「夜8時まで」投票を受け付けない投票所は35%、最大3日前に前倒し
政治山 / 2019年7月20日 6時0分
低迷する投票率に歯止めをかけるため、官民さまざまな取り組みが行われています。3年前の公職選挙法改正では、子連れ投票の解禁や期日前投票所の受付時間延長、共通投票所の設置などの施策が講じられました。
最大4時間、3分の1以上が終了時刻を前倒ししかし現状は、足並みを揃えて開票作業に当たり、一刻も早く集計作業を終えるために、投票日に午後8時よりも前に投票受け付けを締め切る投票所も数多くあります。今回の参院選では、全国4万7044カ所の投票所のうち1万6622カ所(35.33%)で終了時刻を前倒ししています。なお、前倒しは原則2時間までで、やむを得ない場合は最大4時間まで認められます。
鹿児島県では7月18日が投票締切の地域もさらに一部の離島や遠隔地では投票期日=投票日自体が繰り上げられることがあります。今回の参院選では27自治体66カ所の投票所で、投票日よりも前に投票が締め切られました。
その内訳は1日前47カ所、2日前7カ所、3日前12カ所で、3日前倒した投票所はすべて鹿児島県内で、屋久島町や三島村などの離島では7月18日に投票を締め切られました。
共通投票所は増加も西日本では“0”投票する人の利便性向上のために導入された共通投票所(自治体内の有権者が指定投票所以外から投票できる)は、3年前の4自治体7カ所から13自治体45カ所へと増加。実績のある自治体の周辺から少しづつ広がりを見せてはいるものの数は少なく、近畿以西で共通投票所を設けた自治体はありませんでした。
2020年には「海外からネット投票」が可能に投票所から開票所まで、投票箱を人の手で運び即日開票しようとする限り、終了時刻や締め切り日の前倒しは避けられそうにありません。これは在外邦人の投票においても同様のことが言え、国内の有権者と比べると投票機会は大きく損なわれています。
また、今回の参院選では3年前と比べて約850カ所、6年前と比べると1700カ所、投票所は減少を続けており、立会人等の負担も大きく、なり手不足が顕在化している地域もあります。
内閣府の「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ」には、2020年に「在外邦人が国政選挙にネットで投票可能に!」と記載されていますが、山間部や離島に住む人や物理的に移動が困難な人、そして障害などを理由に選挙権行使の機会を著しく制限されている人の投票環境も整えていく必要があるのではないでしょうか。
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