分身ロボットは社会課題解決の光明―加藤総務会長、石破元幹事長らが視察
政治山 / 1970年1月1日 9時0分
重度障害者らが遠隔でロボットを操作し、注文を聞いて提供までもこなす。東京港区の日本財団ビルでは、11月26日~12月7日の期間限定で分身ロボットカフェ(AVATAR CAFE)「DAWN ver.β」の実証が行われました。
カフェの実現にアイデアを求むこの分身ロボットカフェでは、事故で脊髄損傷となり手足が不自由な方など重度の障害を持つ方が高さ約120センチのロボット「OriHime-D(オリヒメディー)」をリアルタイムに遠隔操作し、お客にメニューを見せ、注文を聞いて、飲み物などを提供、会話も楽しみます。オリヒメディーのほかに、高さ約20センチのロボットOriHime(オリヒメ)も参加。
ロボット開発者の株式会社オリィ研究所(東京都港区)の代表取締役吉藤健太朗氏は、「今回のカフェはあくまで実験の段階で、本当のカフェとして実現するためには皆さんのアイデアが欲しい」と、カフェの来店客に意見を求めました。
議員の関心も高い分身ロボットカフェを多くのメディアが取り上げる中、政治関係者の関心も高く、4日には自民党の加藤勝信総務会長や石破茂元幹事長、平将明衆院議員も視察に訪れました。
遠隔地から三好史子さんが操作するオリヒメディーが登場すると、石破氏と平氏の座るテーブルへ進み、注文を聞きます。石破氏は「ビールはありますか?」と冗談を交わしながら操作する三好さんの緊張を和らげていました。
また、三好さんは島根県からオリヒメを操作していることもあって、出身地の近い石破氏は「鳥取に来たことありますか?出雲弁はわかりますか?」など会話も弾んでいました。
また、加藤氏は、オリヒメディーから注文した飲み物とお菓子が運ばれた後、テーブルにちょこんと置かれた高さ約20センチのオリヒメを操作する村田望さんと会話を楽しみ、手を上げたりするオリヒメと握手をしながら、未来のカフェを体感していました。
分身ロボットカフェは光明オリヒメディーとオリヒメの優しくグリーンに光る目となめらかな曲線のボディー、そして制作に込められた「分身」を作るという思いからは、ロボットが決して冷たいものではなく、人に寄り添える存在になる可能性を感じることができます。
カフェを出た後、石破氏は「今回見た最先端の技術は、重度障害者の方の働き方をはじめ、様々な社会課題の解決に光明を見出したように思います」と述べました。
日本財団の支援を受けたこの取り組みは、障害者のみならず介護なしの外出が困難な方などが様々な場面で活躍する可能性を秘めています。
内閣府の掲げるSociety5.0の中で新しいテクノロジーを駆使し新たな働き方が創造される中、まずは第一歩としてオリヒメによる本格的なカフェの実現が期待されるところです。
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