公党で日本初!代表選にネット投票を導入したわけ―玉木雄一郎 国民民主党代表に聞く
政治山 / 2018年10月19日 10時0分
9月4日投開票が行われた国民民主党代表選挙に、公党として初のインターネット投票(以下ネット投票という)が導入されました。投票は、ハガキによる投票とネット投票の併用で行われました。
なぜネット投票を導入したのか、その背景や目的、今後の課題について、玉木雄一郎同党代表にお話をうかがいました。
AI・IT時代はスマホ投票が当たり前――今回の国民民主党代表選挙にネット投票を導入されましたが、導入の背景と目的を教えていただけますか。
私たち国民民主党は、新しくできた政党ということもあって、新しいことを積極的に取り入れていき、イノベーションを推進していくことを大きなテーマにしています。
そうした中でネット投票を実施した背景は、このAI・IT時代では、社会のあり方が変わり、政治のあり方も劇的に変わっていくということです。そこで、まずはこれまでいろいろなところで実現できなかったネット投票を導入しようと、私も積極的に取り組んで実施しました。
これには、若い人たちの政治参加を促す目的もあります。若年層は、テレビや新聞ではなくスマホを見ている時間が長い。スマホを使って手軽に、当たり前に投票できることを実現し、若い人たちの政治参加につながればと思っています。
今回のネット投票の前に、党の青年委員会の委員長選挙もSNSを使って候補者を選んだりするなど、これまでも実験的に進めていて、その集大成として今回のネット選挙が実現しました。
今、総務省では海外に居住する日本人を対象とする在外投票でネット投票の検討が進められていますが、まず私たちが実施してみて、その結果を今後に繋げていきたいと考えています。
地方議員の4人に1人がネット投票を選択――今回、ネット投票はどれぐらい利用されましたか。またどのような効果がありましたか。
ネット投票した人の比率は、党員サポーターが16%、地方議員が24%で、地方議員の4人に一人はネット投票をしたという結果が出ています。
まだまだ紙(ハガキ)による投票が多く、その理由として今回は、ネットは補足的ものという認識が強かったように思います(注)。今回は紙とネットでの投票を併用しており、二重に投票した場合は紙を優先することにしていました。
しかし、ネット投票は、郵便投票よりも投票期間が数日長かったため、できるだけ多くの情報を手に入れてから投票するという有権者のためにもなっていたのではないでしょうか。
(注)国民民主党代表選挙規則では、「党員およびサポーターは(中略)全国を単位として郵便投票(電子投票を含む)を行い」と定められている。
「投票日」ではなく「投票期間」と考えるべきまた、ネット投票では、投票機会の平等を確保できたのではないかと思っています。昨年の衆議院選挙では台風の影響で開票作業が大幅に遅れましたし、つい先日の沖縄県知事選では投票日が前倒しされたり、期日前投票が打ち切られたりしました。
ネット投票が実現できれば、開票作業の遅れや投票日の天候を気にせず、投票日直前まで検討できます。今後は、投票日という考え方ではなく、「投票期間」という考え方が投票機会の平等には必要です。
また、インターネットの利用は投票だけに限らず、動画などで政策的な訴えを直接有権者に届けることができるよう活用すべきです。
ネットのコンテンツ作りをもっと質の良いものに――今回ネット投票が導入されて、候補者の立場として意識したことはありますか?
ネット投票をしているからといって意識したことはなかったのですが、今後ネット上の情報を見て投票に行くという機会が多くなると、ネット上のコンテンツをもっと質の高いものにしようと考えるきっかけになりました。
特に、動画は重視される傾向にあるので、分かりやすい動画の政策発信はネット投票で勝つために重要であり、とても気を遣いました。
長い動画は見てもらえないので、フリーのソフトもありますし、短時間でわかりやすいものを作って政策発信していくことがこれからは大事ですね。
ポスターや看板はデジタルサイネージに――ネット投票が導入されると選挙活動どう変わっていくと思いますか。
紙をベースにした選挙運動を見直す必要が出てくるのではないでしょうか。
選挙の際、毎回気になるのが、ポスターや掲示板、看板が大量に作られては捨てられることです。それらは、デジタルサイネージのようなものにできるはずです。
候補者が登録したらデジタルの公営掲示板に、一瞬で、そして平等に表示されるといったようなものです。選挙のたびに看板を作って立てて廃棄する、そんな無駄なことはやめたほうがいいと思いますし、貼る人員のために組織に頼らなければならないということもなくなると思うのです。
投票に関することだけではなくて、若い人やお金がない人も政治に参加できるよう、選挙に関するさまざまのルールをデジタルファーストで変えるべきです。私たち国民民主党は、イノベーションを力強く推進する政策を打ち出していきます。
ネット投票実現法案の提出も検討――ネット投票に関して、今後党として法案の提出や提言などは予定していますか。
私は国民民主党の代表選挙において、国政選挙におけるネット投票の実現を公約に掲げてきましたので、わが党の公式な政策の柱としていきます。ネット投票実現法案を提出することを検討します。
ネット投票には、サイバー攻撃の可能性やセキュリティーの問題、本人確認や真正性確保の問題もありますが、まずはできるところからやってみて、改善点を見つけていこうと。
また、新しい技術であるブロックチェーンも活かした投票制度を作りたいですね。私たち国民民主党はベンチャー精神をもって、新しいことに挑戦していきますので、ご期待ください。
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