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首長の通信簿vol.1(前編)大阪府貝塚市長 藤原龍男氏

政治山 / 1970年1月1日 9時0分

首長の通信簿vol.1(前編)大阪府貝塚市長 藤原龍男氏

通信簿(グリーン・シップ調査結果)

――貝塚市長になろうと思ったきっかけを教えてください。

 昭和50年4月からずっと貝塚市役所で働いてきましたからね。57歳で副市長に就任して3年、貝塚市民には私が懸命にやってきたことはわかってもらえると思いましたし、それに期待して立候補しました。恩返しみたいなものですね。「趣味は貝塚」ですから。

 何に夢中かと聞かれると、「貝塚に夢中」だと。「趣味は貝塚や!」と、どこに行っても言ってます。

――先代の市長は、10期40年間というとても長い任期でした。そのうえで、市長は最初に何をやろうと思ったのですか。

 この地域のポテンシャルを上げるには、高齢者が地域で元気で活躍できる仕組みを作ろうと。そのためには、市長が自ら地域に入るべきだと思いました。

藤原龍男 貝塚市長

藤原龍男 貝塚市長

 町会ごとの老人クラブなどが月に一度はみんなで集まって、コーヒーやパンなど食べながら茶話会を開いていて。これは面白いと思い、積極的に広げるべきだと私はずーっと回り続けました。

 「ふれあい喫茶」と名付けたこのサロンは、ここの町会が土曜に開いたら、日曜はあの町会で、月曜は別の町会で、と。よその町会と互いに交流するわけです。多い所で90人くらい集まるのですよ。

――そんなに集まるのですか

 すごいでしょう。私は、仕事の合間をぬってパッと顔を出すわけ。コーヒーを10杯飲んで、ゆで卵10個は・・・食べられませんが。そんなふうにしていると、みんな活気が出てくる。「ふれあい喫茶」をするともれなく市長がついてくるように思われていますけど(笑)。

 家から外に出てもらって、交流すること。よく食べて、外に出て話をしてもらうことのきっかけづくり、場づくりは、市長の仕事だと思っています。ですから、「病院に行くより、老人クラブ活動。ふれあい喫茶に行け、そのほうが元気になるぞ!」と、いつも私はそう言って回っています。要するに、地域の絆を高めていこうよ、と。これは、高齢者が貝塚に住み続けたくなったというひとつの要因だと思います。

――そうですね。「この先も住み続けたい」と回答した住民が8割を超える、高い数字が出ています。コミュニティを作る地域活動に、自分が参加できるという意識があるのではないでしょうか。

 それが一番大事。地域の力を高めないと、「この地域はあかん」と思いましたから。だから、盆踊りもあって・・・36カ所も。地域の餅つきも33カ所あって、それも全部回っているんです。日本で一番餅をつく市長と言われているくらい(笑)。

――少子化の取り組みについて教えてください。

 まずは、子育てをしやすいまちを作らなければと。そのためには、教育の質を上げること。孟母三遷の教えではありませんが、教育の質を上げることがよそからも来てもらえる秘訣だと考えます。そして、もうひとつ、そのための雇用の場を確保しようと。この三つは必死で取り組んできましたね。

子育て応援券

 私のアイデアで生まれた「子育て応援券」。お子さんが保育園などに通っている世帯には5,000円分、通ってない世帯には10,000円分。今年4月からは、妊婦(妊娠7カ月)の方にも渡しています。

 子どもを産まない理由のひとつに、子育てをお母さんがひとりで担ってしまう例があると思い、お母さんが用事で外出したり息抜きが必要なときに、子どもを預けやすい仕組みを作ろうと思いました。保育園などの一時預かりができる施設で、この「子育て応援券」を利用し、預かってもらうことで、そこから子育ての孤立を防ぎ、お母さん同士が交流し、リフレッシュしてもらいたいと考えました。

 そして、妊婦さんや産後間もないお母さんたちは家事が思うようにできないときもあるでしょう。この応援券で、掃除や洗濯、買い物などの家事援助の利用もできるようにしました。「貝塚は子育てがしやすいぞ」ということです。

 もうひとつ。乗用車を利用して、オムツ替えや授乳ができる「移動式赤ちゃんの駅」を作り、屋外のイベントに貸し出しています。また、市内35カ所、スーパーや銀行などに「赤ちゃんの駅」というステッカーを貼っています。これは、お母さんが外出中に赤ちゃんのオムツ替えや授乳がしたいとき、このステッカーが貼ってある施設に行けば、オムツ替えや授乳が気軽にできるようになっています。

――雇用の場の確保というのは、どのようなことに取り組まれたのでしょうか。

 企業誘致ですね。それこそ、多分全国でもトップクラスだと思えるほど回りました。お陰様で現在は、私が市長になる前と比較して倍以上に工業出荷額も新規雇用も増えています。

 例えば、日本生命の有名な野球部や卓球部。ここにはオリンピック出場候補選手が2人、15歳以下の全日本の選手は2人いて、今年4月から貝塚の日本生命の寮に住んでもらい、近くの貝塚市立の中学校に通っていますよ。

 野球なら野球を、卓球なら卓球を貝塚市民が応援するとか、ね。いかに地域が企業を歓迎して、企業活動しやすいように地域が応援できますよという保証を、私が市長なら反対する市民は少ないかな。

 また、貝塚には西日本最大の屋内馬場があります。行ったら広くてビックリしますよ。その屋内馬場併設の社会福祉法人が運営するレストランでは、障がい者44人が働いています。障がい者も積極的に社会参加いただきたいというのが私の考え。ですから、社会福祉法人には土地をお貸しして、運営もすべてお任せ。

 さらに、市がそこで子どもの不登校対策をしています。馬を洗ったり、世話をすることで子どもが自信を持てるのですね。

 私は、高齢者が馬に乗れば背中が伸びるから、それもやるべきだと今年から始めました。無料ですよ。コストは掛かっても、こういうことのお金は良いと思うのです。

――普通、誘致したくてもできない自治体が多いですよね。何か秘訣はあるのですか。

 誘致した企業は13社、2000人の雇用が生まれました。まあ、マメということでしょうか(笑)。

(後編へつづく)

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