強いです。では、女性議員の夫はどうでしょうか。妻を応援しているのか、実は快く思っていないのか。今回は、日ごろ表舞台に出ない議員の夫に学生スタッフがインタビューしてきました。
初回は、WOMAN SHIFTの運営メンバーである目黒区議会議員 たぞえ麻友さんの夫:堀合努さん(注:たぞえ麻友さんは旧姓で議員活動をしています)にインタビューさせていただきました。
たぞえ麻友さんは2015年4月の統一地方選挙に無所属で出馬しました。生まれ育った目黒区での出馬でしたが、二世議員でもないのに初出馬初当選で、周囲から大変驚かれたそうです。また、お子さんが3人いらっしゃるということで、育児しながらの選挙は想像するだけでも大変そうですが、その裏には夫 努さんの支えがあったのでは?」と推測しながらインタビューに挑みました。
目黒区議会議員 たぞえ麻友さんの夫:堀合努さん(中央)
Q.初出馬初当選をした麻友さんの選挙活動は一緒に生活される中で、どのような選挙だったか覚えていらっしゃいますか。またサポートはされたのでしょうか。
A.正直そんなに覚えていない・・・(笑)。
妻は他の方と同じように活動をしていたように記憶しています。選挙カーだけは、他の候補者のような立派な看板を付けた街宣車ではなく、普段から使っているコンパクトカーにポスターを貼って、屋根にくくりつけたダンボール箱に置いたスピーカーから音を出すと言う荒技をやってました。
もともと妻の地元ではありましたが、公立学校出身ではなかったので、地元の友達はあまり多くない。なので、妻の父が地元で商売をしていたつながりや、妻の母の今でいうママ友が応援してくれていたようです。無所属ということで、当選するかどうかは分からなかったです。僕はそんなに手伝ってはいないのですが、知人へ声かけなどはしました。
Q.麻友さんが立候補を決断された時のことを教えてください。
A.ちょうど、大田区から目黒区の妻の実家に引っ越してきたのが、2014年の6月だったかな(スタッフ:引っ越してから1年も経たずに選挙!?)。妻の母の病気がわかったタイミングで出馬を決意したようです。
Q.昔から議員になりたいという話しはお二人でされていたのでしょうか。
A.共通の友人で当時のみんなの党の区議さんがいて、選挙の話は身近に感じていました。また、妻も僕も割と保守な所があり、お互い会社勤めもしていたので、民間でできるところは民間にという政策に賛同し、私も妻もその区議さんの選挙やみんなの党の衆議院議員の選挙を手伝ったりしました(※編集部注:みんなの党が解党したこともあり、麻友さんは無所属で出馬しています)。
学生スタッフがインタビュー
Q.麻友さんは、議員として活動されていてお忙しいと思うのですが、夫の家事・育児の負担が大変だと思ったことはありますか。
A.もともと妻と僕は、家事とかそういうものは平等で、できることをやると言うスタンス。妻だから何かやれとかはもともとなかったので、保育園のお迎えとかも空いている方がやる。妻の仕事が忙しくなったから僕の負担になることはないです。逆に僕の方が自営業で時間的にも不規則で、土日も仕事をしているので、妻の方が負担に感じているのではないでしょうかね。ちょくちょく愚痴ってきますね(笑)。
Q.普段話していて、「奥さん政治家でしょ?」と言われることはありますか。
A.区議会議員だとそこまで知名度があるわけではないので、知らない人からそういう風に言われることはまずないです。親しい人からかみさんどこで働いているの?と聞かれたら「区議会議員やっているよ」と話すくらいです。話したらまあみんな驚きますけどね(スタッフ:そうですね・・・なかなかないですよね!)。選挙のこととか、どうして出馬したのかとか、今みなさんが聞かれることを一通り聞かれるくらいです。
Q.麻友さんが政治家でよかったと思うことや、逆に嫌だなと思うことはありますか。
A.嫌だなと思うことはまずないです。区議会議員になる前から、ずっと政治の話はしてはいたし、もともと僕が政治に興味があったので、面白いです。今まではニュースや新聞から知るようなことに妻が携わっているから、政治の話題が一層身近になったことはよかったです。目黒区政や政治家の話とか、今まさに都議会関連の話を聞いたりだとか、日常生活の中において普通の話題として上がってきます。
Q.麻友さんには再選してほしいとは思いますか。
A.先ず2期はやってほしいなと思います。2期やらないとたいしたことはできないと思います(※編集部注:1期は4年間)。
Q.最後の質問になりますが、同じように奥さんが議員である旦那さんに向けてのメッセージをお願いします。
A.僕自身大したことはしていないし、妻をきちんとサポートできているかわからないですけども、これからの時代はやはり女性が活躍できると経済面・財政面・子育て支援の面でも、日本がこれから直面する課題に対して変えていけるのかなと思っています。
女性がもっと活躍してほしいと思いますし、その時に夫・男性が、女性の活動を理解して、いろんなことをやれるように女性をもっとサポートしていけるといいですね。僕自身もやっていきたいと思います。これから、自分の妻が政治や何かしらの活動に参加しようとしている方にも、同じような気持ちで、妻がやりたいこと・やろうとしていることや活躍をサポートしてほしいと思います(スタッフ:すばらしい・・・・・!!!!!!ありがとうございました!)。
【インタビューを読んだ麻友さんから一言!】
「どうして議員になったのですか?」という質問はしょっちゅうですが、たまに男性から「よくご主人が許してくれましたね?」という質問も受けます。もちろん、この質問には『私だったら承諾できない』というニュアンスが込められています。
私たち夫婦は、お互いのやりたいことをお互いが助け合ってやっていく、という意識があるように思います。結婚が授かり婚で、共働きなので、結婚してからすぐに協力体制を築かなかければやっていけなかったという経緯もあるかなと。
また、夫も政治に関する興味が高いので、私たちはいつ、どっちが出馬するか!?という話しを冗談混じりですがよくしていました。これが当たり前と思って過ごしてきましたが、先ほどの質問からも伺えるように、妻が政治家になることを許してくれたことはとってもありがたいことだとわかってきました。
改めて夫に感謝です。 夫婦の形も職業も多種多様ですが、夫婦だからこそ応援できることをお互いにしていけたらと思います。
-インタビュー・編集後記-
もともと夫婦ともに政治に興味があったということと、できるときにできる方が家事をやるという体制が麻友さんとともに今を楽しんでいける秘訣かなと感じました。気負わず自然体で今の仕事と家庭のバランスをとっていて、議員の家族だからという枠を超えて、活躍する女性のいる家庭の一つの形を見つけたように思います。
<WOMAN-SHIFT>
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