「左右の輪郭の違いが気になる」「口元が曲がってきた」|整顎エクササイズで口ゆがみをセルフケア

サライ.jp / 2018年12月19日 11時0分

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文/藤原邦康

顎関節症で顔がゆがむ⁉
口ゆがみについて
顎関節症は見た目にも影響を与えます。痛みや不具合の自覚はないのに整顎を受けにいらっしゃる方には口元や顔のゆがみに悩む方も少なくありません。左右の顎関節において、関節円板の動きが悪い側が小さくそして無表情に見えます。実は正常に大きく動いている側が幅広に見えますが、こちら側を押してももんでも顔が小さく縮むわけではないのでご注意ください。また、食いしばり癖がある人や噛み締める力が強い人は、咬筋の緊張からエラが張ってきたり側頭筋のこわばりから頭のハチが張り出す印象になったりすることもあります。

女性の場合は化粧をするときに「左右の輪郭の違いが気になる」「口元が曲がってきた」などの変化に気づくことが多いようです。鏡の前でいつも憂鬱な気持ちになってしまい、もともと明るい性格だった方がふさぎ込んでしまうケースもあります。人前に出たり写真を撮られたりすることにも抵抗を感じたりするようになり、マスクをつけて外出する方もいらっしゃいます。顎関節症から心を病んでしまうケースが多いのです。

顔はある日突然ゆがむわけではありません。日常の噛み癖やアゴに偏った負担をかける悪癖の積み重ねによって下顎骨の動きや咀嚼筋の緊張に左右差が生じてくるのです。また、頭を構成する23枚の頭蓋骨(とうがいこつ)の合わせ目である「縫合(ほうごう)」も少しずつゆがんでくるといわれています。まるで大陸移動のように、見えない速度で徐々に変化していくイメージです。進行が進んでくるとある日ふと気づいたら顏の輪郭や目の大きさ、口角の高さなどに左右差が生じているという具合です。男性の場合は眼鏡のかけ心地に左右差が出てきて顔ゆがみに気づく例もあります。

大学講師やアナウンサー、声優など「喋りのプロ」にも口ゆがみに悩む方もいらっしゃいます。これは、滑舌を意識した喋り方によって口周りに偏った負担や緊張が生じやすいためだと考えられます。テレビ視聴していると、ニュース原稿を読むアナウンサーに口がゆがんでいる方が多いことにお気づきになるのではないでしょうか。彼らは常日ごろ衆目にさらされ、また口元を緊張させる状況に身を置いていますから、時には左右のアゴ周りを脱力して緩めることも大切です。休憩時間に軽くあくびをするだけでも副交感神経が働いて心身をリラックスさせることができます。

喋る職業ではありませんが「ほうれい線を目立たなくするため」など美容の観点から口周りを意識して鍛える方も最近は増えていますね。アンチエイジングにつながれば素晴らしいですが、咀嚼筋に余計な負担をかけてしまい顎関節症を引き起こすこともあるため注意が必要です。骨と骨をつなぐ構造の骨格筋と性質が異なり、眼輪筋や口輪筋などの表情筋は顏の表層を覆うように付着しており、かえってシワを深くするという説もあります。鍛えること一辺倒ではなく整顎エクササイズなどで咀嚼筋ストレッチも併用することをおすすめします。
【整顎エクササイズ】

最近は、歩きスマホなどの影響により顎関節症の低年齢化が進んでいます。中学生ぐらいから顔のゆがみが目立ってきます。親御さんとしても、容姿が特に気になる年頃に我が子がこういう状況に直面するのを見るのは辛いものです。成長期が終わるまではゆがみを元に戻しやすいですから早めの対処をおすすめします。

対処法としては、TCH(歯列接触癖)を改めアゴの緊張をゆるめて、左右の顎関節がスムーズに動くようにしてあげることです。日々の心がけでアゴにかかる負担は変化しますから、まず上記の整顎エクササイズをしばらく試してみてください。

もしセルフケアだけでは改善しない場合は(社)日本整顎協会までお気軽にご相談ください。成長期が終わっても決して悲観することはありません。以下、動画の実例をご参照いただくと、顎関節の位置や動きは咀嚼筋のバランスによってよく変化することが分かります。
【参考:顔ゆがみと整顎】

なお、よくご質問をいただくのですが、顔や強く押すようなマッサージを受けても頭蓋骨のサイズは変わりません。人それぞれ、もともと生まれ持ったサイズがあり構造そのものを変えることはできません。頭蓋骨(とうがいこつ)は非常にデリケートにできていて強く押すと防御反応が起こるため、かえって首まわりや頭の緊張が増してしまうこともありますから注意が必要です。脳の周りを巡る「脳脊髄液(のうせきずいえき)」の流れを妨げるため、体調を崩す方も増加しています。特に顎関節症でお悩みの方がセラピーを受ける際には、施術者の経歴をチェックして解剖学や運動生理学など医学的知識を十分に学んでいるかを確認してみてください。施術者に専門教育や公的資格が求められる欧米と異なり、日本の場合は2週間ほどの研修を受けて施術家デビューする例も少なくないからです。

文/藤原邦康
1970年静岡県浜松市生まれ。カリフォルニア州立大学卒業。米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック。一般社団法人日本整顎協会 理事。カイロプラクティック・オフィス オレア成城 院長。顎関節症に苦しむアゴ難民の救済活動に尽力。噛み合わせと瞬発力の観点からJリーガーや五輪選手などプロアスリートのコンディショニングを行なっている。格闘家や芸能人のクライアントも多数。著書に『自分で治す!顎関節症』(洋泉社)がある。

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