【娘のきもち】祖父母の世話は母親に任せっきり。何もしない父親に不信感が強まっていった~その1~

サライ.jp / 2019年4月13日 11時0分

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取材・文/ふじのあやこ

【娘のきもち】祖父母の世話は母親に任せっきり。何もしない父親に不信感が強まっていった~その1~

近いようでどこか遠い、娘と家族との距離感。小さい頃から一緒に過ごす中で、娘たちは親に対してどのような感情を持ち、接していたのか。本連載では娘目線で家族の時間を振り返ってもらい、関係性の変化を探っていきます。

「母から真実を聞いて、若い頃の私は本当に何も見えていなかったんだなって思いました」と語るのは、めぐみさん(仮名・35歳)。彼女は現在、大阪の市外にある特別養護老人ホームで働いています。お話を聞いている間ずっと笑顔を絶やさず、声が少し低くゆっくりと話す姿から、落ち着いた印象を受けました。
兄妹ゲンカを慰めてくれた優しい祖父母。泣かされた後はいつも甘いお菓子を持って出迎えてくれた
めぐみさんは大阪府の郊外出身で、両親と2歳上に兄のいる4人家族。父方の祖父母の家は隣にあり、よく6人で過ごすことが多かったと言います。

「両親は高校の同級生で、2人とも地元の人。今の実家は私が生まれる前に建てたみたいなんですが、祖父が自分の家の隣の土地を買って両親にプレゼントしてくれたと聞きました。父親は一人っ子で、孫も私たちだけ。祖父母は最初から最後までずっと優しくて、何かあると祖父母の家に入り浸っていました」

祖父母の家に入り浸っていた理由として、お兄さんと2人きりになりたくなかったからだとめぐみさんは語ります。

「母親は正社員やパートなど、さまざまな仕事を転々としながらも常に働いていたから、学校から帰ると兄と2人きりになるんです。小学校の時は兄と顔を合わせると毎日ケンカをしていました。何でケンカをしていたのかはそこまで覚えていないんですが、流血するぐらい叩き合ったりもしましたよ。まぁほとんどケガをさせられるのは私でしたね。兄妹ゲンカって、両親がいれば止められて終わるんでしょうけど、2人きりだからどちらかが泣くまで続けてしまう。悔しいから絶対に兄の前で泣きたくなくて、泣きそうになったら祖父母の家に逃げていました。祖母は兄にも優しいから、兄に注意などはしなかったけど、いつも甘いお菓子が用意されていて。いつしか実家に戻らずに、学校から直接祖父母の家に行くようになっていましたね」

【次ページに続きます】

父親、兄、同級生。さまざまな理由から、男性全般が嫌いになっていった
中学生に入った時には、お兄さんとの関係は冷戦状態に。さらに、男性全般を嫌いになる原因のようなことが中学生の頃に起こったと言います。

「元々兄のような野蛮な男の人は苦手でした。兄は中学からバスケ部に所属して、毎日遅く帰って来るようになったから接点が全然なくなったんですけど、さまざまなものがとにかく臭かった。お風呂も浴槽の中で体を洗っているのかって思っちゃうほど兄の後だと湯が汚いんです。父はそんなことがなかったから、余計に兄が不潔に見えていましたね。

それに、中学の頃からクラスメイトの男子にいじられるようになってしまって。たまたま隣の席になった男の子がクラスで率先して笑いをとったりするタイプの子で、その子のネタにされ続けたんです。最初にそのノリにこたえていっていたら、どんどんエスカレートしてきて……。いじめじゃないから何かを隠されたりとかはしないんですが、ドリンクを飲んでいる時に笑かされて、その飲み物を吹き出すまで何かをされたり、テストの点をみんなの前で発表されられたり……。兄や同級生とそんなことがあって、学生時代はもちろん、大人になってからもしばらくは誰かを好きになることはありませんでした」

高校卒業後は実家から通える短大へ進学。その頃から祖父の体調が悪くなり、入退院を繰り返すように。祖母を一人ぼっちにしたくなかった思いから、祖父母の家で過ごすことが多くなります。

「母親は主に入院している祖父の世話をしていたので、私は家で祖母の家の用事を手伝っていました。祖母は足が少し悪くて、1人で入院先に行くことができなかったので、祖父の病院には週に2回くらいのペースで私が実家の車で送り迎えをしていました。

実は、祖父が初めて入院した時、私は車の免許がなかったんです。30万ほどかかる自動車学校のお金もなかった。学生ローンを組んででも学校に通おうとしていた時、お金をくれたのは母親でした。母親が自分で働いたお金で出してくれました。それに『助けようとしてくれて、ありがとう』と言ってもらえて。私は祖父母のことが大好きだったから、母親は恩に感じることなんてないのに。その頃には母親も仕事を辞めて、祖父母の世話をメインに生活をしていました。でも、父は休みの日もなにもしない、大学生になっていた兄も週末は遊びに行く始末。男の人って本当に役に立たないと心の底から思っていました。父は自分の両親なのに……。不信感しかありませんでした」

祖父母の世話をメインに毎日を過ごす母親。父親への不信感から家族の会話がなくなっていきますが、祖父母に懐いていためぐみさんにはどうしても言いたくないことが両親にはありました。
【~その2~に続きます。】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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