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首長の通信簿vol.1(後編)大阪府貝塚市長 藤原龍男氏

政治山 / 1970年1月1日 9時0分

――平成28年にスタートした10年計画の「貝塚市第5次総合計画」は、その目的やどのように進めるプランなのでしょうか。

 貝塚の魅力を市民の人が、よく分からない。貝塚の良さを知ってもらうことで、参加意識を上げようというのが一番の目的です。

 例えば、貝塚の小・中学校では、「貝塚学」という貝塚の魅力を伝える授業を教育委員会で取り入れています。また、4ヘクタールのドローンフィールドを作りました。なぜこのようなものを作ったかと言えば、これからはドローンが様々な面で使われるだろうと。大きな敷地があったので、活用してみようと思ったのです。

藤原龍男 貝塚市長

藤原龍男 貝塚市長

――同じ平成28年スタートした「第二次貝塚新生プラン」は、財政改革が目的ですよね。

 民間企業的に考えれば、収支の改善のために、出るお金と入ってくるお金のバランスを取ろうとか、効率化しようとか、ITを使おうとかあると思いますが、それとはまた別に新しいアイデアで伸ばせるものを伸ばそうということですかね。

 結局、財政が苦しいのはみんな一緒。正直言って、この改革プランでも切り詰めるのは限界。だから、「予算が無いから何もできない人は、予算があっても何もできないぞ」と、いつも言っているのです。

――名言ですね。

 お金が無いから事業に取りかかるのはダメと言う人には、じゃあ、事業に取りかかるためにお金をどうやって生み出すのか、それを考えろとも言ってます。

 職員には、「ポテンシャルの高いまちを創れ」と。情報を発信することによって、よそから見に来てもらえて、住民にも「ウチの市は、エエんやな」と思ってもらえることをしようと。「未来は過去からの延長ではない。未来は挑戦するためにあるのだから、職員も挑戦せよ!」と、いつも言っています。

――医療面の取り組みはいかがですか。

 市立貝塚病院は249床の小さな病院ですが、有名雑誌の「全国のいい病院」にしょっちゅう出ているのですよ、それも常に上位に。週刊誌の「良い病院ランキング」。関西だけでも、京大や阪大やら医学部が山のようにあります。その中で、小さな病院をここまでもってくるのには並大抵の努力じゃなかったですね。

 市長になった時にはお医者さんも、入院患者も少なくて。この近辺のいくつかの病院では、運営を民間に任せて、市は直営から離した。でも、そんなこと止めようと。自分の力で病院を建て直そうと思ってね。それは、それは大変な努力をしましたね。

 やっぱり住みやすいまちというのは、子育てしやすく、防災面もしっかりしている。防災面と言えば、自主防災組織というのを立ち上げてね、みんなが地域を守ろうと。例えば、年末の夜警や、子どもの見守り活動には2,900人登録してくださっていて、日本で一番率が高いのです。

 要するに、地域のことは地域で見守ろうということ。私は、家庭教育と地域教育があいまってこその教育の現場だと思っています。地域教育力を高めるために、見守り隊もある。「子どもは地域の宝物」っていうのぼりを挙げてね。“いってらっしゃい、おかえりなさい”って、地域みんなで子どもを育む運動をしています。

 そんなことばっかり・・・私は、そんなことばっかりやってますよ。

――年中外出も多く、体力的にも大変だと思いますが。

 昭和39年、小学6年生の時に東京オリンピックがあって、東洋の魔女と呼ばれた女子バレーボールチームがありましたよね。大学卒業時、就職は民間企業に受かっていたのですが、貝塚市役所で職員募集があると聞き、「バレーボールの日紡貝塚の貝塚だ!」と思い、ここを受けたのです。縁もゆかりも何もなかった。だから入ってすぐにバレーボールクラブに入って、ずっとバレーボールを続けていました。

 それと、夜8時以降は宴会に行っても食べないし、飲まないように決めています。そうしないと体を壊します。やっぱり自分の体は誰も守ってくれないし、しんどいですよ。66歳にもなると、自分が老人クラブの会員になってる(笑)。

――市長、役所にほとんどいないのではないですか。自ら市民が集まる場を作って、そこに自分から入っていってしまう。

 そうそう。私が入っていかないと、その場が続かない。ふれあい喫茶なんてそのさいたるものかな。

 やはり、首長の大事な仕事は市民の人に地域に関心を持ってもらって、地域づくりに参加をしてもらうようにいかに促すかというのが一番の責務だと思いますね。

 で、企業誘致もして、税の確保もしないといけない。

――でも、上手くいったことばかりではありませんよね。

 そんなもう、100やって上手くいくのはひとつかふたつ。企業誘致なんて、ほとんど失敗しますよね。

――市長が精力的に活動されてきて、喜びとして感じることはなんでしょう。このためにやっているとか、こういうことがあったら嬉しいとかというのは、何がモチベーションなのでしょうか。

藤原龍男 貝塚市長

 やっぱり子どもですね。小学校行ったり、中学校行ったり、子どもが成長するのを実際に見られるでしょ。

 最初の選挙に出た時の公約は、「教育ナンバーワンのまちをつくろう」のひとつだけ。良き人材を生み出すことが地域の一番の幸せ、というのが私の考えです。

 教育をどんな施策よりも一番先に位置付けて選挙を戦いましたよ。だから、当選後はすぐに教育現場に行って、トイレを洋式に換えたり。子どもとの接点をできるだけ多く持とうと思ってね。

――貝塚に住んでいる人は、貝塚にずっと生活したほうが自分の人生を豊かに安心して送れる、ということに繋げようということですね。

 そうですね。私は、地域間競争だと言うのです。それは、なにも地域にお金があるとか無いとかではなくて、住民の人が「ウチの地域はええで」と、隣の市の人に言う方が地域間競争の勝者だと思うのです。ということは、住んでる人がよその市の人に「ウチはこんなとこがええんやで」と自慢できるような地域づくりをすることが地域間競争だと。

――近年話題のAIやロボットについては、どのようにお考えですか。人手が足りないところをロボットが補う一方で、AIで職を失う人が増えていくということもニュースになっていますが、活用についてアイデアなどはお持ちですか。

 AIに無くて、我々人間にしかないものはふたつあると思うのです。ひとつは、恐れるということ。AIは、恐れることが無いからどんどん勝つような将棋がさしていける。もうひとつは、恥じらうことがないということ。こんなことをしたらカッコ悪いな、ということはAIにはないでしょう。

 我々行政の職員は、自然災害を恐れるし、もちろん市民に恥じるようなことをしたらあかん、と思うわけ。だからこそ、職員が全力でやるということ、そのことを肝に入れてやってくれと。ただ、単純作業など、そういうことはAIやロボットを取り入れたら良いと思っていますよ。

――市民がついていくのが大変だと思うくらい市長のパワーの強さを感じました。最後に、市民に対して望むことはありますか。

 みんなが新しいことにチャレンジするようになってほしいな、と思いますね。

 私は、中学校給食をデリバリーしてもらって、毎日ここ(市長室)で食べて。で、自分で味みて。もちろんお金を払って、ですよ。

 やっぱり、長の一番の責務はね、「直接見て、直接感じて、疑問点は自分で確認する」こと。そうしないと説得力がありませんからね。

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