オンライン会議こそ“見た目”が大事―好印象を与える3つのポイント
政治山 / 2020年5月1日 10時0分
新型コロナウィルスの影響で、これまで対面で行われてきた打合せや集まりが、驚異的なスピードでオンラインへと移行しています。対面を重んじてきた気質のある日本人にとって、働き方や人との接し方の面で大きな転換期になりそうな今日この頃、オンライン会議ツールの一つや二つ使えないと、時代から取り残されてしまいそうです。
私の周囲からも「オンラインで住民報告会を行いたい」「オンラインの講演に登壇する」といった声が数多く聞こえてくるようになりました。当イメージコンサルティングラボでもオンラインでの映り方のポイントや服装提案のメニューがあり、多数のお問い合わせをいただいています。
オンライン上でも対面と同様、印象が重要です。対面で相手をじっと見つめるという行為には恥ずかしさが伴います。これに対してオンラインでは画面を通じてのやりとりになるため、「目が合う」ことの恥ずかしさが軽減されるのです。それゆえ相手からは、話し方や服装までじっくり見られています。実は対面よりも映り方の戦略が必要なのが、オンライン上の特徴です。今回は昨今のオンラインニーズの高まりを受けて、オンライン上でも好印象を与える映り方のポイントをお話します。なお、この記事は、ご自身で市政報告会を主催する場合を仮定しています。
オンライン上でも好印象を与える3つのポイント■その1 目線の位置
テーブルの上にノートパソコンを置いただけの状態の場合、カメラを覗き込む角度となり、下からのアングルになります。この状態だと顎の下や顔まわりの輪郭を目立たせてしまう上に、視線の位置が上からになるので、やや高圧的な印象を与えてしまいます。
解決策として、自宅にある本や箱などを使い、パソコンの高さを上げてみましょう。こうすると目線が上がり、輪郭線がすっきりします。下からのアングルは、もごもごと話しているように見えますが、上からのアングルだと口が動いている様子もよく分かるので、良い印象を与えることができます。その上、顔をシュッと見せてくれるので小顔効果もあります。
また、話に説得力を持たせたい場合には、カメラの位置と目線を同じ高さすると効果的です。聞き手に与える印象は、視点の位置でも変わってきます。このような撮り方の工夫はこれからオンライン上で何かを発信したり集まりを主催したりする方には、「当たり前」になっていくと想定されます。
■その2 背景と照明
オンラインで相手とやりとりをする時、何気に苦労するのが背景です。生活感を感じる背景は、親しみやすさを演出したい場合は良好かもしれませんが、とくに女性の場合は防犯上心配な部分もあるため、避けた方がいいと思います。一番良いのはシンプルな壁紙か、事務所などに置いてある仕切りを使うことです。
少し細かい話ですが、照明の色も相手の印象を左右します。照明を大きく分けると、オフィスや会議室等に使われる昼光色(青っぽい色の照明)と太陽光に最も近い色である昼白色、リビングやカフェなどに使用される電球色(オレンジ色っぽい照明)の3つがあります。オフィスに青みがかった光の昼光色が好まれるのは、青い色に「集中力を高める」効果があるためです。
報告会やセミナーで歯切れ良く見せたい時は、青みがかった照明を使ってみることをお勧めします。太陽光に近い昼白色は、色を最もきれいに見せてくれる照明です。元気で親しみやすい印象を与えます。一方、オレンジ色っぽい電球色はリラックスさせる効果があるため、交流会や相談会などでの使用がお勧めです。
■その3 服装とメーク
オンラインの場合は上半身しか映らないため、トップスをどうするかが議論の中心です。基本的にこれまで対面で着ていたものを、そのまま着れば問題ありません。恐らくほとんどの方がスーツやジャケットスタイルになるかと思います。
ここで一つ注意したいのは、オンライン会議ツールではモニター画面に主催者と参加者が並列的に表示されることがあるため、主催者がわかりづらい場合があります。このため、自分を見てもらうためには、主催者であることがひと目で分かるような服装が良いです。テーマカラーのネクタイやインナーを積極的に取り入れるなど、鮮やかな色で存在感を発揮させましょう(なお、服装は話す内容や出席者等、それぞれの状況で適したものが異なります。不安な場合はご相談ください)。
オンライン上での服装は、男性は「ネクタイ」、女性は「襟」で大体の印象が決まります。男性の場合、最も画面映えするのは、選挙の時に身につけているようなワンカラーのシルクタイです。女性の場合は、タートルネックなどの首が隠れるものは避け、なるべく首回りがすっきり見えるようにしましょう。
最後はメークの話です。今はオンライン会議ツールと連動したメークアプリもあるし、わざわざメークなんてしなくても、という方いらっしゃると思いますが、油断は禁物です(笑)。メークアプリは確かに便利ですが、明らかに「盛る」メークです。コミュニケーションを円滑にし、相手へのマナーの一つとしてメークを位置付ける場合、やはりご自身でされるのが良いと思います。この時画面映りを意識する場合は、口紅の色をやや濃いめにしましょう。
今回の3つのポイントを全て取り入れると、次の2つの画像のように映ります。
最後に オンライン化の展望急速に進展したオンライン化について個人的な見解を申し上げますと、「オンラインでできるものはオンラインで」というように、このまま継続していくのではないかと思われます。しかし、すべてがオンライン化するのではなく、対面で感じ取れる相手の雰囲気や、直接会って話すことも尊重される一方で、コミュニケーションツールの一つのとしての位置づけになるのではないでしょうか。
いずれにせよ、オンラインでの印象にも気を配ることに損はないと思います。今回お伝えしたポイントを守るだけでも、イメージ戦略の観点で同僚議員に差をつけることは間違いありません。ぜひ試してみてください。
古橋香織プロフィール「オシャレによる地域活性化」を目指して活動しているイメージコンサルタント。Color Commons代表。元東京都職員。早稲田大学大学院政治学研究科修了。政治家や公務員、社会起業家など、Publicの領域で活躍する方々に向けてパフォーマンスが向上するイメージ戦略、ブランディングを行っている。「信頼感溢れる見た目」を土台に、ニーズを細やかに汲み取ったイメージ提案はクライアントからの信頼も厚い。プライベートでは1歳男子の母。
http://colorcommonslab.com
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