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5年で7度の変更も―民主・維新合流による除籍からの復党

政治山 / 2016年3月18日 12時40分

 民主党と維新の党が合流し、「民進党」として船出することになりました。

 合流とはいえ、維新の党の松野頼久代表などは元々民主党に所属していたので、一部議員は元の鞘に戻っただけとも言えます。松野代表や今井雅人幹事長は、民主党を離党したのではなく、2012年に除籍されています。今回の新党結成は民主党による維新の党の吸収合併という形であり、除籍された議員は復党することになります。除籍されても戻ることは可能なのでしょうか。

国会議事堂

党規範に反する最も重い処分

 民主党の倫理規則第4条には「党員が倫理規範に反する行為を行ったと判断した場合」に5項目の措置または3項目の処分を明記しています。処分項目は(1)党員資格の停止、(2)離党の勧告、(3)除籍、の順に記載され、除籍は最も重い処分です。最近では、離党届を提出した鈴木貴子衆院議員(比例代表北海道ブロック)に対し、「党の信用を失墜させる重大な反党行為」として除籍処分にしました。

 自民党の場合、規律規約第9条第2項に「党紀委員会が行う処分の種類は、次のとおり」として、戒告や離党勧告などが列挙された8項目の最後に「除名」と記載されています。こちらは、除籍ではなく除名と呼称しています。

戻れない規則はないようですが…

 民主党の規則には除籍された者の復帰について記載はありませんが、過去に他党に移って復党した例が複数あるので、特に問題はないようです。今回の党名変更により、所属政党名がここ5年で7度も変わる議員もいるくらいです。

 自民党は党則第90条で「離党した者又は除名された者が(中略)復帰の承認をしようとするときは、党紀委員会の審査を経なければならない」と明記しており、除名が未来永劫、戻れないという決まりではないようです。

 自民党は2005年の郵政解散による総選挙後、小泉政権を引き継いだ第1次安倍内閣によって、郵政民営化法案に反対した造反離党議員のうち無所属11人の復党が認められましたが、新党結成に動くなどして除名された10人以上の議員については現在でも復党を認めていません。除名後も他党に移らなかった国会議員で復党した例はあるようですが、“浮気”には厳しい原則を貫いています。このことについて2013年に党幹事長だった石破茂・地方創生相は「(党を離れて)除名となった者で復党を許した例は過去一例もなく、今後もあり得ない」とのメッセージを出しています。

共産党には「除籍」も「除名」もある

 共産党の場合、規約の中で除籍と除名それぞれの記載があります。党規約第11条で、党員の資格を明白に失った党員や党への信頼を損なった党員に対して除籍できると定めています。除籍された人が再入党を希望するときは、支部・地区委員会で審議し、都道府県委員会が決定します。第54条では、「除名は、党の最高の処分であり、もっとも慎重におこなわなくてはならない」とし、除名された人の再入党は中央委員会が決定すると明記しています。除籍は党籍の抹消であり、処分とは別の措置ですが、党員を党から除くという点で、除名処分と同じ効果を持っています。

各院の3分の2以上の議決で国会議員の除名も

 政党だけでなく、国会議員の資格を失う「除名」もあります。憲法第58条第2項や国会法第122条第4号に除名が規定されており、「院内の秩序をみだした議員」に対し、「出席議員の3分の2以上の多数による議決」で除名とすることができます。戦後の国会で、除名された例は1950年に参議院で、1951年に衆議院で各1議員除名されています。

 除名処分が下されると、当該議員は議員の身分を失いますが、処分後の選挙に立候補して当選した場合には再び議員となります。国会法第123条では「両議院は、除名された議員で再び当選した者を拒むことができない」と定めています。

<株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター 上村吉弘>

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