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6人に1人が体罰を経験、3分の2は“しつけ”として容認せず―18歳意識調査

政治山 / 2020年5月8日 10時0分

 日本財団(笹川陽平会長)は3月中旬、「子どもと家族」をテーマに24回目の18歳意識調査を実施しました。この結果、8割以上が育った家庭や施設などを自分の居場所と感じる一方で、1割弱は居場所と感じる場所がどこにもないと答えています。

▼育った家庭や施設を自分の居場所と感じる83.4%

育った家庭や施設を自分の居場所と感じますか?

 体罰に関しては6人に1人弱が受けた経験を持ち、3分の2近くが“しつけ”としての体罰を「容認しない」と回答。その理由としては「痛みや苦しみでは何も解決しない」「暴力はすべて許されない」などが高い数字となっています。また、厚生労働省が体罰に当たる行為として示した8つのガイドラインすべてを体罰と考える人は約3割にとどまっています。

▼体罰を受けたことがある人15.1% 育った家庭(施設)が76.8%で最多

体罰を受けたことがありますか?

 全国で虐待が相次いでいる事実は8割が知っており、「親の特性や虐待経験によるもの」「体罰を『しつけ』と容認する社会の価値観」などが原因の上位に並んでいます。改正児童虐待防止法と改正児童福祉法の今年4月からの施行を知っていた人は4人に1人、この法律で虐待が減ると思う人は全体の6分の1にとどまっています。

▼児童福祉法・児童虐待防止法の改正認知度は4人に1人

改正児童虐待防止法と改正児童福祉法の今年4月からの施行を知っていますか?

 今回の調査結果を受けて、日本財団の坂本織江氏は以下のように述べました。

「少子化が進むにも関わらず増え続ける児童虐待問題を背景に、第24回の18歳意識調査は「子どもと家族」をテーマに実施した。

 家庭を居場所と感じるか聞いたところ、「居場所と感じる」としたのは体罰を受けた経験がない人が85.0%だった一方、体罰を受けたことがある人では74.2%と差がついた。「“しつけ”としての体罰を容認しない」とした人も前者が64.3%に対し、後者は52.3%だった。体罰を受けた経験が家庭を居場所と感じるかどうか、体罰を肯定するかに影響していることがうかがえる。また、虐待が起こる原因については「親の特性や虐待経験によるもの」53.3%、「体罰をしつけと容認する社会」47.4%といった親だけではなく社会の意識の低さも指摘している。

 スウェーデンでは1979年の法改正ですべての体罰を禁止した結果、2010年代には体罰を肯定する人は全体の約1割となった。日本でも、この4月から改正児童虐待防止法と改正児童福祉法において体罰禁止が明記された。同法で虐待が減るという意見は16.3%と低いものの、18歳からは「子どもの意見に耳を傾けようとする親、大人の姿勢が必要不可欠であると思う」という声も寄せられた。“しつけ”と称する痛ましい体罰による虐待事件が続いてしまった今こそ、改めて子どもと向き合い、社会全体で体罰によらない子育てを目指さなければならない」

■調査報告書について
詳細については、プロジェクトページに掲載している報告書をご覧ください。
18歳意識調査

■18歳意識調査について
2015年の改正公職選挙法で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられ、翌年の参院選から新たに「18~19歳」が投票に参加しました。民法の改正に伴い2022年4月には成人年齢も18歳に変わります。そこで日本財団では、18歳の若者が何を考え、何を思っているのか、継続して調べる意識調査を2018年10月からスタートさせました。次代を担う18歳の意識を幅広く知ることで新しい社会づくりに役立てるのが狙いです。

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