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食品 非競争分野で「協働」活発 競合の垣根を越えた取組み

食品新聞 / 2024年7月22日 11時13分

円安や原材料の高騰、人手不足が深刻化する中、食品業界では物流や環境など「非競争分野・領域」で企業同士が連携する動きが活発だ。単独では解決不可能な課題に、競合の垣根を越え意見を出し合って問題を解決するなど様々な取り組みが始まっている。

物流、環境対応、ロボット活用も

企業間の関係は「協働」や「共同」「連携」「コラボ」など多種多様。協力しながら行う「協働」や、目的が同じでも行動が異なる「連携」が比較的多く、異なる立場から連携・共同する「コラボレーション」も盛んだ。

背景には円安や原材料価格の高騰、利益率の低下、労働力不足などの問題が山積しており、1社だけでは解決できない課題に対し、企業同士が連携して解決を目指し、企業間同士をつなぐスタートアップの存在も見逃せない。今のところ物流や環境が中心的な共通課題だが、今後はAIやロボット活用でも新たな取り組みが増えそうだ。

「競争は商品で、物流は共同で」を基本理念に、物流の2024年問題に先立ち、2019年4月に味の素、ハウス食品グループ本社、カゴメ、日清製粉ウェルナ、日清オイリオグループの5社が立ち上げた物流会社「F―LINE」。企業連携(第1ステージ)、2024年問題(第2ステージ)はクリアし、第3ステージに入った現在は“スカスカ物流”など諸問題の解決にあたっている。

冷食業界も今年から共同物流で足並みを揃えた。味の素冷凍食品、ニチレイ、ニッスイ、テーブルマーク、マルハニチロの5社は、共同配送や物流システムの共通化で連携。これまでエリアごとに個社同士の共同物流を行ってきたが、今後、協働体制を加速する。またビール4社は鉄道での共同輸送は早くから始めている。

環境対応では飲料業界のペットボトル水平リサイクルの取り組みが活発だ。アサヒ飲料とキリンビバレッジは23年7月に常総市などとペットボトルで連携協定を締結して水平リサイクルを開始。伊藤園とアサヒ飲料、キリンビバレッジ、豊田通商も23年9月に愛知県小牧市と協定を結び、アサヒ飲料とコカ・コーラボトラーズジャパンは24年4月から兵庫県明石市と締結して水平リサイクルを開始した。

日本コカ・コーラとサントリー食品インターナショナルは、24年6~7月にペットボトルの分別啓発イベントを実施。両社は23年5月に開催された「G7広島サミット」においても「誰よりも同じ未来を見つめる存在。それが、ライバルってこと」と広告などで訴えた。

キユーピーと味の素は、マヨネーズにおける競合の垣根を越え、使用済みマヨネーズボトルにおける資源循環に向けた協働の取り組みを開始。マテリアルリサイクルにより連携し、官民連携で取り組むプラットフォーム「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」の活動として回収実証実験を開始した。

ロボットの活用でもカゴメ、キユーピー、永谷園、ニチレイフーズ、日清製粉グループ本社およびテックマジック社が協業で動き出した。今年7月に工場が抱える共通課題の解決を目指し、「未来型食品工場コンソーシアム」を結成。食品工場の未来について協議・協力する。共同開発プロジェクトを立ち上げた。

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