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夏冬で風味が変わるチーズ 北海道・美瑛生まれのおいしさを全国に 美瑛ファーム

食品新聞 / 2024年7月31日 17時7分

美瑛ファーム(北海道上川郡)では、東京ドーム4個分の土地で年間放牧というストレスフリーな環境で育った乳牛から搾乳した新鮮なミルクを、季節で味わいが変化する低温殺菌牛乳やチーズ、ソフトクリームなどに加工している。業務用バターや脱脂乳、チーズの生産過程で出たホエイは、道内の菓子店や東京の食パン専門店でも使用され、“美瑛生まれ”のおいしさを伝えている。

美瑛ファームの生乳は、夏と冬で牛が食べる餌が異なり色や風味が変化することから、夏ミルク・冬ミルクと呼ばれる。5~10月に青草を食べた牛のミルクで作った“夏チーズ”はカロテンの黄色い色味や香りが強く、11~4月に乾草を食べた牛のミルクで作った“冬チーズ”は脂肪分が高くコク深い特長がある。熟成時間でも味わいは変化し、最大の27か月熟成した「フロマージュ・ド・美瑛」の冬チーズは、アミノ酸が結晶化した白い点が出てくる。

小熊章子氏は、フランシュ・コンテ地方で2年半チーズ作りを学んだ。この地方では主にモンベリアード種のミルクからコンテチーズを製造している。脂肪分とタンパク量がほぼ同じで熟成しやすく、季節や熟成期間によって変化するコンテチーズに魅せられ、「コンテチーズのようなチーズが作りたい」という熱い思いから、2016年に純潔としては日本で初めて同種を導入した。来年仏で行われる国際コンクールには熟成期間を伸ばしたチーズの出品を見据えている。

美瑛産トドマツの板に並ぶ「フロマージュ・ド・美瑛」

近藤野の花プラント長は、「美瑛ファームの最大の特長は、素材のおいしさを味わえる製品づくりにある」と語る。保存料および安定剤を使わない生乳本体の風味を重視し、「一般的なスーパーに並ぶ高温殺菌牛乳は、焦げ臭さのようなものが出る場合があるが、当社ではなるべく本来の生乳に近い状況で殺菌できる低温殺菌を採用している」。

ソフトクリームミックスの製造では、真空濃縮装置を用いて液体の沸点を下げ、低温状態のまま水分を抜く。粉を足して生乳の水分率を下げるのではなく、単純に水分を抜く方法で、生乳と砂糖のみの素材のおいしさがそのままソフトクリームになる。

脱脂乳やバターは、新千歳空港で人気のコーンパンや、東京の銀座・青山の食パン専門店「セントルザ・ベーカリー」、昨年4月に丸の内にオープンした「BUTTER美瑛放牧酪農場」でも使用される。チーズ1回の製造で約500L出るホエイは、道内や栃木県の菓子店に出荷し、ホエイを煮詰めて作るブラウンチーズの菓子に生まれ変わっている。

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