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暑下の大阪・関西万博の建設現場 竹中工務店「ポカリスエット」や「ポカリスエット アイススラリー」などで熱中症対策を徹底

食品新聞 / 2024年8月15日 19時59分

 日本国際博覧会(大阪・関西万博)の25年4月開幕に向け、会場となる大阪湾の人工島の1つ夢洲(ゆめしま)では、猛暑日が続く夏場でも工事が着々と進められている。

 会場のシンボル大屋根(リング)などを施工する竹中工務店が、工事の作業員に対して特に注力しているのが熱中症対策だ。

 熱中症対策には、普段の生活の中でカラダの水分を常に保ち、深部体温の上昇と脱水を防ぐことが重要となる。

 深部体温は約37℃が理想の状態。なお、深部体温は臓器の温度であるため体温計では測定できない。

 発汗により、水分とともにナトリウムなどの電解質が失われることから、熱中症対策には、水分に加えてナトリウムや吸収をスムーズにするための適度な糖質の補給も欠かせない。

 高温多湿な夏は水分・電解質補給とともに暑熱環境下の酷暑対策としては身体を芯から冷やすアイススラリーの活用のセットが推奨される。

 竹中工務店では、このような事実を踏まえ、水分・電解質補給に好適な「ポカリスエット」(大塚製薬)に加えて、作業前などに「ポカリスエット アイススラリー」(同)を配るなど作業員の安全対策を徹底している。昨夏の猛暑でも熱中症患者数はゼロで、今夏も同ゼロを継続させている。

 「ポカリスエット アイススラリー」は熱中症対策を目的に2018年に発売。当初は通販や工事現場(法人向け)限定販売だったが、現在はコンビニやスーパーなどの小売店でも販売されている。

 特徴は、凍らせてスラリー状(液体と細かい氷の混合物)になる新組成で、フローズンドリンクなどのように氷を細かく砕いて流動性を持たせたものとは異なる。凍らせた飲料はすぐに飲めないが、スラリーは冷凍庫から出して少しもみほぐすだけで簡単に飲用できるため、作業員からも「飲みやすい」と好評だ。

 竹中工務店は、作業員の安全のため、熱中症対策に限らず、さまざまな取組みを行っている。

 同会場の事務所にはコンビニのファミリーマートが併設されており、竹中では初の取組みで、建設業界全体でも珍しい。竹中以外の業者も購入できる。

 事務所併設の自販機では、5~9月の夏場は「ポカリスエット」が70円で購入でき、差額は竹中が補填する。また、涼しくてきれいなトイレを整えるなど「作業員の心に届く取組み」(中島正人作業所長)を重視している。

竹中工務店の河井辰巳大阪本店統括作業所長

 竹中が担う万博会場整備工事の責任者である河井辰巳大阪本店統括作業所長は熱中症対策について「作業員の一人ひとりの(熱中症に対する)自覚が重要」と話し、主な対策として「分かりやすさ」を挙げる。

 具体的には作業員がいる現場の表面温度などをサーモグラフィで伝え、午前中の水分等の補給の回数を数値で示している。作業員への声かけや要望の問いかけも注力することで、作業員から多くの喜びの声も上がっており「風通しの良い現場」(河井氏)を構築している。

 このようなさまざまな対策が行政から評価され、令和5年度おおさか気候変動対策賞の優秀賞を今年3月に受賞した。大塚製薬は令和3年度の同賞を受賞している。

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