「シスコーン」「チョコフレーク」「ごろグラ」から新商品 原料高騰も積極提案で売場拡大中の日清シスコ「風景が変わった」
食品新聞 / 2024年8月4日 21時0分
シリアル・菓子メーカーの日清シスコが手掛ける「シスコーン」「ごろグラ」「ココナッツサブレ」「チョコフレーク」「おいしいオートミール」など主要ブランドの売場がじわり拡大している。原材料高騰の中、秋冬も新商品を積極的に提案して、さらなる成長を目指していく。
7月31日、下期戦略・新商品発表会に臨んだ浅井雅司社長は「売り場に関しては“よく並んでいる”と言われるようになり本当に風景が変わった。定番売場が広がり対面販売の催事場も大きなスペースがいただけるまでに成長してきた」と語る。
浅井雅司社長(中央左) 、山田道明取締役副社長(中央右)、上脇達也専務取締役(右)、小泉純取締役営業本部長(左)売場拡大には、新商品の投入など積極的な需要喚起策のほか、コーンフレークカテゴリーの約4割のトップシェアを握る「シスコーン」に自信をもって提案する営業スタイルの浸透が奏功した。
同社は1月10日に創業100周年の節目を迎えた。
今期(3月期)を100周年イヤーと位置付け、Z世代向け商品など将来を見据えた種まきも行いつつ、主要ブランドに磨きをかけ増収増益を目指していく。
「秋の棚割が1つの勝負となるが、新・営業本部長のもと、やりきる」と力を込める。
4月から現職の小泉純取締役営業本部長は、湖池屋に33年間在籍し営業畑を歩んできた経験を持つ。
「クラフトシスコーン」(右)と「シスコーンサクサクハート いちご味」4月から5月にかけては、創業100周年の売場活性化策として、無料試食イベント「ごろグラ×シスコーン シリアルまぜまぜ自由研究」を実施。現在、社長をはじめ役員を含めた従業員160人が店頭に立つ対面販売を展開している。
「若い社員とともに事業計画のトップライン(売上収益)と利益の両方を達成していく。課題はトライアルの獲得。『シスコーン』は定番の構成比が圧倒的に高いため、そこにプラスして新商品の導入にチャレンジして市場を盛り上げていく」と小泉取締役は意欲をのぞかせる。
秋冬に向けた「シスコーン」の目玉新商品は、大人の喫食も狙った「クラフトシスコーン」。9月30日に発売開始される。
マーケティング部を管掌する山田道明取締役副社長は「満を持して市場投入する。コーン本来の自然の甘みとその奥に感じる香ばしい甘さや香り、生地の焼き具合にもこだわり、至極のコーンフレークを開発した」と胸を張る。
半期の定番商品として「シスコーンサクサクハート いちご味」を9月23日に新発売する。同商品は、日清シスコ初となるハート型パフの「シスコーン」で「サクッとした食感でお子様でも食べやすい」という。
4種類の「ごろっと具材」商品全般では「ブランドを基軸に健やかさと楽しさをお客様にしっかりお届けしていく。今年は100周年を迎え、我々のワクワクする思いを商品やマーケティングに乗せてお客様の共感が得られるような1年にしていく」。
この方針のもと、「ごろグラ」では7月から8月にかけてCM投下と連動して「ごろっと具材べた付キャンペーン」を展開。「ごろグラ」か「シスコーン」をいずれか1つ購入すると、「ごろっと具材」を1つプレゼント。
「ごろっと具材」はべた付什器で陳列され、「いちご」「マンゴー」「粒もち」「アーモンド」の4種類の中から選べるようになっている。
「ごろグラ」の新商品は「ごろグラ さつまいもづくし」。8月5日に発売開始される。
「ごろグラ さつまいもづくし」 「さつまいもづくし」は、薫りの良いバターで仕立てたさつまいも味のシリアル生地に、さつまいもチップ、紫いもチップ、焼きいもクッキー、さつまいもボールを具材としてブレンドしたもの。
「塩味が効いた後味がクセになるような商品。当然、健康にも意識して鉄分、食物繊維、カルシウム、9種のビタミンも配合した」と説明する。
「チョコフレーク」は9月16日にリニューアル発売。
「チョコフレーク」は、かねてよりコーンフレークとの相性を踏まえエクアドル産のカカオを使用している。
SCMを管掌する上脇達也専務取締役は「エクアドル産のカカオは香りが豊かで、しかも香りのバランスが非常によい。カカオ相場が高騰する中、今後もコーンフレークに負けないパンチのあるチョコレートにすべく、引き続きエクアドルを軸にブレンドしていく予定」と語る。
「チョコフレーク サクサクホップ」(中央左)などカカオの原料調達もタイトとなる中、定番商品の安定供給に取り組みつつ新商品「チョコフレーク サクサクホップ」を9月16日に発売開始する。
コンビニで拡大中の「チョコフレーク」を含めたポケットチョコカテゴリーの新商品も投入する。
「おいしいオートミール」では、今後の市場拡大を見据えて、新商品2品を9月2日に発売開始する。
次の100年に向けては、価値観や生活様式が異なるZ世代の取り込みも視野に開発を進めている。
浅井社長は「変化に対応していかなければならない。現状維持の思考から脱し新しいことに挑戦し続ける姿勢で臨む」との考えを明らかにする。
Z世代の食習慣にも着目する。
「食事の代わりにスナック菓子などが喫食される傾向にあり、そこに対し、当社はZ世代にも受け入れられる健康軸の商品を提案できたらと思い、開発を進めている」と述べた。
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