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知ってましたか!?政治山の「特徴語」―議会活動の客観的評価基準の1つに

政治山 / 2019年4月7日 6時0分

 2019年4月は統一地方選挙です。いろいろなメディアが選挙情報を載せるなか、政治山のサイトの選挙情報を見て、面白いと思ったのが「特徴語」です。

1.特徴語のランキングの理由は?

 この「特徴語」は一般質問のみを対象にしているようです。例えば、私の特徴語は下記の通り。ICT化を主に訴えているので、その通りの結果となりました。待機児童や病児保育に対する、ベビーシッターの利活用も何度も提言したのですが、なぜかランキングされていません。

山本ひろこの議会発言における特徴語

山本ひろこの議会発言における特徴語

 地方議員の発言は、通常議会の一般質問の発言時間については、基本的に各議会によって上限が定められています。日数には限りがあるので、人数が多い議会ほど、発言時間が短くなる傾向があります。例えば、定数36の目黒区議会で、一般質問の持ち時間が1人あたり年間約1時間ですので、これより定数の多い議会では1人あたりの持ち時間がもっと短くなってしまうわけです。

 一方で、委員会ではもっと緩やかに発言の機会が認められます。目黒区の場合だと、企画総務、文教子ども、生活福祉、都市環境、という4つの委員会に分かれて議案や陳情を委員会室で審議します。補正予算については、企画総務委員会で審議します。目黒区の場合は、1人の1回の質問につき最長30分という規定がありますが、これも自治体によって異なります。

 また、担当ごとに別れる委員会とは別に、予算と決算に関しては、特別委員会が設けられます。これは、一般質問と同様に、議場で審議します。ここの発言時間についても、また別途1人あたりの持ち時間があり、自治体によって様々です。目黒区では全議員参加ですが、自治体によっては交代制であったりするようです。

 私は過去に保育に対するベビーシッター活用を何度も訴えてきたのですが、「予算特別委員会」や「決算特別委員会」「補正予算委員会」の委員会での発言が多かったために、「特徴語」ランキングされていないのだなと、納得しました。担当別の常任委員会まで含めると煩雑ですが、予算と決算の特別委員会だけは、一般質問と同様に調査対象に入れた方が、より正確な「特徴語」が抽出できると思います。

2.客観的に議員の傾向を知る方法と言えば、議案や陳情への賛否

 議員本人からの発信は、紙のレポートから、ホームページやブログ、SNSなど、いろいろな形で行えますが、客観的に各議員の傾向を知るには、広報やホームページに掲載された、議案や陳情に対する賛否一覧くらいしかありません。しかし、議案や陳情の内容は記載しきれず、議題・件名のみになってしまうため、誤解を与えてしまうことが多い。

広報の表示例

広報の表示例、「目黒区 区議会だより」より抜粋

 例えば、保育園の増設に関する陳情、というような件名の陳情に反対した際には、支援者の方に「山本さんは保育園を増やすことに反対なの!?」と聞かれました。その内容は、区直営の公立保育園を増やせというものでしたが、直営の場合、莫大な予算と時間がかかるため、近年は目黒区でも民営の保育園しか作っていません。私は、「民でできることは、民で」と常に訴えていますので、もちろん今さら直営の保育園を増やすことには反対です。開園までの時間も倍近くかかります。待機児童が多くて有名な目黒区で、直営の保育園ばかり増やそうと思ったら、何年経っても待機児童が解消しないどころか、財政が破綻します。

 ともあれ、こういった背景があること、議員それぞれに賛否に対する理由があることを、細かく掲載できるわけもないので、結果を一覧にまとめるしかないのですが、誤解を招くことがあるというデメリットが必ず付いてしまいます。

3.当選のために政策を掲げるから、サービスアップばかりになる

 このように、現状では客観的な情報取得手段が少ないので、やはり本人発信の情報から傾向を知ることが多いかとは思います。どの議員も、少なくとも選挙の前には必ず、政策を掲げたチラシ等を作ります。議員になるには選挙で当選することが必須であるため、その政策は、「○○を増やします」「○○の質を上げます」「XXゼロ!」と言った、サービスアップの政策ばかりになることが大半です。そこで、少し振り返ってもらいたいのは、そのサービスアップを行う予算は一体どこから出てくるのかということです。

 少子高齢化で福祉費が膨らみ、どの自治体も財源は厳しい。地方は補助金や交付税に頼り、国は借金に頼っている現状です。そして、財源が足りないことを理由に増税が進んでいます。

 これからの政治には、今までのような、ひたすらサービスアップの政策ではなく、しっかりと効率化・スリム化を伴うサービス充実が必要ではないでしょうか。

4.新たな候補者選びツール「特徴語」

 ともあれ、新たな客観的評価基準として、「特徴語」は面白いです。各議員が掲げている政策と「特徴語」が一致しているかは、議員の傾向を知る材料の1つにもなります。とりあえず話題のテーマを幅広く提言に含めて、「政策が実現しました!」とPRする人も多いので、バラバラな特徴になっているケースも散見されます。より多くの人が、「特徴語」も参照してくれたらよいと思います。

山本ひろこ 目黒区議会議員

山本 ひろこ(やまもと ひろこ) [ホームページ]
目黒区議会議員(立憲民主党)
1976年生まれ、広島出身、埼玉大学卒業、東洋大学院 公民連携学修士、東京工業大学 環境社会理工学院 博士課程在籍。 外資金融企業でITエンジニアとして勤務しながら、3人娘のために4年連続で保活をするうちに、行政のありかたに疑問を抱く。その後の勉強会で子どもにツケをまわさない行政改革に目覚め、政治の世界へ。2015年、目黒区議選に初当選。PPP(公民連携)研究所、情報通信学会、テレワーク学会に所属。夫が障害者となり、健康管理士取得。
山本ひろこ氏プロフィールページ

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