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ウーケ 花畑佳史社長 業容拡大で次の一手 生産能力3割増強へ 輸出にも力

食品新聞 / 2024年9月2日 14時29分

パックごはんの需要が急増している。コロナ禍で認知が進み利用層が広がったほか、最近では防災備蓄用や精米の代わりに購入されるケースが増えている。同社でも商品の安定供給とともに、米卸最大手・神明をグループに持つ神明ホールディングスの一員として付加価値商品を提案し、新しい需要の掘り起こしに取り組む。

――直近の業績を。

花畑 前3月期は、金額ベースで前年比106.9%、数量ベース100.7%となった。増収は価格改定が寄与したものだが、数量を維持できたのは、コロナ禍に在宅療養者向けの食事として広がり、巣ごもり消費が落ち着いた後も簡便性や美味しさが支持された結果と考えている。これまで国内のブレンド米を使った商品が主流だったが、近年は銘柄米の人気が高まり、購入層の幅が広がったと感じる。当社でも簡便性に加えて付加価値に力を入れ、高齢者向けのおかゆや、カレーに合うご飯を商品化。特にカレーは、イベントや小売の販促用に問い合わせがあり、狙う層にピンポイントで訴求できている。

今年度は6月に一服感が見られたが、それ以外は好調。7月以降は量販店で精米が品薄になり、パックご飯を手にされる機会が増加。8月には南海トラフ地震への備えが頻繁に呼びかけられたことから需要が跳ね上がり、現在も市中在庫がひっ迫している。当社は通常より24時間3交代制のフル稼働生産のため増産できないが、既存得意先を優先して安定供給に努めている。

――防災意識が高まっていますが、今後も引き合いは続きそうですか。

花畑 1年の賞味期限から、ローリングストック商材として利用されている。当社も以前から防災用品の開発を進めていたところ、1月1日に能登半島地震が起こった。当社工場もわずかに被害を受けたが、点検と補修を行い3日後には生産を再開。石川県と富山県にパックごはんを寄贈した。そこで被災された方から温かい食事が食べたい等いろいろな意見を聞き、さらに改良を重ねて、火を使わずに蒸気で加熱する「防災フードボックス」を開発。専用発熱剤と収納容器、パックごはんのセットとして8月30日よりECサイトで販売した。また、中身を一部変えたセットを、地元の入善町の防災イベントなどを通して寄付する予定だ。

――現在建設中の「第4工場」の詳細と、稼働後の計画については。

花畑 26年4月に本格量産稼働。生産能力は全体で3割増の1億6000万食に引き上げる計画。現在第1~3工場がフル稼働しているため既存得意先への供給を優先しているが、一日でも早く工場を稼働して需要に応えたい。生産に余力ができれば、国内の新規拡大とともに神明グループの一員として輸出にも力を入れる方針。輸出先は主に東南アジアや欧州圏を想定しており、年間600万食を目指す。

――コメの加工業者として、農家とどのようにかかわりたいですか。

花畑 8月に地元のJAみな穂さんが農業法人、個人農家さん約50人を工場に招待して、生産したコメが加工される工程を見学してもらった。農業就労人口が減少するなか、生産者とコミュニケーションを深め、連携し寄り添うことで、コメの生産減に歯止めをかけることができればと思う。

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